東京都美術館「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」も


ゴッホ展 巡りゆく日本の夢|東京都美術館
 せっかく上野に連荘で出来てたのでもあり、東京都美術館ゴッホ展にも行ってみる。こちらも土曜日で8時までやっている。遅い時間でもそこそこ混んでいる。これは日中だとかなりの混雑だったかもしれない。とにかく日本人はゴッホ好きだからなと改めて思ったりもする。
 しかし考えてみれば、西美の「北斎ジャポニスム」、東美の「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」と同じような企画展である。要はジャポニスム=浮世絵の西洋絵画への影響、西洋の巨匠達が浮世絵の手法、構図、画題を取り入れていったかを探るというものだ。どことなく最近の日本エライの風潮意識してる部分あるのかと思ったりもする。東京オリンピックが決まってから、テレビでも「日本凄い」的な自画自賛番組が増えている。まあ少しばかり考えすぎかとは思うけれど。
 二つの企画展、取り敢えず質、量とも西洋美術館の方が良かったかなと思う部分もある。ただし東京都美術館はいつものごとく展示作品の少なさを別のもので補うという企画力で勝負している。それはゴッホの晩年を支援した医師ガシェの家を訪れた明治大正期の文化人達が残した芳名録を展示してたりというもの。中には斎藤茂吉安倍能成などというお馴染みの名前もあったりして、当時の知識人たちがいかにゴッホをかぶれていたかが見て取れてそれはそれで面白かった。
 上野を代表する美術館がジャポニスムをメインにした絵画展をやっているというのも面白い。二つの美術館が意見交換の上で切り口を変えつつ今回の企画展を共同してやっているのであれば、それはそれで面白い。それ以上に互いに競い合っていたら尚更面白いのだが、それは多分ありえないのだろう。