もっと!とんたんの学び合い帳 RSSフィード

こんにちは。福島県郡山市の小学校教諭の「坂内智之」です。「学び続ける子どもたち」を合い言葉に「織り重ねる学び」の授業を作っていきます。授業の様子や子どもの様子、教育についての考えなどを書き込みたいと思います。 連絡・問い合わせ・お願いメールは manabiaiとgmail.comを@でつないでください。

2013-11-17

僕は原発には基本的に反対です

これまでずっと原発に賛成か反対かは言葉にはっきりとは出してきていませんでした。小泉元首相ではないのですが、もともと僕は原発はむしろ推進する立場でした。原子力はやっぱり「効率」がいい。福島第1原発をみて分かるようにたったあれだけの面積で600万kwh(6000Mwh)も発電できるなんて、発電する側から考えたらやっぱり夢のように素晴らしい発電には間違いありません。

 

でも。。。。

幾重にも防御はされているはずの原発は、外側とは言えいとも簡単に爆発しましたし、「ありえない」と言われていたメルトダウンは、3つも起こりました。また分厚いコンクリートで封じ込められていたはずの原子炉は、水素爆発によって原発上部は実は簡素な作りであったことがばれてしまいました。

 

また、僕の古い友人は大学を出ると、ある電力会社(東電ではない)に就職し、原発に回されました。その友人は「このままだと放射線で殺されちゃう」と言って、やめて地元に戻りました。そのころから、そのころからなぜ安全と言われている原発でそんな被曝するようなことがあるのか分かりませんでした。

 

ここ最近でも「実は燃料プールには、震災以前に損傷したり、穴の空いたものがあり、未だに取り出せない燃料棒がある」ことが分かってきました。こうした情報が明らかにされないまま、私たちは原発とともに生きてきたのでしょう。

 

さらに、地質学を専攻しているぼくからすれば、燃料を万年単位で埋められるような場所は日本にはありません。例えばフィンランドが埋められたのは、スカンジナビア半島には億年単位で地盤の変動していない安定地殻があるからで、日本にはそんな場所はないのです。地質図を見れば分かりますが、日本は世界の中で最も地殻が不安定な国なのです。

 

さらにさらに、高校生の時の化学での実験やその先生の話を聞く限り、高速増殖は本当に怖い。稼働すればするほど燃料が増えていくなんて夢のようですよね。でもその冷却剤が「ナトリウム」と分かって、その技術はマッドサイエンスとしか思えません。理論では確かに可能かも知れませんが、空気に触れただけで発火するようなナトリウム。それを大量に巡廻させ、一滴ももれずに完全に制御することはまず無理だと僕は思います。

 

僕はこれまでのような原子力発電に頼らない、成長戦略に頼らない、ネットワーク型の発電システム(少しずつを大量に、そして変動を吸収できるシステム)を世界に先駆けて日本が開発していくことが必要であると考えています。

また、使用する電力を少しずつ削るのではなく、大幅に削るようなイノベーションも促していく必要があります。

 

私たちは快適になったこの生活を簡単に手放すことはできないことでしょう。この快適さを維持するためにも、発電方法を多様化し、少ない電力でよりよく生活できるような未来を作っていくことが日本の未来にとっても、きっとアドバンテージになるはずだと考えています。

 

ただし、僕はこの考えを教育現場には反映しようとは思っていません。教育は常にニュートラルでなければならないからです。原発推進という考えも、その子どもにとってはまた正義なのです。僕の仕事はそうした未来を創る子どもたちに考える場を与えることであり、何をどう選んでいくかは、若い世代、そして子どもたちも決めていくべきだと僕は思います。

 

※追記

でもでも。やっぱり理系人の僕としては、核融合が実現するのを見てみたい。もちろん発電所としては全く採算合わない技術だけどね。

A0153A0153 2013/11/25 20:44 約50年前私も核融合に夢を持ちました。30年たって無理ではと思い始め、安全であっても放射性廃棄物を処理できない以上、原発は止めるべきと思い
ました。
子ども達には、どちらの考えも与えるべきと思います。結局は一人ひとりの判断が動かして行くのだと思いますから。

2013-07-31

「放射線教育は学力です」

先日、長野総合教育センターで放射線教育についての講座を昨年に引き続き持たせていただきました。担当のIさんの対応がとても素晴らしく、僕だったらこんなにきめ細かく動くことができないなと感心させられることばかりでした。こうした機会を設けさせていただいたことをこの場を借りて感謝申し上げます。

 

さて、講座の午後の部では参加された方々に、私からの課題をデータを基に「読み解く」という活動を行いました。

 

1.1mSvを超える内部被曝は何からもたらされているか

2.甲状腺がんの一次検査の結果をどう判断するか

3.子どもたちが放射線量を測定した地点で高いところはどうして高いのか

 

