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もうひとつの音楽〜非正統の音

2017-11-19

「天国」 神保町 試聴室 Kuruma (藤村直輝+大島輝之)

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Kuruma (藤村直輝+大島輝之)


大島輝之の休養前最後のライブに立ち会えた。

意外にもアコースティックギターの引き語りだった。

しみじみとしたものになるのかと思いきや、ハプニングの連続だった。

Kuruma (藤村直輝+大島輝之)というグループが以前からあったかは

定かではないが、藤村直輝は、かつての黄金町試聴室で、大島輝之

共演したことは知っていた。

この時はライブ会場には行けなかったが、

大島輝之の演奏をどうやって邪魔をするかということを競った

イベントだったと聞いている。そこで栄誉に輝いたのが、

藤村直輝だったそうだ。

藤村直輝は、工具一式と材料をそろえて、待ち構えており、

ステージに青いビニールを張った簡易テントを敷設してしまった。

今回も大島輝之の演奏は、音は聞こえこそすれ、完全にステージを

妨害されたことになった。

しかし、これで終わりとはならなかった。

サラダマイカル富岡製紙工場のボーカル、サラダがステージ上に現れて

大島輝之の頭にシャンプーをし始めたのだ。

半ば笑いながら、歌う大島輝之を見るにつけ

しばらく見られないステージを、なおさらのこと

名残惜しく思った。

「天国」 神保町 試聴室  山本精一

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この日の白眉は、山本精一のソロだった。



エレキギターを手に、歌を唄った。


以前レポートした山本精一のソロは、アコースティックギターだったが、

今回はエレキギターだった。


「同じ歌を唄ってここまで違って聞こえるのか」

と素直に驚いた。


牧歌的なフォークソングが、エフェクターのギターでまったく違った次元へと

誘う。

けれどもそこにショーアップの類の作為はない。


山本精一のギターは、一聴すると退廃的なのだが、聴いているうちに

昇天するかのような活力がある。とても不思議だ。

これは、語るべき音楽ではなく、真に聴くべき音楽の証左なのだろうと思う。

「天国」 神保町 試聴室  にじ、サラダマイカル富岡製糸場グループ

『天国』 出演:山本精一、Kuruma (藤村直輝+大島輝之)、

神保町の試聴室でのイベントは「天国」と銘打ったものだった。

大島輝之の休養前の最後のライブとなった。

会場には、barisheeのオーナーや武田理沙の姿も見えた。

写真が多いので3回に分けてアップしたいと思う。

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にじ、というグループは愛知県を拠点にしているそうだ。ポップで今っぽい

感じの歌が印象的だった。その中にあってギタリストは、年齢が若そうだったが

良い意味で古典的な技能を使っていたと記憶している。

ますますの活躍を期待したい。


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サラダマイカル富岡製糸場グループは、在りし日の黄金町試聴室のスケジュールには

なんども出ていたうえ、大島輝之が絶賛していたので、CDを買って聞いていた。

もちろん、ライブは未体験だった。

CDを聴いただけでは分からなかったすごさが表れたステージだった。

新しい何かを感じさせるのに十分な演奏だった。

奇抜さはない、力を抜いた良い加減のボーカルに、

細部にわたり工夫された(伴奏というよりも)

演奏が絶妙な塩梅だった。

バンドのメンバーに、もんでんやすのり、がいたとは

知らなかった。

ライブで聴いた方が絶対に良いと思う。

菊地雅晃 STAR☆MINE(仮説) 5月2日 荻窪Velvetsun

(はじめに)

7月に体調を壊し仕事を休んだ後、復調とは言えない状態が続いて

更新を怠ってしまいました。その間、アクセスいただだき、ありがとうございます。

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この日は、STAR☆MINEのライブを見に荻窪のベルベットサンを訪れた。

菊地雅晃(gt) 松村拓海(fl) 堀田秀顕(el-b) 金子充伯(ds)

単独での初ライブだったとは思うが、定かではない。

この日以降、2度ほどベルベットサンでライブを行なっている。

メンバーは基本的に坪口昌恭Key)が入っているが、この日は

参加していない。

ベルベットサンでは12月5日に再びライブをするようだ。

バンドは、

「ソフトマシーンの音色(主にオルガンの音色)+フュージョンのサイケな和声感+グレイトフルデッドの延々とフラットに続くインストプレイ+ファズギター+テクノやダブでのディレイの使い方+適度なキメ」

