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こんにちは。福島県郡山市の小学校教諭の「坂内智之」です。「学び続ける子どもたち」を合い言葉に「織り重ねる学び」の授業を作っていきます。授業の様子や子どもの様子、教育についての考えなどを書き込みたいと思います。 連絡・問い合わせ・お願いメールは manabiaiとgmail.comを@でつないでください。

2013-02-19

この2年間で実証できたこと

パナソニック教育財団による研究助成の実践グループを解散しました。

 

この2年間で私がぼんやりとした見通しを持っていた部分がはっきりとしました。グループ研究であるので授業公開とかできませんでしたが、ここでその成果を簡単に紹介します。ものすごく「大事なこと」です。

 

通常、私たちは、校内外で授業参観したり、本を読んだり、セミナーに参加したりすることで新しい技術や授業論をつみ重ねていきます。しかし、ここには大きな問題があります。例えば「○○先生のような実践をしたい」なとセミナーや本を読んで感じても、それは「自分」というバイアスが必ずかかることで、うまくいったり、いかなかったりします。まあ多くの場合、うまくいきません。なぜならばその授業に対しての本質を見抜く力がないからです。

 

ではどうしようもないのでしょうか? 私たちはその答えを「子どもたちの姿」に求めました。この研究では、教室と教室とを「窓」でつなぎます。つまり、ネットで教室と教室とをつなぐのです。しかし、一般に行われるように協働の課題を設けるとか、関わり合いながら学ぶとかではなく、ただ横を見れば画面上によその学校の子どもたちの授業風景があるだけです。しかし、この効力はとても大きく、子どもたちは必ず画面の向こうの子どもたちの「姿」「立ち振る舞い」をとらえます。

 

つまり「教師」というバイアスがかからずダイレクトに子どもの学び方と学び方が触れあいます。すると子どもたちは、ものの1時間で変化します。教師が何時間、場合によっては何ヶ月もかかることが、です。ですから、その先生の授業を学びたかったら、そのクラスとダイレクトにつなげばいいのです。教師がどんなに素晴らしいかを説明しても、子どもにイメージは伝わらないのですから。

 

その意味で私のぼんやりと感じていたことを確かめられました。そしてこの成果はとてつもなく大きいのです。だって「時間」だの「距離」だの「積み重ね」だのがいっぺんに吹き飛んでしまうのですから。こんなに簡単で分かりやすいものはありません。自分のクラスを変えたかったら、自分の学校を変えたかったら、つなげばいいんですから。

 

この研究が始まった2年前では、こうしたSkypeを始めとした動画などのやりとりは回線の確保などから大変難しく、助成金をいただいてグループ内でwimaxなどの回線を確保していました。しかし、この2年で回線状況はかなりよくなり、facetimeでは3G回線でもきれいな画面でやりとりできるようになりました。iphoneが1台あれば全国の誰でも簡単に動画がやりとりできるようになりました。だれでもできるという環境は整ったのです。

 

しかし、この取り組みは大きく2つの壁が立ちはだかります。一つは「個人情報」、そして「学校長」「教育委員会」という管理職に了解を得ることです。私たちの会では、パナソニック教育財団という後ろ盾と、その取り組みに対する計画書がありましたのでうまくことは進みました。私も申請書をもとに校長や教育委員会の了解を得て活動してきました。こうした壁がより低くなることがこの取り組みの成功を左右します。

 

そんな煩雑な手続きが必要であっても、この取り組みの効力はそれに見合ったものを子どもたちに与えてくれます。ぜひここを読まれた先生方も、自分たちの研究グループなどで試してみてはいかがでしょうか? 効力は保障します。

nao_takanao_taka 2013/02/20 19:42 あの実践からは、沢山の恩恵を頂きました。ありがとうございました。
学級全体の成長に伴って、児童個々人も成長し、そして、担任も成長できるのだと思っています。クラス全体も、子ども達も、わたしも成長できました。感謝感謝です。

tontan2tontan2 2013/02/20 22:11 あの実践はおもしろかったね。というかあれが始まりなんだと思う。織り重ねる学びにもインタラクティブカリキュラムにもこのダイレクトコンタクトは武器になりますものね。

2012-08-19

研究助成とは

昨日の記事を書きましたら、群馬大の早川由起夫教授から90冊も私費で寄付するはずがないからパナソニック教育財団の研究助成金を流用して寄付したに違いないとtwitterで何度もしつこく公言されました。

おそらくヘッダー文を読んだのでしょうが、全く関係のないことにいち大学教授が何の根拠もなく、全くの推測で語り「クビになる」という話までされるのはどんなものでしょうか?

