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こんにちは。福島県郡山市の小学校教諭の「坂内智之」です。「学び続ける子どもたち」を合い言葉に「織り重ねる学び」の授業を作っていきます。授業の様子や子どもの様子、教育についての考えなどを書き込みたいと思います。 連絡・問い合わせ・お願いメールは manabiaiとgmail.comを@でつないでください。

2014-07-21

郡山市の放射線の近況

久しぶりに郡山市の状況を。

旧市内(つまり街中ね)の6〜7割は除染が終了していますが、未だに僕のマンションには到達していません(まあ、かなり初期に除染したので建物自体の線量はかなり低いんだけど)

除染は極めて丁寧です。除染をすることによって、放射性物質の5割位は除去できると思います。5割除去すると、0.3μSvが0,2μSvになるという感じでしょうか。

0.2μくらいですと、千葉や東京のちょっとした所と同じくらいですから、かなり低くなってきたと言えます。ただ、幼い子どもが土いじりをしたり、どろんこ遊びをしたり出来る状況にはありません。

公園はやっぱり遊ぶ子どもが少なくなり(かなり戻ってきたけど)、草がたくさん生えているところも多くあります。

これからの除染は道路と側溝でしょう。側溝には大量の放射性物質が沈着しています。あまりに大量(おそらく大型ダンプカーで数百台分はあると思う)それらを除去するには、中間貯蔵施設(本当は郡山市で処分場を作るべきだと僕は思うのだけど)が完成を待つしかないのだと思います。

市民はかなり放射線については落ち着いて対処しています。人によってはこれを政府の洗脳だとかいうのだけど、そうではなく、ローカル新聞やテレビでは毎日放射線の情報を流しているので、知識のレベルが上がってきていると言えます。

一方、学校現場では放射線教育は盛んではありません。おそらくだけど、ほとんどの学校で放射線教育をしていないと僕は観ています。調査をかければ「何らかの関連させた授業をした」という話は上がってくるでしょうが、本当に子どもに取って必要な放射線教育は、それを総合的な学習でも取り入れない限り、「ちょっとふれた」そんな感じじゃないかしら? と言えるでしょうね。

2013-09-14

「マシ」という考えが引き起こすもの

東京オリンピック招致の際「東京は福島から250kmも離れているから安全です」という説明がありました。

 

同じく福島県では

「浜通り地方(福島県の海側の地域)では原発周辺(市町村)から比べてずっとマシです。風評被害です。」

「中通り(福島県の中部の人口密集地帯)では、浜通りの方から比べたらずっとマシです。」

「会津では、福島県という一括りにされて迷惑。会津はずっと汚染が低いのです。」

 

隣接する茨城県・栃木県・群馬県では、福島県よりもマシ。

 

同じ他の関東では、栃木・茨城・群馬よりもマシ。

 

西日本は東日本よりもマシ。

 

 

この理屈こそが最初の招致の際のコメントの裏側です。

原発事故で言えば日本の津々浦々全て放射性物質は降り注いでいます。

マシとかの話ではなく、我々がやらねばならないことは「それ」が引き起こされた原因を明らかにすることと、日本の全ての人々が安全で安心できる環境を整えることです。

 

マシという考えは、結局特定の人々を切り捨てる考えにつながっていくのです。

 

でもこうしてこのエントリーを書いている自分でさえ、今、福島第一原発で起こっている現状を掌握し、食い止める手立てを打てません。でもそこには、ニュースでは伝えられない多くの人々が、汚染を食い止めるために日夜噴騰しています。

 

私たちが大事にしていかなければならないのは、そうした想像力を持つことです。もしその想像力を持てないのであれば、興味を持って「のぞく」ということです。

 

「マシ」という考えは、その「想像を働かせる力」を奪っていくのです。

2013-09-09

放射線・福島の現状 今分かること、そして分からないこと

放射線についてここまで分かっていること、分からないことについてメモします。

 

まず分かっていることは、現在の福島県で流通している県内産の生産物にはほとんどセシウムは含まれておらず(厳密に言うと検出限界値以下であってごくわずかだけど入っているものもあります)、福島県民の内部被曝量も極めて低いものであると言うことです。また、外部被曝はバッチのデータから推測すると郡山市で多い子どもでも年間1mSvを切っています。ちなみに郡山市のデータ算出は間違っていて、郡山市のような新生代の地層ではバックボーンの数値はもっと低いので、実際に算出されているデータよりは少しだけ高いはずです。

(バックボーンというのはバッチのデータから「事故前もこのくらいはあったので」といって引かれる数値です。郡山市の地層の年代は若いので実際に引かれている数値(日本の平均値)よりはもっと小さいはずです)

 

これらから考えると「普通に」生活する分には被曝は当初考えられていたよりもずっと少ないと言えます。しかし、一方で学校の周りを計測するとセシウムは水によってかなり偏りが生まれています。雨水管の直下だと直下で未だに10μSvなんて所はざらにありますので、そうした場所には近づかない、すぐに除染するなど対策が必要です。また、山菜などでは今年になっても最大値で1万ベクレルを超える(コシアブラなど)ようなものもあります。一度それを食べたからどうにかなるとは言えませんが、常食すべきものではなく、ましてや子どもにそれを食べさせるのはダメです。

 

一方、分からないことがあります。ヨウ素被曝とその影響です。「放射線になんか、まけないぞ!」の監修にあたってくださった木村真三さんは、データの解析ですでに原発事故で甲状腺がんが発生していることを確信して、世界に発信するための論文の制作にあったいるようです。木村さんの緻密なデータの蓄積と分析力ですから、ほぼそれは間違いないのでしょう。

