「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」読了。

 山田詠美著「明日死ぬかも知れない自分、そしてあなたたち」(幻冬舎文庫)読了。連れ子同士で再婚した父と母、そして4人の子どもたち。家族の幸せは、長男の突然の死によって変調を来す。小説としてはありがちな設定だが、暗くなりすぎないのが山田詠美のすごいところ。
 作者が何を書きたかったのかよく伝わってくる、爽やかな小説だった。最後もかっこよくてシビレました。江國香織の「抱擁、あるいはライスには塩を」にちょっと似てるかな? 私はこちら(山田詠美)の方が断然好きです。

 大きな賞も獲ってないし、映像化もされていないので全然知らなかった本。たまたま手に取っただけ。自分好みの本に出会えるかどうかって、本当に偶然の奇跡なんだなあと実感。