  

でもよい機会ですのでパナソニック教育財団の取り組みについてお話しします。

 

 

まず、我々は「グループ研究」というカテゴリーで研究を推進しております。他には学校研究がございます。特別研究指定校は3年間、通常の学校やグループ研究は1年間、助成金を受けながら「ICT関連」の研究を行います。

 

金額は50万円というこうした助成金の中では破格の助成を受けることができます。ICTといった日々劇的に変化していくものにはこうした助成金があることで、思い切った研究が行えます。

 

http://www.pef.or.jp/

 

学校関係者の方でICTを生かしたこんな授業がしたいという方は、25年度の研究助成に応募してみてはいかがでしょうか? 例年だと1月31日が締め切りとなっています。

 

 

さて私たちのようなグループ研究では、助成金はグループ代表が作ったグループの口座に助成金が振り込まれます。しかし、その研究の承認、会計監査、研究のまとめの承認はグループ研究代表の学校長が行うことになっており、学校長の承認印のないものは認められません。経費も計画書を提出しますし、実際に何にどれだけ使ったかを月日に合わせてリストにまとめなければなりません。ですから我々のグループの通帳も、領収書も詳細に記載し、学校長に監査をお願いします。その監査が適正であるとチェックされて初めて、承認印を押していただくことになっております。

 

もちろん、その後それらの写しを添えてパナソニック教育財団の送付します。そこで何かおかしな部分があれば指摘されることでしょう。教育助成金というものは「もらったらおしまい」なんてことはないのです(笑)

10円たりとも不正に流用できるお金はございません。パナソニック教育財団でもこうした助成を長年続けているので、そんなことができるような「ずぼらさ」はみじんもありません。 

 

さらに我々のグループはfacebook上(これは個人情報があるのでクローズですが)で研究の進行や情報交換も、予算関連の経過も報告しています。そのメンバーにはパナソニック教育財団方やある大学のアドバイザーの教授にも入っていただいております。

 

このように予算にしても三重のチェックがあり非常に透明です

大学の教授であれば私的にお金を使えるはずなどないことは分かっているはずなのに、憶測で上記のような言葉で「流用疑惑だ」「クビがとぶぞ」なんてはやし立てるのはあまりにひどいやり方ですよね。

 


そんな話はさておき、 

最近の家電メーカーの状況を考えるとパナソニックの教育に対する理念の高さを本当に実感し、感謝しています。毎年、億に達するであろう助成関連予算を長年続けているのですから。助成していただいたお金を無駄にしないでこれからも活用していきたいと思います。

 

えっ? そもそもなんの研究しているの? それは右側のカテゴリーにまとめられています。興味のある方は読んでみてください。単純だけど深く、おもしろい研究です。

 

 

追記

早川さんは「放射線になんか、まけないぞ!」は印税部分を寄付したのでないかともおっしゃられておりますが、残念ながら自分のお金です。出版社には私の印税分は、図書館への寄贈本やNPOへの寄付、チームの方々(その道のプロでそれで生計を立てているので)への配分増でお願いしてあります。教育委員会にもその趣旨を書面で提出してあります。あしからず。

シリウスシリウス 2013/04/13 20:27 今、気づきました。「放射線に なんかまけないぞ!」坂内さんが著者だったのですね。実は、2冊購入して娘に1冊送りました。何かの参考(補助教材)になればと思いまして・・。良い本をありがとうございます!

tontan2tontan2 2013/04/15 21:35 シリウスさん、ありがとうございます。
子どもが直感的にとらえられるように作成したつもりです。子どもたちの教育のために活用さえることはとてもうれしいものです。感謝感謝です。

2012-08-06

ICTとは?

今日はパナソニック教育財団の成果報告会がありました。今までは自分の取り組みばかりを考えていたので、他の学校やグループ研究を学ばせていただきたいと思って参加しました。

 

最初は小グループでのくるまざディスカッションで東北ブロックとしてそれぞれの取り組みを聞かせていただきました(欠席が多かったので自分を除いて2つでしたが) それぞれの取り組みも「なるほど」と思うような取り組みで、共通することはICTをこのように授業に取り込んでいるというものでした。

 

その後はワークショップがあり、特別指定校の実践を見させていただきました。さすがに特別指定校ということもあって、学校全体を巻き込んでしっかりと取り組んでいることが分かります。

 

さらにその後はシンポジウムとして2年間実践を続けてきた学校の取り組みを聞かせていただきました。

 

