もっと!とんたんの学び合い帳 RSSフィード

こんにちは。福島県郡山市の小学校教諭の「坂内智之」です。「学び続ける子どもたち」を合い言葉に「織り重ねる学び」の授業を作っていきます。授業の様子や子どもの様子、教育についての考えなどを書き込みたいと思います。 連絡・問い合わせ・お願いメールは manabiaiとgmail.comを@でつないでください。

2015-08-06

『学び合い』を学ぶということ

僕は今は『学び合い』を看板に掲げている教師ではないのですが先日フォーラムにお呼びいただいたのでお礼に何か参考になることでもと思い、ちょいと書きます。

 

フォーラムの分科会を全て覗いたわけではないのですが、分科会が多様であってとても良かったです。その一方で多様であるということは、その一つのベクトルとして、レベルもまた様々な段階があるとも言えますよね。これを「Millerのピラミッドモデル」で表してみます。

 

1.knows   『学び合い』を知っている

2.knows how『学び合い』のやり方を知っている

3.shows how『学び合い』の授業実践を他者に見せることができる

4.does 『学び合い』を持続的に実践できる

こうなると思います。みゆき会での分科会はこのピラミッドの一番上の『学び合い』を対象とした発表を行おうということになり、「なぜ『学び合い』は崩れていくのか」という題名で、持続していくためには何が必要なのかというところを明確にしていこうと考えていました。

 

武田さんの講演会の時に隣に同席した方は「はじめて『学び合い』を学びに来てみました」と仰られてたのですから、フォーラムが終わると1のレベルになりますよね。

 

1〜2のレベルの方は、各地で行われている研究会や凄まじい勢いで出版されている本など、学ぶなど環境は整いつつあるようです。

 

レベル3では、自分の授業実践を「誰にでも」見せられるという領域です。それは自分を理解してくれそうな授業実践仲間だけではなく、管理職や教育委員会の指導主事にも「きちんと見せられる(納得いただける)」という意味です。

レベル4では、持続可能モデルで、ある教科だけとか、ある単元ではやる・やらないのレベルではなく「よどみなく」実践できるということです。

 

実は僕はこの上にレベル5の段階があると考えています。

それは「Internalized」(これでいいかな? 英語苦手なのでニュアンスが違う時には教えて下さい) つまり内在化して説明できない状態、身体に染み込んでいて自分の思考と行動をうまく分離できないという状態です。

みゆき会の古田さんや高橋さんの授業レベルになるとこうなります。ですから、言葉にすることがとても難しいのです。分科会では僕に高橋さんの奥底の無意識を言語化して欲しいという依頼をいただきましたので、あのようなドン引きするくらいの恐ろしいツッコミをしていくことになったのです。

 

何事にも自分がどのレベルの段階にいるのか、そのポジションを正確に把握しておくことが大事です。ポジションが分かると次に自分は何をすべきなのかよくわかるようになると思います。まあ何かの参考にでもなれば。

3年2組3年2組 2016/03/07 00:45 ふと先生を思い出しネットで調べてみたら出ました。
小学生の親になってみて小学校で学ぶべき事の重要さを痛感しております。
家庭まかせ学校まかせでもいけませんが当時を振り返ると今の子達よりも多くの学ぶべき事を学べていたのではないでしょうか!?
子供らしくあれば良いと思い自分は子育てしていますが、それがまた難しいです!
私が小学生だった頃の授業の様に自由にとはいかないでしょうが頑張って下さい!
もっちゃんより

3年2組3年2組 2016/03/07 00:45 ふと先生を思い出しネットで調べてみたら出ました。
小学生の親になってみて小学校で学ぶべき事の重要さを痛感しております。
家庭まかせ学校まかせでもいけませんが当時を振り返ると今の子達よりも多くの学ぶべき事を学べていたのではないでしょうか!?
子供らしくあれば良いと思い自分は子育てしていますが、それがまた難しいです!
私が小学生だった頃の授業の様に自由にとはいかないでしょうが頑張って下さい!
もっちゃんより

tontan2tontan2 2016/03/08 20:55 おおっ もっちゃん!

力もなく、めちゃくちゃやっていて、そしておバカだった教師でした。でも今よりもずっと自由で面白いことをやっていたかもしれませんね。
最初に担任したもっちゃんたちは、やぱり先生の特別な思い出なんです。
もっちゃんが、かぼちゃの絵で市のコンクールで金賞を取ったこともちゃんと覚えてますぜ!その絵もね。

子育てではしっかり同世代(7歳・3歳)です!どうぞよろしくね!

お返事ありがとうございます!お返事ありがとうございます! 2016/03/09 07:35 まさかお返事いただけるとは思いませんでした!
お忙しいとは思いますが是非一度お話しして坂内先生のご意見聞いてみたいことあります!子どもと学校と家庭の関わり方など。
これからの先生のご活躍応援しております!