こうした課題を参加者に読み解いてもらいました。参加者は少なかったのですが、文系の方も理系の方もいらっしゃったのでそれぞれに意見を出し合いながら、学び合いで課題を読み解いてもらいました。

 

1の課題については、福島県の食材のデータから「どうも山菜があやしい」という結論にたどり着きました。

 

2の課題については、放射線量の差と子どものA2 B Cの結果データとは関連性がないと言えるという話になりました。

3の課題については、地図から河川によって放射線が高い場所があることなどが導き出されました。

 

このように、放射線教育では「読み解く」という力が求められます。人の言うことを鵜呑みにするのではなくて、あくまで自分の目で見て、はかり、そして判断する能力が大事なのです。そうでないと危険論ばかりに注目して心が不安定になったり、根拠のない安全論で耳をふさいでしまったりすることになるからです。どちらの状況になることも不幸なのです。

 

例えば全国のモニタリングポストのデータの動きを見て、「今放射線の数値が上がったからきっとベントしたに違いないから窓を閉めて」なんてネットで今でも叫んでいる人がいます。雨が降れば放射線量は増えると言うことを知っていれば、少なくとも基となるモニタリングポストのHPにはそう書いてあることを読んでいれば、そんな誤解は生まれないのです。

 

また、福島県産の桃にはヨウ素131が検出された(0.8Bq)けど、県が隠蔽しているなんていう話もあります。こんな話を聞くと頭が痛くなってきます。ちなみに今、自然界でヨウ素131が検出されるとしたら原発の超高濃度の汚染水にごくわずか存在するかどうかです(たぶん存在しないです)

 

根拠はヨウ素131の半減期は8日ほどだからです。今までに100回ほど半減期がきているので、数式では 0.8×2^100となります。2の100乗ですからとてつもない数になります。ですから半減期を考えれば、それはデータの手入力ミスだと簡単に想像できます。

 

このように放射線についてしっかりと学べば変に怖がることもなく、そして根拠なく安心することもなく、しっかりと放射線と向き合って生活していくことができるのです。僕はそうやって放射線と向き合い、生活していますし、子どもたちにもそうして生活していって欲しいと願い、教育を実践しているんです。

2013-07-28

放射性ヨウ素では甲状腺がんはほとんど起こらないのかもしれない

素人のかなり大胆な仮説ですので、指摘がありましたら感情ではなく「データに基づいて」ご指摘ください。

 

 

昨日の長野の放射線教育の講座を持たせていただいたのですが、その中に参加者に課題を出して「データ」をもとにして、それを基に正確に読み解き判断するという演習を組み込みました。

 

その演習の2つめの課題として「福島県の甲状腺がんのデータ」を読み解きました。演習をやっている中で、自分で整理されていなかったごちゃごちゃしたものが一本の線になってつながってきました。ひょっとするとチェルノブイリの原発事故で発生したと言われる「甲状腺がん」。これの読み解き方は間違っているのかもしれません。下手するとチェルノブイリの原発事故で起こったと言われる甲状腺がんの多くは(全てとはもうしませんが)、放射線の影響じゃない可能性が高いのではないかと思うようになりました。この根拠を示します。

 

まず、このデータを読み解きます。

http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250605siryou2.pdf

これまでの甲状腺がんのデータから現在の時点でほぼがんと診断された18歳以下の子どもが「28人」に及ぶことが分かります。現在13人が手術し、12人が実際にがんとして認定されています。このデータにはいわき市、会津がほんど含まれていないのでがんの疑いは、最終的には40名近くになるはずです。これは冬頃には発表されると思います。マスメディアはかなりセンセーショナルに伝えることでしょう。「福島県で子どものがん40名発生」なんて見出しで。

 

ところがこのデータを詳細に読んでいくと、地域間にに差がないことが分かります。どこでもA2、B判定が「一定」の割合で線量や原発からの距離に特に関連性はみられません。また、弘前市、甲府市、長崎市のデータと比較しても変わりありません。超音波の性能や検査技師の判断という誤差の範囲であることでしょう。

 

このデータ、実はチェルノブイリの原発事故よりもずっと高いんです。ここから何が予想されるでしょうか?