さて、ここまで話を聴いてきて、どこも同じようなことを言っていることに気がつきます。ICTで何かをするとか、それで分かりやすくするとかいうのではなく、道具として(触媒という言葉を使っていた学校もありました)どのように使いこなしていくかという共通の課題が見えます。

 

これに関しては、財団常務の赤堀先生がシンポジウムの最後に大事なことを述べていました。その一つが「協同学習」です。教師と子どもをつなぐものではなく、子どもと子どもとをつなぐためのツールになることだと私は理解しました。また、これはすごくおもしろいのですが、慣れるに従って「あまり使わなくする」ということについてお話しになっていました。

 

これは私もよく使う「そぎ落とす」ということです。いつまでも考えなしに使うことが大事なのではなくて、必要のないものはそぎ落として行かなければなりません。そうしないとかえって「使わなくなってしまう」ものだからです。余分な脂を落とすことで本当の意味でツールとして使えるようになります。

 

現状の実践を見ていて、子どもの授業の写真や話を聴いていてまだそうしたそぎ落とすという所まで行き着いている学校は少ないなと感じました。これからもICTはどんどん進化していきます。それを使いこなしていくためには「使う頻度を落としていく」ということも大事だと思います。

 

そもそも、普段の授業が下手なのにICTを使えば子どもが分かるようになるとか興味を持つようになるなんていうのは幻だと思った方がよいと思います。発表の中には「電子教科書で授業が楽しくなったか?」というアンケートの経過を出していたところがありましたが、そうではなくて「電子教科書を使うことによって今までよりもよく分かるようになったか?」を聞くべきですよね。

 

「学ぶということは何か」これをしっかりと持っていないと技術やテクニックに振り回されてしまうものです。自分の軸をしっかりと持つこと、そうした基盤のある学校だとICTも効果的に働くと思います。今日見させていただいた学校の中では京都教育大学付属桃山小学校の実践がそれに近いかな?と感じました。

 

連日の疲れがたまっていて今日は何かあまり積極的になれなかった1日でしたが、それでもある学校とは連携をとれそうな話ができました。成果が上がりましたらまた書きたいと思います。

2012-06-24

ICTは必要なのか

昔はOHP、近年はプロジェクター、最近では電子黒板。新しいテクノロジーが開発される度に教育現場にもどんどんこうしたものが普及してきました。ただ教育行政というものは予算の絡みもあって大抵かなりそうした機器の価格がこなれてきてからの導入となりますから世の中から何歩も送れて現場に導入されてることになります。

 

さて、ICTは授業に必要でしょうか? 私は「現状の授業ならほとんどの場面で必要ない」と考えています。分かりやすくするために使っているのに結局子どもにとって分かりにくい、時間のロスが多いなど様々な欠点があるということを私たちはもっとしらなければならないと思います。

  

情報が多いと言うことはそれだけ「ノイズ」も多いということを知らなければなりません。子どもにとって求めるもの(課題など)を明確に持っていないまま、ノイズの多い情報を子どもたちに示しても子どもたちはどこをどう見てよいか分かりにくいのです。

 

多くの場合、こうしたことに子どもが振り回されてしまっています。「使わなければ」もっと楽に理解できるのに使うことで理解に時間がかかったりすることもあるのです。つまり使いことでマイナスにもなるのです。

 

我々(子どもの未来を創る会)も昨年度パナソニック教育財団よりICTについて多額の助成金をいただきました。我々の戦略は、ICT(Information and Communication Technology)という言葉の通りに、子どもたちのコミュニケーションツール(授業の内容ではなく、プロセスを共有化する)として活用しています。そして今年度はそれらを電子ブックとして共有化を図ろうとしています。

 

日本の教育にとって問題なのはICTのプラットフォームがないということです。教材会社・メーカーは多額のお金を投入して、子どもたちに興味を引かせるような色とりどりで、動きがあり、分かりやすいものを制作します。しかし、そうしたものは陳腐化するのも早いのです。そして多くの教師は準備もめんどくさいのでそんなものは通常使いません。特定の教師が使って終わりなのです。

 

でもその突破口がappleの「ibook author」にあると思います。これまでも相当力のある先生は、powerpointやkeynoteを使って同じようなことをやっていたとは思います。でもappleは「誰でも」電子ブックを作れる環境を用意してきました。しかも「無料」で。

 

