インタラクティブカリキュラムの特性とは

小学校の学級担任性が中学校の教科担任制に比べて優れているのは、子どもへのケアだけではありません。
 
学級担任であるということは学習の垂直方向の力が弱い(つまり教材研究の力が弱い)反面、水平面で学習を捉える・統合する力が強いと言えます。インタラクティブカリキュラムがその典型です。おそらく中学校の先生にはこうした発想はかなり難しいのではないかと想像できます。小学校の先生ならば「ああ、なるほど!」と捉えることができても、中学校の先生が他教科の学習内容に踏み込んで自分の教科を統合的に学ぶイメージ作ることは難しいことでしょう。
 
しかし、入試制度が変わり、教科統合的に学習することが求められるようになってくると、中高等学校の先生も今までのやり方では通用しなくなってくることでしょう。インタラクティブカリキュラムの実践は、学習を合科的統合的に面展開し、教科という枠に揺らぎを持たらします。
 
インタラクティブカリキュラムは小学校の先生ならば、すぐにでも実践し効果を上げられる技術ですが、僕はむしろ中高等学校の先生の実践に期待します。中高等学校の先生がこうした水平面での学習展開ができたら、もともと垂直的な深さを持っているわけですから、カリキュラム上の時間と合わせ、3次元的に学習を構造化することも可能になると考えています。
 
逆に小学校の教師は面で展開することで、必ず教材の検討、特性、目的にアプローチすることになります。複数の教科内容をマッチングさせていくためには、学習スキルに必ず戻らなければならないからです。
 
常にこうしたことを意識して授業をするかしないかで、学びの質が貧弱な授業か、豊かな授業かで差が出てくることでしょうね。