「神がさす」。

 昨日、夫が水木しげる著「貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎」(角川文庫)全6巻を一気買いしてきた。昨晩1巻を読み、今2巻を読み終えたところだが、大変に面白い。もっとおどろおどろしい内容かと思っていたが、どっちかというとブラックユーモアたっぷりの妖怪ギャグ漫画という感じ。
 1巻の巻末の解説に、鬼太郎の連載が読者からの要望によって実現したというエピソードが書かれているが、今日放送のドラマ(「ゲゲゲの女房」)はまさにその内容だった。人は「魔がさす」の反対で、「神がさす」こともあるのだ、と水木サンは言っておられるが、いい言葉だな。

 世の中によく「魔がさす」という言葉があり、いきなり人を殺したり万引きしたりすることがあるが、考えてみるに、「魔がさす」といって悪魔が人間をその方に導くことがあるならば、神が人間を導く「神がさす」ということもあっていいはずだ。
 即ち、その人間では分からないがつい良いことをしてしまう、といったことだ。
 この「妖奇伝」の中から鬼太郎が救われたのは、一読者の手紙による。
 社長宛に出されたその一通の手紙によって凡て変ってしまったのである。
 恐らくその手紙は、ある人間を通して「神がさし」たのであろう、鬼太郎は復活し、バカ社長は「鬼太郎は自由にやっていい」といい出し、次から「墓場鬼太郎」という短篇集を出すことになった。(1巻、377ページ)

墓場鬼太郎 (1) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-7))

墓場鬼太郎 (1) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-7))

気になる本。

 気になる本。ミネルヴァの自伝シリーズ「my life my world」は、今後どんなラインナップになるのか楽しみだ。サッカー関連の新刊が増えてきたな。
 ・柳美里著「ファミリー・シークレット」(講談社
 ・千田善著「オシムの戦術」(中央公論新社
 ・木村敏著「精神医学から臨床哲学へ」(ミネルヴァ書房
 ・菅野覚明著「女子の心得」(PHP研究所)
 ・熊井啓著「私の信州物語」(岩波現代文庫
 ・金子達仁著「敗北という収穫」(中公新書ラクレ