2015-07-23

インタラクティブカリキュラムの特性とは

小学校の学級担任性が中学校の教科担任制に比べて優れているのは、子どもへのケアだけではありません。

 

学級担任であるということは学習の垂直方向の力が弱い(つまり教材研究の力が弱い)反面、水平面で学習を捉える・統合する力が強いと言えます。インタラクティブカリキュラムがその典型です。おそらく中学校の先生にはこうした発想はかなり難しいのではないかと想像できます。小学校の先生ならば「ああ、なるほど!」と捉えることができても、中学校の先生が他教科の学習内容に踏み込んで自分の教科を統合的に学ぶイメージ作ることは難しいことでしょう。

 

しかし、入試制度が変わり、教科統合的に学習することが求められるようになってくると、中高等学校の先生も今までのやり方では通用しなくなってくることでしょう。インタラクティブカリキュラムの実践は、学習を合科的統合的に面展開し、教科という枠に揺らぎを持たらします。

 

インタラクティブカリキュラムは小学校の先生ならば、すぐにでも実践し効果を上げられる技術ですが、僕はむしろ中高等学校の先生の実践に期待します。中高等学校の先生がこうした水平面での学習展開ができたら、もともと垂直的な深さを持っているわけですから、カリキュラム上の時間と合わせ、3次元的に学習を構造化することも可能になると考えています。

 

逆に小学校の教師は面で展開することで、必ず教材の検討、特性、目的にアプローチすることになります。複数の教科内容をマッチングさせていくためには、学習スキルに必ず戻らなければならないからです。

 

常にこうしたことを意識して授業をするかしないかで、学びの質が貧弱な授業か、豊かな授業かで差が出てくることでしょうね。

 

2015-07-05

教科担任制のデメリット

小学校の教科担任制。実は極端に教科が偏っています。教科担任制(小学校でいう分科の授業)の多くは理科や音楽、図工です。逆に算数、国語、社会、体育ではそれほど多く行われません。これにはいくつか理由が存在します。そこを掘り下げながら、まずは現状の教科担任制の問題点を示していきます。

 

小学校の「分科」の実態

現状の小学校で特別な加配がない場合、学級担任制を基盤とする小学校では教科担任制を回せるほどの教師の数はおりません。多くの学校では教務主任や教務が分科の授業を受け持って授業するということになります。これは実は専門性とは関係なく、主に高学年の学級担任の空き時間(つまり事務仕事をするための時間ね)を確保するためのものです。これによって、小学校高学年の教師は週に2〜3時間程度の時間を空き時間としていただき、その時間で行事関係や成績処理、子どものノートの整理を行います。低学年や中学年では学級の時数が少ないので、その補正をするという役割があります。

こうして年度始めに分科として教務主任や教務などにやって欲しい授業などを相談することになりますが、教務主任の専門性とは基本的に関係なく、授業の準備に時間のかかる理科などが選ばれます。ですから分科で授業をやっているからといって、その分科授業をやっている先生が理科が得意とは限りません。そして同じような理由で音楽、図工が選ばれることが多くなります。

逆に国語や算数が選ばれない理由は「時数」です。国語や算数はどの学年でも基本的に毎日ありますから、これを分科として任せれば教務や教務主任の負担が多くなります。

小学校で行われている多くの分科授業は「専門性」とはそれほど関連はありません。

 

交換授業の実情

それでも近年は小学校でも専門性が問われることが多くなってきています。その一つが小中連携が密接になってきたことにあります。僕も小中一貫校に勤務していた時には、小学校6年生の担任をしながら、中学校の理科も授業していました。この例からもわかるように、世の中のニーズは確実に専門性(少なくとも小学校の高学年では)へと向かっています。

しかし、上で述べたように今の人的配置では難しいこともあり、多くの学校で交換授業が行われます。交換授業というのは、例えば1組の先生が2組の国語もやるかわりに、2組の先生が1組の算数をやるという形です。本校でも実は最初にこの形を管理職から提案されましたが、僕は強固に反対しました。これは持続モデルではないからです。例えば学年3クラスだととたんに複雑になります。また、学年2クラスであっても一人の先生が年休をとれば、隣のクラスの授業まで影響を及ぼします。さらに時間割の設定がかなり複雑になり、設定するのが難しくなります(小中一貫校では、中学校の教務主任が毎週遅くまで時間割づくりに追われていました)

中学校の先生がこれをイメージするならば、週に25コマ、3学年の授業を持つようなものです。確実にパンクします。実際に交換授業を教育委員会レベルで行っていたところは、教師の負担感が増えたと感じることが多くなったり、なかにはやめてしまったところもあります。

