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踊る阿呆を、観る阿呆。を、書く阿呆。

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2017-09-30

[]理想的な“劇場版”

劇場版響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜

2017年/京都アニメーション制作/小川太一監督

テレビシリーズ2期全13話のうち、後半のエピソードを中心に再構成した総集編…なのだけど、新規カットが大幅に加わっただけでなく、時系列も大胆に再構築し、<一本の映画>として成立させているのがすばらしい。確かに、人物関係の細々などは全くの初見ではわかりづらいところもあるかもだけれども、まとめ方としては前回の劇場版(テレビ第一シリーズの総集編)よりもはるかにうまくいってると思った。

テレビ2期は1期シリーズ/劇場版を楽々越えてきたなあ、と感じ入っていたけれど、今作はそれをもさらっと超えてきた。京アニ、攻めてるなあ(攻めてるといえば来年4月公開予定のユーフォ劇場版/山田尚子監督作の予告にも度肝を抜かれた。なるほど、そう来るかあ(新作小説を読んでなかったらまるきり????だったと思うけど))。

細かくストーリーを追えば、田中あすか先輩の「突出したカリスマ性」が序盤でもっと表現されていれば後半の展開に説得力がさらに増しただろうし、控えメンバー中川夏紀の、けして表面には出せない葛藤にももっと深みが出ただろう。しかし、そこまで求めるのはこの尺では酷でもあるかもしれない。そういった諸々は言外には匂わせつつ、最優先すべき物語をきちんと畳まなければならない。監督/脚本の苦悩が見えるようだった。

新規カットはどれも見応えがあり、映画館で見るにふさわしい音響だった。時間が取れたらもう一度くらいは見に行きたいなあ。

2017-08-12

[]The SECRET of KELLS

ブレンダンとケルズの秘密

トム・ムーア監督作品/2009年/フランス・ベルギー・アイルランド合作

 

関西初日、大阪・梅田で吹き替え版と字幕版を連続して観てきた。いやあ、面白かった。

アイルランドの国宝「ケルズの書」の成立にまつわる神話的エピソードをダイナミックにアニメーション映画化した本作は、昨年日本公開された『SONG of the SEA 海のうた』よりも以前に作られた、トム・ムーア監督の商業長編デビュー作…のはず。映画としての完成度はさすがに『海』の方が高いのだろうが、作品に込められた熱量はこちらの方が濃度が濃い…と感じた。

吹き替え/字幕版はどちらも長所短所があって、こればかりは「両方観てください」としか言い様がない。画面の緊張感を孕んだビジュアルをいっさい邪魔しないのはやはり吹き替え版だが、音声のセリフだけでは把握しきれない言葉の意味なんかは、言葉として字幕に表されることではじめてわかることもあるからだ。古代アイルランドの伝承や神話・伝説のあれこれなどに精通しているひとの方が少ないだろうから、まあ仕方の無いことでもあるんだけど(なので、物語をしっかり把握した後ならば、オリジナル版で鑑賞するのが一番かもしれない)。

実は、わたしは昨年『海』を観た直後に本作のDVD(英語/仏語字幕版、当然日本語などどこにも出て来ない)を購入していた。英語字幕で鑑賞していて全体のアウトラインはなんとなく把握していたつもりだったが、やはりきちんと翻訳されたものを観ると、全然わかっていなかったんだなあと思うことしきり。

 

最大のハイライトは、やはり主人公のブレンダンがただひとりクロム・クルアハと対峙するシークエンスだろうか。あのシーンは何度観ても手に汗握る、アニメーション映画史上としてもかなり上位にランクされるに違いない名場面ではないかと思う。写字師、という役職を得ている主人公少年ならばこその戦い方であり、また、ここは映像作家・アニメーション作家としての監督の思い入れもたっぷり詰まった展開のしかたであった。

そういう意味では、この映画の見どころは他にもたくさんあるし(もちろんエンディングだって息を呑むほど美しい)、いずれのシークエンスもまさに“アニメーション”でしか表現し得ないだろう説得力に満ちあふれていた。近年の、時に実写と見まごうばかりの(というか実写以上のリアルさを追い求めている)日本製アニメーション作品では決して体験することのできないセンス・オブ・ワンダーが、そこかしこに詰まっている。現在の、商業ベースの日本人アニメーション作家でこういった作風に堂々と拮抗できるのは、たぶん湯浅政明さんぐらいじゃなかろうか。映画が映画として成立する必然性、同時にそれがアニメーションでなくてはならない必然性。それらをとてつもない強度をもった説得力として提示できる映像作家。トム・ムーアというひとは、わたしにとってはアニメーション界の新しいヒーロに思えてしかたがない。この作家がこれからどのような世界観を提示してくれるのか、いち観客としてはとにかく楽しみなのであります。

2017-06-26

[]有頂天家族2

ずいぶん駆け足だったなあ、というのが第一印象。2クールとまでは言わないが、せめてプラスもう1話、つまり全13話くらいにはならなかったものか。なんだかダイジェスト版を観ているようで、せっかくの原作が少々もったいない気がした。

絵はキレイだし、声優陣の演技も申し分ない。最終回のバトルシーンも凄かった。それだけに、もう少し各場面をじっくりたっぷり観てみたかった。

アニメーション版で見る限り、話の構成は第1期のじわじわと盛り上げていくスタイルが好きで、「2」の方が静と動のダイナミズムはより計算されているように思うんだけど、トータルで「いいお話しを聞いた」という満足感はやはり「1」に軍配が上がるかなあ。

ともあれ、来月発売予定のブルーレイボックス上巻と、今月末に出るサントラCDは今からすっごく楽しみ。音楽は今回もとても印象的だったし、「2」のサントラもきっとヘビロテ間違いなしだろう。そうそう、パッケージ版はまたキャスト陣のオーコメが入るんだろうか。こちらにも期待したいっす。

【追記】

そういや寿老人(李白)さいごどこ行った???

上で「駆け足」って書いたけど、最後の最後までなんか投げっぱなしでぶった切られた感が残ったなあ。ちと残念。