tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『H2』1巻(ワイドコミックス版)((ISBN:4091277810)) あだち充

買いました。読みました。
実は『H2』をちゃんと通して読んだことはないのですよね…。


中学時代野球部のチームメイトで、それぞれ剛速球投手と猛打者として名を馳せた国見比呂と橘英雄。
英雄は野球の名門校明和第一高校に進学して甲子園を目指すが、比呂は医者に「ガラスのひじ」との診断を下され、腰を痛めて同じ医者にドクターストップをかけられた捕手の野田と共に野球部のない千川高校へ進む。
しかし、実はその医者は無免許のヤブ医者で、ふたりのひじと腰には何の異常もないことが判明し…。


というのがおおざっぱなあらすじ。
もちろんあだち充作品ですからこれに恋愛が絡まってくるわけですが。
比呂の幼なじみで現在は英雄の彼女である雨宮ひかりと、比呂の属する野球愛好会(後に野球部になるわけですが)のマネージャー、古賀春華のふたりが今回のヒロインです。
他のあだち作品のヒロインのタイプに当てはまるのはひかりの方だと思うのですが、私は古賀ちゃんの方が好きだなあ。
男キャラではダントツで比呂です。
『タッチ』の上杉達也が、最初は努力がキライで何をやってもダメな三枚目であったのが、双子の弟の死をきっかけにエースとして男として成長し、どんどんかっこよくなっていく大器晩成タイプであるのに対し、『H2』の比呂は最初からかっこいい天才肌なんです。
剛速球をバンバン投げる比呂もかっこいいけど、セリフもなかなかかっこいいこと言ってます。
この巻だと、「神様が見たかったんだろ。俺と英雄の対決をさ。」とか。
自分と野田の身体に異常がないと分かった後、千川高校の野球部の歴史を自分たちの手で作っていこうと決意するところや、野球を馬鹿にするサッカー部員に「タイムアウトのない試合の面白さを教えてあげますよ。」と言うところも最高。
名シーンあり、名セリフあり、見どころ多すぎるよ、この漫画…。