もし、日本でこうしたプラットフォームが作成され、開放されていれば、日本中の教師が制作にあたることができ、無償でアップしてくれることでしょう。メーカーが作る数百倍、数千倍の速さと量でね。結果、それを使うタブレットなども売れることになります。でもこうしたものは、appleは例外にして、一企業ではなかなかできないものです。こうしたことは文科省が世界に先駆けて(こうしたものはスピードが大事ですよね)プラットフォームの制作していく必要があるのではないかと思います。

 

でも残念ながら現状では日本にはそうしたものはありません。なので現状では「ibooks author」でやらざるをえないのですが、いつかそうした日本のプラットフォームが生まれることを願ってやみません。

 

 

追記

 

私も郡山市の理科のデジタルコンテンツに関わらせていただきましたが、上記のような欠点もあるので子どもも向けのコンテンツの開発から、教師向けのコンテンツに切り替えました。残念ながら市外からはアクセスすることはできないのですが、本市の教育コンテンツの「バーチャル理科室」は日本でも最高レベルのものに仕上がっていると思います。(毎年ちょっとずつバージョンアップしています)

3号3号 2012/06/25 21:43 僕も、東京ビッグサイトで行われた教育ITソリューションに参加して、思いました。
現場の教具をちょっと便利にしただけのようで、それに多額のお金を払うのはなんか違う気がしました。もちろん、とても機能的なものも中にはありましたが。
例えばタブレット端末を使って児童全員の意見を画面に共有するものも、ミニホワイトボードを全員に持たせて黒板に貼った方がよほど効率的にも、コスト的にも良いと思いました。
もっと根本的な部分を変えた利用の仕方、例えば学校内外の教室同士を繋げたり、外国の教室と繋げたりができたりができなければ、確かに意味がない気がして悶々として帰った記憶があります。
現場のニーズとのズレが…

tontan2tontan2 2012/06/25 22:49 ということで、その話の続きはfacebookにて!

2012-06-21

心を開く

昨年行われたパナソニック教育財団の助成研究の一つ「子ども未来会議」の電子書籍化がほぼ完成しました。助成金を活用して「ibooks author」で制作し、ipadで閲覧できるようにしました。

 

まあ、お試しバージョンですのでまだペラペラとめくれるだけなのですが、それでも電子ブックらしくなってそこそこいい感じです。残念なのはibooksが日本では開店休業状態なので思うように配信できる体制が整っていません。これはAppleの動きを待つしかありませんね。日本の電子書籍元年はいつやってくるのでしょうね?

 

そんな学び合いブックには「子ども未来会議」で話し合われた子どもたちの子どもたちによる子どもたちのための授業について語られています。ものすごくおもしろいレベルの話が掲載されています。だって4年間「学び続ける」という学習に触れてきた子どもたちを筆頭に、震災を乗り越えてバキバキに学び合ってきた子どもたちですもの、そりゃおもしろいんです。

 

さて、その話の中に「心を開く」という話が掲載されています。これは私たち教師が子どもたちに投げかけていった話と同時に子どもたち自身がその難しさに悩み、それを突破していくために必要なことを考えています。

 

今のクラスでもこの「心を開く」という次のステップで子どもたちが七転八倒しています。でもこれがないと協働型学習はいずれ崩壊します。

 

この「心を開く」私は一言で言うと「自分のダメさに気がつく」ということだと考えています。でも実は上位の子どもほど気がつくのが速く、次に下位の子ども、そしてなかなか気がつかないのは中間層の子どもたちなんです。自分のダメさが分かったときに初めて、できることから分かることの大切さ、人と関わることの大切さ、そしてチームで取り組むことの価値を見いだせるのだと思っています。

 

まあ、この話はかなり深いので何度かに分けて話していきたいと思います。

 

 

ん? その電子書籍が気になる?  

ipad+Macをお持ちで内容のフィードバックいただける方がおられましたらお知らせください。

3号3号 2012/06/23 10:25 「心を開く」こと、自分のだめさに気づくこと。
最近自分が、精一杯虚勢を張って生きているような気がしていて、ズシンときます。
ぼくが在りたいのは、「ホワイトボードミーティング」、「学び続ける授業」、「ファシリテーション」ができる人ではなく、
「在るがままに在れる」人だと、
さっきcoco壱のカレーを食べていて気がつきました。
今日もありがとうございます!

tontan2tontan2 2012/06/23 11:03 その通りだと思います。それぞれの手法にはそれぞれの理念が隠れています。その理念を理解するには自分というものをきちんと見つめ直す必要があるのだと思いますね。
私もまだ心を開き切れていない人間です。ともに歩みましょう!