2011 読書を振り返る。

 昨晩「切羽へ」を読了して、今度こそ年間50冊を達成した。改めて、今年読んだ本を一覧にしておく。

 【1月…6冊】 安部公房著「飢餓同盟」/吉田修一著「さよなら渓谷」/筒井康隆著「漂流 本から本へ」/斉藤道雄著「悩む力 べてるの家の人びと」/松浦理英子著「犬身 上・下巻」/川上弘美著「東京日記3 ナマズの幸運。」

 【2月…2冊】 丸谷才一著「女ざかり」/角田光代著「八日目の蝉」

 【3月…4冊】 三島由紀夫著「禁色」/綿矢りさ著「蹴りたい背中」/福永武彦著「忘却の河」/池澤夏樹著「キップをなくして」

 【4月…2冊】川村湊著「福島原発人災記」/吉村昭著「三陸海岸津波

 【5月…4冊】 豊崎由美著「ニッポンの書評」/鎌田慧著「原発列島を行く」/小谷野敦著「友達がいないということ」/坪内祐三著「書中日記」

 【6月…3冊】 宮藤官九郎著「俺だって子供だ!」/NHK「東海村臨界事故」取材班著「朽ちていった命」/平野啓一郎著「決壊 上・下巻」

 【7月…4冊】 村田喜代子著「この世ランドの眺め」/吉村昭著「新装版 海も暮れきる」/阿部和重著「和子の部屋」/水上勉著「飢餓海峡 上・下巻」

 【8月…4冊】 中村計著「佐賀北の夏」/金原ひとみ著「マザーズ」/角田光代著「予定日はジミー・ペイジ」/金城一紀著「SPEED」

 【9月…5冊】 山田詠美著「アンコ椿は熱血ポンちゃん」/桐野夏生著「残虐記」/荻原魚雷著「本と怠け者」/今尾恵介著「地図で読む戦争の時代」/堀江敏幸著「未見坂」

 【10月…5冊】 長嶋有著「いろんな気持ちが本当の気持ち」/平出隆著「ベースボールの詩学」/鹿島田真希著「来たれ、野球部」/有吉佐和子著「青い壺」/長嶋有著「安全な妄想」

 【11月…5冊】 ポール・オースター著、柴田元幸訳「幻影の書」/村松友視著「夢の始末書」/金原ひとみ著「星へ落ちる」/富岡多惠子著「湖の南 大津事件異聞」/川上未映子著「すべて真夜中の恋人たち」

 【12月…6冊】 松下竜一著「ルイズ 父に貰いし名は」/仲俣暁生著「再起動(リブート)せよと雑誌はいう」/岡崎武志著「古本道入門」/伊坂幸太郎著「モダンタイムス 上・下巻」/色川武大著「離婚」/井上荒野著「切羽へ」


 ※50冊のうち、小説が26、非小説(エッセイ、評論、ノンフィクションなど)が24でほぼ半々だ。これはおそらく今年に限った傾向だと思う(普段はもっと小説が多い)。特に震災後の3月中旬から6月半ばまでの約3ヶ月間は非小説作品しか読んでいないことがわかる。あの時期はどうしても小説を読もうという気持ちにならなかった。
 著者の性別は男性が34、女性が16。例年よりかなり女性の割合が高いと思う。小説に限れば男性14、女性12でほとんど同数だ。以前は女性作家を少し敬遠していたのだが、井上荒野角田光代金原ひとみなど、安定した実力を持った女性作家の台頭が影響している。というより、現役男性作家に元気がないのかも。
 複数冊読んだ作家は吉村昭金原ひとみ角田光代長嶋有の4人だけ(いずれも2冊ずつ)。相変わらず飽きっぽい性格なので、夫のように堂場瞬一ばかり何冊もというわけにはいかない。でも今年はやや保守的な読書だったかもしれない。新たに挑戦したのは、松浦理英子平野啓一郎鹿島田真希川上未映子伊坂幸太郎ぐらいか。海外文学がオースター1冊だけというのもいただけない。来年はもっと未知の作家に出会えるような読書にしたい。
 ベスト5の発表はまた後ほど。