  

僕も県のデータを総ざらいしていますが、最も大切なB判定C判定の発生地域が伏せられているので判断しかねています。県の担当者に直接聞いた限りには「発生地域との相関関係はありません」と申しておりました。これはまもなく出るであろう会津との相関関係ではっきりするはずですが、そのデータを出してくるかどうかは分かりません。また単純に地域だけではなくて、3月15日から3月末までどこでどんなことをしていたのか、そうした実態調査の結果も必要です。これらが揃って初めて判断ができるのです。

 

気がかりなのは通常、甲状腺がんは男女比で言うと女性の方が明確に高いのですが、これまでの調査でがんが確定した男女比はほぼ1:1です。これが何を表すのかが分かりません。(またがん発生の年齢分布は幼児にはほぼおらず比較的年齢の高い子で判定させているので、被曝の等価線量の考え方で行けば原発事故の影響ではないかとも考えられます) 以前に仮説を立てたように、そもそも甲状腺がんというものが、どこの国でもこれまで考えられていたよりもずっと高い比率発生しているのか、それとも今回の被曝で子どもの甲状腺に何かが起こっているのか分かりません。

 

これらは新聞などで報道されていることが全てだと思わずに、実際の数値に我々市民の手で確かめていく必要があるかもしれません。

 

2013-07-16

奇形?

選挙期間でなければ、ボコボコに書くところだけど。

 

ある街頭演説で「福島県では奇形児が生まれている」という隠された真実を述べられている方がいるようです。「南相馬で頭が2つの子どもや無脳症、西郷村でも奇形児がどんどん生まれている」そうな。

 

僕の二男は昨年生まれたけど、そんなところは全くございませんし、同時期に生まれた子どもにそうした奇形があることはありませんでした。いろいろと検索をかけてみると、ご飯吹き出すレベルの話をあたかも真面目に書き込んでいる人もいます。

 

逆に、こうしたことを演説したり、書いたりする人の心の面に興味が出てきます。あまりに無知なのか、それとも悪意なのか、それとも目立ちたいのか。まあその3つに絞られることでしょう。でも多くの人は「無知」からきます。でもこうしたことを大勢の前で言うためには、極めて客観的な調査と分析が必要です。

 

また悪意のある人は、人そのものがろくでもないのでどうしようもありません。目立ちたい人は「僕だけが知っている」というスタンスを示すことで人との違いを明確にしたいのでしょう。

 

放射線の影響は確かに気をつけなければならない。でも、統計や実際とあまりにかけ離れた話は、福島県の人々の心を傷つけるだけにしかなりません。

 

国や県は選挙を盾にしてこうした話をする人に訴訟を起こすことも検討に入れてよいと思います。そうなれば「根拠」も明らかにせざるをないでしょうしね。党利党略のために福島県を利用するのは止めて欲しいものです。 

奇形奇形 2013/07/17 23:50 お前の次男が無事だろうと実際に奇形は生まれてんだよ

tontan2tontan2 2013/07/18 23:40 本文に書いてあるようにデータを示さない限り、何にもなりませんね。確率が高いのかどうかが問題です。でも高ければ産婦人科でも噂になりますが、検査技師の知り合いも「全く変わらない」と言ってますね。

2013-06-16

馬鹿になっていけない

放射線リスクについてさまざまな場所で「全く危険性はない」という話が聞かれます。僕のスタンスは「おそらく大きな危険はないけれども、無防備でよいわけではない」というものです。放射線リスクというものはあくまで確率ですから、その確率は小さければ小さいほどよいに決まっているのです。

 

多くのリスク分析は被曝量の影響が証明されている「100mSv」を基準にしています。ですから年間被曝量が1msvであるならは自然被曝量と比較して「リスクはほぼない」と言えると説明されています。

 

でも100msvって誰が基準でしょうか? これは成人男性の被曝モデルで子どもではありません。子どもは小さければ小さいほど被曝には弱いのです。子どもの被曝を考えるときに100msvというのはかなり乱暴な話ではありますよね。

 

また、よくCTとの比較も出てきます。例えば頭部のCTだと10msvくらい被曝します。それから比べたら1msvなんてたいしたことないでしょ?って言う人もいます。でも十年以上も前から子どものCT被曝は医学界でも問題に上がっていたはずです。診断とのトレードオフがあって被曝が許されるのであって、浴びない方がよいに決まっています。

  

また、β線の問題も無視されています。確かに外部からのβ線被曝はそれほど影響はないかもしれません。でも内部被曝で考えれば「目に見える(霧箱実験でね)」ほどパワーがあるのですから、ごく少量でも体に入ったときの影響を考えていく必要もあります。

 

子どもの運動着なんかも外で運動すればそこそこ汚染されます。原発事故前だったらドラム缶につめるくらいの汚染はあります。ですから子どもが運動着を着たままホールボディーカウンターを受ければ、多くの子どもがひっかるはずです。

 

郡山で外で大根を干せば(切り干し大根)をつくれば数百ベクレル(農業センターの実験ではさらに高いです)にもなることがあります。それだけ粉じんも飛んでいます。

 

上記の数値は一度に浴びるのか、低線量を継続的に被曝するのかでももちろん違います。子どもへの影響も含めて、実はまだまだ分からないことだらけなのです。

 

私たちは自分の目で見て、測定し、考え、そして判断するべきです。そうした賢さを福島県の人々には求められているのだと思います。

 

 

※追記

放射線被曝は農薬と同じと考えるといいと思います。いくら「安全です」と言われても僕は農薬がたんまりかかった野菜や果物は食べたくないし、できれば無農薬のものを食べたいです!