「切羽へ」読了。

 井上荒野著「切羽へ」(新潮文庫)読了。今年読んだ本を見ていたら、好きな作家の本はだいたい1冊ずつは読んでいるのに、井上荒野を読んでいないことに気づいた。それで、今年最後に選んだのがこれ。直木賞受賞作。
 これまで「もう切るわ」、「ヌルイコイ」、「潤一」、「しかたのない水」を読んだが、本作は他とは全然雰囲気の違う小説に思えた。あまり大きく物語は動かず、わりと静かに終わる。小さな離島が舞台で、九州弁で会話が進むというのも意外な設定だ。その魅力、詳しくは山田詠美の解説を読むべし。今年一番の名解説かもしれない。

切羽へ (新潮文庫)

切羽へ (新潮文庫)