「ニッポンの書評」読了。

 豊粼由美著「ニッポンの書評」(光文社新書)読了。震災・原発関連以外の本を久しぶりに読んだ。「粗筋紹介も立派な書評」、「『援用』は両刃の剣」など、著者の書評に対する考えが展開されるが、プロの書評と感想文の違いについてこう述べている。

 つまり、プロの書評には「背景」があるということです。本を読むたびに蓄積してきた知識や語彙や物語のパターン認識、個々の本が持っているさまざまな要素を他の本の要素と関連づけ、いわば本の星座のようなものを作り上げる力。それがあるかないかが、書評と感想文の差を決定づける。今のわたしはそんな風に考えているのです。(109ページ)

 「背景」かあ…。「本の星座」かあ…。確かにこのブログにはないですなあ…。
 ところで、村上春樹の「1Q84」に関する黒古一夫氏の書評が取り上げられているが、当時それが掲載された道新を読んでいた者として、確かにあの書評はひどいと思った。私は既に「1Q84」を読んだ後だったが、あまりにも単なるネタバレ文章で、なんでこんなものを載せるのかと驚いたことを今でも記憶している。(当日のブログにもその旨書いている→http://d.hatena.ne.jp/tomoko-moose/20090614/1244963101

ニッポンの書評 (光文社新書)

ニッポンの書評 (光文社新書)