これが今の小学校の「分科」の実情です。小学校で教科担任制が広がらないのはこうした理由があるからなのです。

2015-06-27

教科担任制3ヶ月の振り返り その3

なぜ小学校での学級担任制を増やしたほうがよいのか? 今回は別の視点から切り込みます。

 

僕らの世代が採用された時代、平成4年ごろは市内の大規模校は児童数が軒並み1000人ほどおりました。当時は40人学級(現在の福島県は33人が最大人数です)したが、学年は4〜5クラスが普通でした。僕が新採用となり配属された3年生には50歳の女性主任を筆頭に50代女性、40代女性、30代女性、そして僕です。その中には力のある先生も僕みたいな力のない先生もいましたが、学年はたいして問題もなく、崩壊することもなく運営されていきました。その学年は4年間持つことになりましたが、5年生からは4クラスになり、クラスの児童は40人。学年主任は今なら確実に学級崩壊を起こすであろう50代の女性教師でしたが、30代の男性教師、30代の女性教師が主力となり、僕や主任をカバーしながら卒業までこぎつけます。

 

今はどうでしょうか? 当時、今の勤務校は1000人ほどの学校でしたが、現在は430人ほどです。先の述べたように福島県はクラスの最大数が33人(1〜2年生は30人)ですが、それでも3クラスはほぼ姿を消し、2クラスが主流になりつつあります。かつて中規模校であったところは、今は単学級になりつつあります。福島県で最大の都市ですら、このような状況になってきているのですから、田舎の方はさらに状況は過酷です。

 

そうなると、学年は一人か二人が主流になります。そうなると学級経営に耐えらない人がいてもカバーする人が学年にいないのです。経営力のなさが、そのまま学級に影響してしまうのです。「経営力」と言いましたが、その根幹は実は「授業」です。先日学活の授業を見ていた時に「なぜ授業できちんと話がきけないのか?」という話し合いになり、ある子は「だって話がつまんないんだもん」と吐き捨てるように言っていたように、「つまらない」のを6時間も続くのですから、それが体に出てきて当たり前なのです。そうした子どもに「つまんないと思ってもちゃんと話を聞かなければダメ」なんて説教しても何にもならないのです。

 

こうした少子化が進んでいく中では、子どもは授業という「孤独」で「退屈」な世界から抜け出せなくなる可能性が高くなります。3〜4クラスもあれば、学年でさまざまな先生が指導にあたり、担任とは相性が悪くても、別の先生とじゃれあうことで孤独と退屈を解消できたのに、もう毎日毎時間、相性のあわない先生と一緒なのです。

 

僕だって子どもとの相性があります。僕みたいは変人を好む子どももいれば、僕とは正反対に優しく丁寧に声をかけてもらいたい子どもだっています。ですから、子どもには教師もまた多様であった方がいいのです。

 

僕の今の役割は、通常の学級では取り残されていくような子や個性がめちゃめちゃ強くてトラブルを起こしやすい子どもとか、そういうスペシャルな子どもを僕の算数を通して、満足感を与えていくことなのです。

2015-06-17

教科担任制2ヶ月の振り返り その2

ずいぶん間が空いてしまいましたが続き「うまくいくための仕掛け」について

 

教科担任制を専科で行うというシステムを考え出したと同時に、あることを仕掛けようと考えていました。それは「専用教室」です。中学校ですと「移動型」ですね。つまり「特別感」を作ろうと考えていました。人はこの「特別感」というものに弱いものです。子どもならなおさらです。

 

本校は20年前は1000人ほどいた大規模校ですが、今ではその半分以下となりました。空き教室もずいぶんあるので、算数専用の教室を作ることができます。そこで「学習センター」という教室を作り、そこで「算数だけ」に特化して授業を行うことにしました。

 

こうすると、子どもの意欲の面だけでなく、僕のメリットが飛躍的に大きくなります。まずは僕の負担が減ります。僕が教室を駆け回るよりもずっとスムーズに授業を運営できます。また小学校は学級担任制なので、他の先生も「自分の教室」という雰囲気があります。そこに分科でよその先生が入るというのは実は、結構嫌なものなのです。ですから子どもが他の教室に行ってくれる方が安心感があり、「自分の教室」で宿題のまるつけや、作品の整理、授業の準備ができるのです。

 

さらに、授業はそこで連続で行われるので、前のクラスの足跡が残っているというメリットもあります。黒板やホワイトボードに解法が残っていれば、次の時間にそれを活用して学習することも可能です。

 

また、学習センターの廊下には、算数オリンピックレベルの問題が掲示されています。新しい問題がでると、算数好きの子どもが集まってきます。中には机を運び込んで廊下で勉強している子どももいます。

 

算数の教科担任制には、実はこうした仕掛けがふんだんに取り入れられているのです。こうしたことが矛盾なく、スムーズに運営されているのです。