Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

最近はカフェ営業の時は何だかプライベイトな日に思えて普段できない好きなことを思う存分。昨日は幸か不幸か昼も夜もお客さんが少なかったので合間をぬって落語三昧と洒落込み。貸し出していた「八代目桂文楽全集」が戻ってきたので久し振りにこの八枚入りDVDを順番に観て。文楽師の話芸は大方の落語通が名人と認める至芸、こういう時にしか観れないので大変いい時間の使い方。演目で紹介すると「明烏」「穴どろ」「按摩の炬燵」「富久」「干物箱」「馬のす・大仏餅」「愛宕山」「心眼」「つるつる」までの三巻分、順番に鑑賞。最後の高座になった1971年(昭和46年)8月31日の「大仏餅」を1年前に収録した1970年4月27日の映像が一際印象的。この「大仏餅」は三遊亭圓朝作の三題噺で特に代表作というものでもなく,名人の絶句=最後の高座という意味合いで興味深いもの。その絶句の部分「あたくしは、芝片門前に住まいおりました・・」に続く「神谷幸右衛門・・」の名前が出てこなかった由来も分かって勉強に。「松風亭日乗」という文楽さんに詳しいブログや新しい文楽論『談志 名跡問答』の中で談志家元と福田和也という人が対談している中に鋭い考察。普段より桂文楽を神格化することを好まなかった家元が珍しく福田和也に同調している部分が新鮮。「桂文楽」というレッテルは様々な評価やコメント、新参者としてはせいぜい残された映像(これが大変貴重なものが多い)や音源をできるだけ多く鑑賞することで昭和の名人の実態に迫ってみたい。【驚き】この一語一絵をアップしようと思っていたところ、ちょっと気になってその命日っていつだったか調べたら丁度45年前の12月12日、つまりこれを書いた今日(昨日)!小津安二郎もそう。