 

チェルノブイリの原発事故で明確に甲状腺がんが増えたと言われるのが5年ほどしてからだと言われています。でも本当にそうでしょうか。事故直後に福島県のように大規模に甲状腺検査をしたという話は聞いたことがありませんし、そもそも甲状腺がんが増えるというのはチェルノブイリの原発事故で「分かった」と言われていることです。ですから事故後の数年間はほとんど子どもの甲状腺に超音波検査はされていなかったはずです。

 

チェルノブイリ事故で甲状腺がんが見つかったことで、大規模に甲状腺検査が始まったのはおそらく数年後つまり、5年ほどして「がんが増えた」というデータと一致してきます。

 

福島県のデータと重ねてきます。ひょっとするとチェルノブイリでも原発事故とは関係無しに、甲状腺がんが福島県と同じ「一定数」存在していたのではないか、それが大規模に調査をかけたことであぶり出されたのではないかという予測が生まれます。

 

福島県内や他県で地域に関係なく、これだけがんの認定が起こるのですから、事故発生前にもベラルーシやウクライナ、ロシアでもある一定のがんがあったはずです。データを比較するとチェルノブイリで発生したと言われる多くのがんは実は「もともと」あったものだと推測されます。「今でも甲状腺がんが発生している」と言われるのはこのためかもしれません。

 

それでもチェルノブイリでは高濃度の汚染地帯の方が甲状腺がんのデータが有意義に高いので、等価線量で1Svを超えたような被曝をした子どもががんを発症したと言えます。

 

福島県の子どものがんの発見率が高いのは、機器がチェルノブイリ事故のころから比べてずっと高性能になっているのと、検査技師の診断技術の差だと考えています。

 

福島県のデータを全国に広げると甲状腺がんを発症している18歳以下の子どもは実は2000人を超えるはずです。従来100万人に1程度と言われてきたのは、これほど大規模に甲状腺を検査してこなかったからです。

 

すると、甲状腺がんの多くは数十年かけてゆっくりと育つもので、ひょっとすると子どもには手術もいらないようなものなのかもしれません。

 

 

このような大胆な仮説を立ててみました。チェルノブイリには実際に行っていませんし、生のデータもありませんのでその部分に関してはあくまで「推論」です。でも福島県のデータは、放射線についても、がんという病気に関しての特性についても新たな理解の扉を開くのかも知れません。 

2012-10-19

放射線の現状 その2

除染が全く進みません。だって捨てるところ無いんだもん!

 

費用対効果がうんたら〜

新技術がうんたら〜

仮置き場がうんたら〜

 

都市部の除染は比較的簡単であるはずなのに一向に進みません。福島県に住む人にとっては、例え1割でも線量が下がれば安心が広がります。

 

[NIMBY]この言葉は、木村真三さんに教えていただいた言葉です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/NIMBY

 

私はこうした汚染が起こった以上、それぞれの自治体で処分するのが正しいと思います。郡山だったらやっぱり郡山で処分する方法を考えて決めなくてはならない。そのための政治力が決定的に足りないのです。そこが決まれば私たちもより安心して生活することができるようになることでしょう。

 

郡山市で私の住む周辺は今でも0.7〜0.8μSvです。除染の終わった近所の公園には子どもは人っ子一人遊んでいません。だってその周辺も遊具も昔のままだってことをみんな知っているからです。

 

でも本気で除染をすれば単位は間違いなく「兆」です。うちのマンション1つでも業者が本気で除染をすれば、数百万〜千万ほどかかります。原発事故というものはつまりそういうことなのです。

2012-10-18

放射線の現状 その1

しばらく、放射線の現状について書いていないのでこれからのこと、これから心配なことについて書いています。

 

まずは最も懸念していること。

 

それはやっぱり甲状腺検査の結果です。

どう冷静に考えても、4割以上の子どもに嚢(のう)胞が見つかること事態がおかしい気がします。嚢胞とは液体状の袋のようなもので、そこの臓器の炎症などが原因となることもあります。嚢胞自体は特別なものではないことが分かっていても18歳以下にそうした嚢胞がみられることが本当に「正常なのか?」と問われれば「分からない」というのが正しいことでしょう。

 

そもそも健常な子どもの大規模な超音波検査のデーターが無いのですから誰も分かるわけありません。そのためには西日本の子どもたちとの比較が必要です。そのための比較検査がされることを望みます。

 

また、データーの開示が非常に「あいまい」なのも気になります。年齢別にデーターがあれば、かなりはっきりと「見える」はずです。それなのに年齢別にデーターを出していないことが気になります。もしも、年齢が上に行くほど嚢胞の割合が増えるのであれば心配ないし、逆に下に行くほど嚢胞の割合が増えるのであれば、ヨウ素131の影響を考えなくてはいけないからです。

 

これまでに一人の甲状腺がんが見つかりましたが、その年齢が分からないので、やはり判断がつきません。年齢がとても低ければやっぱり放射線の影響も考慮しなければならないのですから。

とにかく情報が個人情報保護を目的にあまりにも大ざっぱなものでしかありません。科学的に考えていく材料を与えるのか情報公開の役割ですよね。情報があれば安心できるし、問題があっても対処は素早くできます。そうしたことをしないのはやっぱり欺瞞だと取られても仕方がないですよね。

 

甲状腺検査はこれから汚染の比較的低い、県南や会津地方に広がります。そこでのデーターとつきあわせていくことで、本当に放射線の影響は無いのかどうかはっきりしていくと思います。