TOSHIBA Aurex プリメインアンプ SB-420の修理 ―その3―

おはようございます、Tomです。昨日は、非常に天気が良かったのですが、朝晩はとても冷え込みましたね。今年は、なかなか暑くならない感じがします。昨日もテレビでミニ氷河期の話をしておりましたが、太陽も地球も少しづつ変化しているのだと思います。

さて、Tomのアンプの修理の方も少しづつではありますが、今の所順調に直ってきております。Aurex SB-420も前回でプリアンプまでは、完全に直っています。いよいよメインアンプです。メインアンプは、スピーカーが飛んでいるので、少々厄介であると思っています。そこで、メインアンプについては、作業方針を立てることにしました


1.解析作業方針を立てる
 故障解析の方針は、人それぞれですが、今回Tomはメインアンプの故障に関して下記の方針を打ち立てました。

 1)まず、回路を後ろから追いかけ、左右の違いを見ながら変化点を見つけ故障エリアを絞り込む。

 2)その周辺のトランジスタのメンテナンスを行う(生死の確認と接点の磨き)

 3)電解コンデンサを交換する。

 4)メイン基板の再ハンダを行う

 5)トランジスタの交換実験を行う

 6)原因と思われる部分のトランジスタ周辺の部品の接点不良をひとつづつ解消する

こんな感じでしょうか?基本的に経時変化で半導体は壊れませんので、交換パーツは電解コンデンサとします。どちらにしても30年程経過しているので、電解コンデンサは交換したほうがいいでしょう。

2.段取りを行う

 1)プリとメインを接合する  まずは、プリの修理を行うために切り離した、プリとメインのショートバーを取り付け、プリの出力がそのままメインに流れるようにします。

 2)入力信号を準備する
 次に、信号を入力し、左右の違いを確認してゆきますが、これまでは入力信号は手軽なCDの音声(マライヤキャリー:別になんでもいいが・・・)を入力しておりました。自作の発振器はあるのですが、面倒なので何かよい方法はないのもか?と常々思っておりましが、名案が浮かびました。きっとiphoneアプリに発振器があるに違いないと思ったのです。探してみると案の定フリーソフトの発振器がありました。もちろんオーディオ帯ですが、これで十分です。

 

3.回路を後ろから追いかける

 悪い箇所を探すのには、回路を後ろから追いかけ、良い場所と悪い場所の変化点を見つけるのが良いと思います。
 入力に1kHzのサイン波形を入れ、オシロスコープで後ろから追いかけました。右チャンネルは正常、左チャンネルは音が出ません。

4.悪いエリアが見つかった

 後ろから追いかけてゆくと、差動の直後のトランジスタで大きな変化があることが判った。

 下記のオシロスコープの上側波形が右側(正常)のコレクタ出力ですが、下の波形が左側(異常)の物です。
 一見、下の波形の方は元気に増幅しているように見えますが、信号線が太くなっていますね>これは、どこかが浮いていてとても不安定な状態にあるのだと思います。だから少しのベース電流の変化でも大きく変化しているのでしょう。

5.トランジスタを交換してみる
 そうと決まったらこのトランジスタのみを交換実験します。交換実験は、左右のトランジスタを入れ替えます。
 結果は、残念ながらこのトランジスタを交換しても、結果は同じでした。
 どこか別のところのようです。

6.差動のトランジスタのメンテと交換実験
 上記のトランジスタは白である事が判りました。(やはり半導体は経時変化で壊れない様です。)そこで、次にその前段の差動のトランジスタを疑います。

 この作動アンプのトランジスタは、入力初段のものですので、これ以上前にはトランジスタがありません。この部品を見ると、左右共に脚が真っ黒に酸化しているのが判ります。どうも怪しいですね。

 1)トランジスタのチェックを行う
  まず、トランジスタを外し、トランジスタの生死を確認します。
  結果、トランジスタは生きていました。

  

 2)トランジスタのメンテナンスを行う
  次に、トランジスタの足のサビ取りを行い、半田メッキ処理を行います。
  

 

  しかし、この結果でも、動作に変化は有りませんでした。

 3)交換実験を行う。  足のメンテでも直らないので、今度は、これらのトランジスタを左右入れ替える交換実験を行います。

 結果、やはり、症状は同じです。
 さて困りました。


7.電解コンデンサを交換する
 トランジスタは、どちらも白でした。残るは、電解コンデンサと接点不良ですね。
 まずは電解コンデンサを交換することにしましょう。

 1)100μFが2個しかない!  
 このメインアンプには、電解コンデンサは8個使用されていますが、そのうち4個が100μFでそのほかは47μFです。手持ちの部品箱を調べてみると、100μFは2個しかありません。致し方なく、47μFを総動員する事にしました。

 2)まずは100μFのコンデンサ交換 
  まずは、2個しかない100μFのコンデンサは、電圧の高い方(50V)2個に使用しました。

3)次の100μFは、47μFパラレルで対処 
 あと2個の100μFに関しては、47μFをパラレル(並列)に繋いで、約100μFとしました。
 
 

4)そのほかの47μFも交換 
 残りは47μFのみですので、そのまま取り付けました。

 5)確認結果
 結果、あまり期待はしておりませんでしたが、問題は電解コンデンサでは有りませんでした。

今日は、ここまでです。週末は那須に行く予定があるので、出来れば金曜日までには何とか解決したいものです。明日は、基板の再ハンダを行いましょう。その4をお楽しみに!