トムジィの日常雑記

2008-10-20

竹内まりやExpression

ここのところずっと竹内まりやにはまっている。主にベスト盤を中心にTUTAYAとかでレンタルしてはiTunesで取り込んで車の中とかでひたすら聴いている。最近までは車の中ではもっぱら娘のハンナ・モンタナやら妻のお気に入りの『Along vacation』とかがかかっていたのだが、ここのところは父及び運転手の権力乱用してひたすら竹内まりやなのである。やっぱり「セプテンバー」は名曲だな〜と一人つぶやいている。
そして発売になったばかりの3枚組みベスト盤『Impressions』である。
Expressions (通常盤)
TUTAYAのCD売り場でつい触手が伸びて大人買いである。デビュー30周年、初のコンプリート・ベストアルバムとのこと。とはいえ今まで聴いていたのだってRCA時代のベスト盤「Best pack」やメガヒットを記録したというベスト盤「Impressions」である。コンプリートといわれてもと思う部分もないではないが、まあいいか。ベスト盤による商売上手な戦略に見事にはまって手にとってしまう。
たいていの曲をもっている。デジタルリマスターといわれてもあまりよくわからない。でも好きなんだからしょうがないね。
今回ベスト盤はこのデジタルリマスターとともに現在のムーン/ワーナーレーベルとともに以前に所属したRCA時代をも網羅しているのが売りである。そしてDISC1の巻頭をかざるのは懐かしい、本当に懐かしいデビュー曲「戻っておいで・私の時間」だ。この曲「best pack」では服部克久アレンジのジャズストリングスヴァージョンだった。今回久しぶりにオリジナルが聴けて嬉しい。とても懐かしい。すべてはこの曲から始まったのだから。
今でも憶えている。初めて竹内まりやを観た時のことを。確かフジでやっていた「夜のヒットスタジオ」だったかな。唐突に吉村真理の紹介ででてきた初々しいお嬢さんがまりやさんだったわけ。確か現役女子大生と紹介されてたような。そして歌ったのがのもちろんこのデビュー曲。歌の技量はまだまだ稚拙だったけど、けっこうのびのび歌っていて、曲の良さと声の美しさ、そして可憐お嬢さんタイプのまりやさんにまいった。まあ魅了されてしまったわけだ。1978年のどこかの記憶である。
この頃の竹内まりやは現役女子大生(慶応)でアイドル歌手という感じだった。実際そういう売り方をされていたんだと思う。なんとなく大学生のアイドルみたいな感じだったかな。年齢的には一つ二つ上だったのだろうが、私や当時の友人たちは、「やっぱり竹内まりやだね」などとわけもなく有難がっていたものだ。
この「戻っておいで・私の時間」今改めて聴いて思うのだが(今ずっとオーディオリピートにしてかれこれ1時間以上繰り返し聞いている)、まったく古びていない。もともと60年代のアメリカン・ポップスを志向していた彼女をそういう流れで売り出そうとしてでてきた楽曲である。加藤和彦作曲、安井かずみ作詞。懐かしい感じのポップスである。でも単なるノスタルジックな作品じゃ実はなかったんじゃないかと思う。聴いた当時もそうだったし、けっこう後までこの曲は加藤和彦楽曲とアレンジの趣味の良さ、そして伸びやかで艶のある竹内まりやの声、これが総てだと思っていた。それに対して詩は・・・・・、なんともバカっぽい、軽薄というか、なんとも曲の付け足しに安井かずみ、とってつけたような歌詞でっちあげたもんだと、まあそんな風に思っていた。
しかしこうやって繰り返し繰り返し聴いていると、実はこの歌詞がすごいのではと思い始めた。「手をのばせばそこに私の時間が広がる」だよ、何気にすごい表現じゃないか。そして「I'm dancing,singing I'm calling you」で「I'm cookin' pie and I'm happy too」だよ。ここには私生活を全肯定し、いかにそれを楽しむかを至上とする新しいスタイルがある。それは山下達郎が今回の奥さんのコンプリート・ベストに寄せた一文の締めくくりとして宣言している言葉そのままである。

ポップ・カルチャーの本質は、つまるところ「生きることの肯定」だと思います。

竹内まりやの30年にわたる歌手としての軌跡は、まさにこの「生きることの肯定」としてのポップソングを高らかに歌い続けてきたことだと思う。そしてそれはまさしく安井かずみが描いたデビュー作によって始まったということなんだと思う。なんとなく、なんとなくだけどそのくらいにこの「戻っておいで・私の時間」という曲はすごい、素晴らしい、記念碑的、あるいは日本のポップシーンのマイルストーンともいえるような名曲なんではないかと思う。まあいつもの単なる思い込み、勘違いの部類かもしれないけどね。
今回のアルバムにはちょっと厚めのブックレットがついていて達郎の一文の他に、各曲それぞれに竹内まりや自身のコメントが書かれている。「戻っておいで・私の時間」については、もともとこの曲が伊勢丹のキャンペーンソングであったこと、偶然の重なりから加藤和彦、安井かずみ共作のこの曲でデビューできたことが竹内自身とても幸運だったみたいなことが書かれている。そのとおりだと思う。そしてまた逆にこの曲が竹内まりやによって歌われたこともまた、この曲にとっても、また日本ポップス史にあっても幸運なことだったんじゃないかと、そんな風に思っている。

忘れていた わたしの時
今 coming to me

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