というコンセプトらしい。


それはともかく、ベースの技術的な巧みさと、ドラムスの格好良さが

印象的だった。二人とも私が聴くようなライブでは名前を聞かない

音楽家だが、活躍している姿が見たいと思った。

2017-06-18

sim 元住吉・Powers2

sim 大島輝之 大谷能生 植村昌弘

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大島輝之がライブ休業を宣言してから、発表されたライブはどれも

魅力的だった。この日以降、残すところ、黄金町視聴室と神保町視聴室

だけの日程となった。


simを最初に聴いたのは、黄金町の視聴室がオープンして間もなくのころだった

と記憶している。現在では、黄金町は閉店して、日の出町に移転している。


さて、この日のトリを務めたsimの番になったら、疲労感が襲って

きて、ひたすら聴くことに専念した。

音楽を自分なりに記憶するのを放棄したら、楽になった。


話は大幅に脱線するが、

歳を重ねるにつれ、人間の本性は、睡眠、摂食、排泄、性交で成り立っていて、

それ以外のものは

さほど意味のないものと思うようになった。

本能的には、人間は動物の一種類に過ぎないのだと思う。


ただ人間を人間たらしめているのは、物事や事象に意味を持たせる行為

に尽きるのではないか、とも思うようになってきた。


その行為を奪ってみたり、放棄したとすれば、やはり人間には

睡眠、摂食、排泄、性交しか残らないということになる。



絶対に何人たりとも音楽をことばで表現することはできない。


その考え方に変わりはないが、その自己矛盾は人間たる所以だとも

私なりに考えている。




確か、デビュー当時は、爆音がすごくて、前の席のお客さんが倒れたという

本当か嘘か定かではない情報がtwitterで流れていたと思う。


何はともあれ、楽しいひとときだった。

Argonauts Marcos Fernandes 武田理沙 DB 3CH

Argonauts 元住吉・Powers2


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マルコスフェルナンデスがリーダーと思われるバンドだけれども

