LINNのプリアンプKAIRNの修理 再びーその1ー

こんばんは、Tomです。昨日と今日は関東に出張です。お天気はまずまずでしたので、良かったです。週末は晴れると良いな〜。

先ほども書きましたが、昨日と今日は、東京と神奈川に出張です。行き帰りの新幹線はたっぷり時間がありますので、一昨日までに仕込んだ記事を新幹線で書いています。

さて、先週の土曜日、やっと問題が解決し、KAIRNの修理が終了。日曜日の朝に組み立てて朝一番で発送を行いました。しかし、それと入れ替えに、別のKAIRNが届きました。

LINNのプリアンプKAIRNは当時44万円もするとても良いアンプですが、サポートも打ち切りとなり、メーカーでは既に修理してくれないので、ネットでKAIRNの修理の記事を見て、依頼されてくる方が増えているんです。Tomのプライベートの時間がなくなりますが、これも人助けと思い、思い腰を持ち上げました。それだけ価値のあるアンプなので、いつまでも大切に使って欲しいですね。

1.故障内容の確認

メールを頂いた内容では、電源が全く入らないとのことです。
ヒューズが切れている程度なら良いのですが…。
それでは、確認を行います。
電源コードを繋いで、スイッチON!

あれ?電源が入るじゃない?
最初に『Error2 don't panick』の文字が、これは、バックアップ電池が無くなっている事を示しています。

次に、ボリュームが0から50にカウントアップ。これも正常ですね。

ところが、50の表示をした後、LEDの表示が消えてしまいました。

保護回路でも働いているのでしょうか?
やだな〜。Tomは基本的に電源の修理は不得意です。なぜなら、100Vが怖いから。
そして、通常のトランスの電源なら理解していますが、スイッチング電源はきちんと理解していないので、直せる自信が有りません。ヒューズ位なら良かったのですが…。今回も長くなりそう。

2. 中を開けて、電源電圧を確認

それでは早速中を開けて4つの三端子レギュレータの電圧を確認しましょう!

中を開けると、今回の電源はトランンスではなく、トランスの後に発売された、ブリリアントというスイッチング電源であることを確認しました。以前お友達のKamaさんから聞いた話では、どうやらこのスイッチング電源は、トランスのスペースに無理やり押し込んでいるので、熱で壊れやすいとか。
まあそれは置いといて、三端子レギュレータの電圧を確認します。
先週も同じような事をやっていましたね。
でも、今回は別の症状なので、毎回がワンダーランドですね。

左から−15V、+15V、5V、そして、もう一つ、この間問題となった+15Vの別の三端子レギュレータです。
これを左から順番に確認して行きます。

① −15V:これはOKですね。


②+15V:これもOKです。

③+5V::これもOKです。


④最後の+15Vの三端子は、10Vしか出ていません。

そして、徐々に下がっています。最後には8Vまで下がってしまいました。

3.三端子レギュレータの入力電圧を確認

それでは、三端子の入力電圧を確認します。
すると、三端子の入力電圧はなんと、10Vです。これでは15の電圧を供給することは不可能ですね。
本来であれば、ここの電圧は、+18 V以上の電圧が掛かっているはずです。

という事は、もしかして、最初に見た+15Vも怪しいのでは?と思い、左から2番目に見た+15Vの出力を見たら、もう8Vまで下がっていました。やっぱりね。

どうやら、大元のスイッチング電源の+18Vは、電源スイッチがONになったばかりの時はキチンと18V出ているんですが、徐々に電圧が下がり、最後は、10Vまで下がってしまう事が分かりました。
なので、最初はLEDのインジケータが表示されていたのに、50の表示以降は消えてしまったのですね。

4.フロントパネルのバラしと確認
さて、問題は、この原因が何処にあるかです。
フロントパネルのバックアップ電池は液漏れしますので、腐っている可能性は十分有りそこで、何処かに不具合があるかも知れません。また、メインボードも怪しいです。
そこで、いきなり電源を調べるのではなく、まずは、フロントパネルから見て行きます。
まずは、フロントパネルをバラします。

問題のバックアップ電池です。

拡大してみると、液漏れは有りませんが電池の表面は、なんだか怪しい感じです。

電池の電圧を測ると、2.2Vしか有りません。この電池は死んでいますね。

5. フロントパネルを外して、電源を見る

バクアップ電池は、後でどうにかするとして、問題は電源電圧です。
フロントパネルを切り離し、もう一度電源電圧を確認します。

すると、やはり電源電圧は下がってしまうようです。

といことは、フロントパネルは、白ですね。

6. スイッチング電源の出力を確認する

スイッチング電源の出力の根元の電圧を確認します。

結果、やはりスイッチング電源そのものがNGの様です。
次回は、いよいよTomが苦手とする、スイッチング電源のバラシを行います。