人に新しいことを教えてもらうときは、立つことすら忘れたフリをしろ。

だいたい記事を書くときは、この記事は5ブックマーク、これは100ブクマくらいいくんじゃね?とか予想を立てたりするのですが、往々にしてその予想は外れるもので、こないだの独学記事は3ブックマーク程度を予想していたのにも関わらず、なぜか600を超えてしまい、世の中を読み切る難しさを改めて感じています。
ブクマの流れとしては、難しい内容で玄人に役立つ記事よりも、とにかく簡単で玄人にはまったく役に立たないが、素人は色々学べるみたいな記事が流行るという感覚があるのですが、独学みたいな一本筋の思考を纏めた内容がブレイクするのは予想外でした。
さておき、今日はバイクの教習に通って(もう卒業前です)、改めて感じたことを纏めておきます。

立つことすら忘れたフリをしろ。

これは、僕の大好きな漫画、おがきちかのランドリオールでの母親のセリフです。
主人公が学校で剣技を教わるときに、母親から教えてもらった癖のせいでてこずった話を母親に言ったら、しれっと「新しいことを学ぶときは、立つことすら忘れたフリをしろって教えなかった?」と言われてしまったシーンがありました。
この漫画は本当に共感する点が多いのですが、このセリフも大いに共感しました。
で、僕のバイク教習の話ですが、既に中型免許を持ち、毎日バイクに乗っている僕にとっては、学校で教わる技能よりも自分の癖との戦いになっています。
例えば、バイクに乗るときは、乗る前にスタンドを上げるとか、一旦停止のときはニュートラルに入れてはいけないとか、現実の運転で楽をするために癖付いた習慣が、教習では減点対象になっています。
これらの癖を出さないために、もっとも効果的なのが、新しいことを学ぶときは立つことから忘れたフリをしろなのです。

忘れたフリをするメリット。

メリットは大きく分けると、以下の2つ。

  • 教えている人が気持ち良く教えてくれる。
  • 癖が出ることによる学びの阻害を防ぐ。

です。もちろん、教える方も人間なのでバランスが大事ですが、大抵の場合は、あれこれ自分勝手にするタイプよりも、教える人間の指示を待ち、指示に感謝してひとつづつきちんと学んでいく人を好みます。
計算高いと思われるかもしれませんが、教えてもらうときは、とりあえず勝手なことはせず知ってることであっても、教えて下さい!という姿勢である方が、後々の都合が良いでしょう。まぁ、「能ある鷹は爪を隠せ」と言っているだけです。こう言うと綺麗に聞こえますね。
癖を出さないというのは、癖によって学習を阻害するのを避けるのが最大の狙いです。自分の中の正しさと組み合わせて取捨選択するのは後で良いので、まずは一から十までを素直に学ぶことが、後々のメリットになるという話です。
もちろん、既に教わったことを何度も確認したり、常識レベルのことまで分からないと言うと、逆にうざいと感じますので、やっぱりバランスが大事なのですが、謙虚さと感謝の気持ちはいつまでも忘れないようにしたいと思います。
既にある程度知っていることを忘れたフリをする(相手に気付かれないのが大事)のは、実は大変高度なスキルだと思います。「あいつ知ってやがるな?」と思わせると、逆にうざいかもしれないですし、そういうのを含めて、単に知ってることを忘れるのではなく、立つことすら忘れたフリをするのが重要なのです。

正確にはランドリオール内のセリフは、新しいことを習う時は両足で立つことから先は忘れたフリしないさいでした。記憶ってあてにならないですねぇ。