本当のところは分からない。


だが、マルコスフェルナンデスの縦横無尽のドラミングを見ていると

そういう感じがする。マルコスフェルナンデスを生で聴くのは2度目だが

本当に良いドラミンングだと思う。


エレクトリックベースがマルコスに向かい合って、リズム隊が一体感を

増していくのだが、この絡みはすごかった。

エレクトリックベースは、その製造国、つまりルーツががアメリカであるため、

先人=パイオニアも数人のアメリカ人に絞られることになる。


私はなぜか、ベーシストにジャコパ・ストリアスのハーミニクスの影響を

垣間見てしまったのだが、やはりこれも本当のところは分からない。



このライブを最後にベーシストは脱退したようだが、いろいろな

事情はあるにせよ、惜しい話だと思うくらい、ドラムスとの息が合っていた。


ギターは、エフェクターの使い方が独特だった。

タイトなベースとドラムスの

重量感から良い意味で解放するような、空間をもたらしていた。


ある種の音楽家の間では話題となっている武田理沙にも注目していた。


ところが、キーボードの音量が小さいためか、バッキングの和音の音が

まったく聴こえなかった。

しかし、途中でレゲエのリズムになり、武田理沙がソロを取った時は

面目躍如の感があった。



本当に独特のリズム感だった。敢えて引ききらずに、十分な間のあるソロだった

が、ここでは音を出さないなあ、というところで音を出し、ここで音を出すだろう

というところで音を出さない、何といって良いか。リズムの捉え方が

他の人とは違うものが感じられた。決して破綻しないうえ、次はどうなるのだろうか

という風に期待させるような演奏だった。

石原雄治+エリヲ 元住吉・Powers2

4月20日 石原雄治+エリヲ

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大島輝之のライブ活動休業宣言には驚いた。

その後に発表された元住吉・powers2での

simのライブは、石原雄治+エリヲ、Argonautsのスリーマンだった。

体の調子は良くなかったが、仕事帰りに駆けつけることにした。

最初に演奏した、石原雄治とエリヲは、liiilのリズム隊なのだが、

Duoは何度かやっているのではないだろうか。

期待に違わない演奏を聴くことができた。

エリヲのパーカッションを聴くのは二度目だったけれど、何といったら

良いのだろうか。神出鬼没というか、脱セオリーというか(もちろん

パーカッションの理論など分かるわけがないのだが)。

そこにうまい具合に、石原が絡んでいくのは、とても楽しかった。

スネアハイハットにこだわり続ける石原のパーカッシブなドラミング

liiilでも聴くことができる。

的外れなのかもしれないが、スライ・ダンバーのような感じにも聴こえるし、的確な表現が見つからないのだけれど、マイルスのオンザコーナーを聴いたときに感じるグルーブに近いものがあるような気がする。

2017-06-04

Neutrion 内橋和久 竹下勇馬 石原雄治

3月22日 千駄木Bar Isshee

内橋和久が、Tumoの二人(竹下勇馬、石原雄治)と新グループを

結成したことを知り、千駄木を訪ねた。

この日は、心身が絶不調だったので、正直なところ演奏を記憶することができなかった。

(といっても私の記憶は、音楽的な学理の裏付けも何もないものなので

あてにはならないのだが、ブログを書く以上は、記憶するという心がけ

を忘れないでいる)

ちなみに、この体調の悪さは、これからアップする二つのライブ鑑賞でも

あまり変わらず、結構きついものがあった。

次とその次のライブレポートでは、いつもよりも言葉少ないものとなるのだが、手を抜いたと思わないでもらえれば幸いです。


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二つだけ記憶に残っている場面があった。

ひとつは、内橋和久と竹下勇馬が低音で爪弾いて、かなりな程度に音が

被るところだった。同じ弦楽器であるギターとエレクトリックベースの場合、音が被らないように意識している演奏家は多いと思うが、この二人は自然発生的な趣きだった。



もうひとつは、石原雄治のドラミングだった。これまでに聴いたことがないような相当パワーがあるドラミングだった。

スネアでリズムを刻む際には同じ拍数で、ストローク数を変えており、数えるとそのたび毎に数が変わっていた。




ともかく、黙って音楽に身を委ねたら、とても心地良かった。






観客は、音楽家と音楽関係者、ヘビーリスナーと思しき方々だった。もっと

いろいろな人たちに聴いてもらいたいと思っている。

6月19日(月)に同じくBar Issheeで2回目のライブがあるそうです。

2017-06-03

Billows of Blue

ずっと仕事が忙しいうえ、体調が優れなかったため、更新できないままでおりました。

その間、訪問してくださった方々にお礼を申し上げたいと思います。




今回は、初めて新譜のCDについて書き綴りたいと思います。

蓮見令麻 Billows of Blue(Ruweh records)


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Ruweh recordsは、蓮見令麻が主宰しているレーベルで、今のところ4作品をリリースしており、最新作のこの作品は、蓮見令麻自身の初のピアノトリオ録音となっている。


アマゾンでの取り扱いがないレーベルのため、新宿のディスクユニオンまで足を運んだ。

店に到着してすぐに、目当てのCDが見つかった。



CD棚に目を向けると、ジム・ホールとレッド・ミッチェルデュオ作品があった。スイート・ベイジルのライブとある。

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スイート・ベイジルは、ニューヨークにかつてあったジャズのライブハウスで、ギル・エヴァンスのマンデーナイトオーケストラが毎週出演していたことで知られている。買収される前から日本の資本が入っていたと聞いていたが、本当のところは分からない。日本の資本が入ってたとしたら、その目的は不遇だったギル・エヴァンスオーケストラ支援のためだったと思う。


実は、1987年に、このスイート・ベイジルでジム・ホールを聴いたことがあった。また、ジム・ホールとレッド・ミッチェルの組み合わせは、通の人からは良い評価を得ているため、このCDも購入することにした。


ここ最近、新宿のディスクユニオンでは、デレク・ベイリーの特集をしていて、IncusやTZADIKの作品が陳列されている。新譜が出たときに買いそびれた、”Standards”(TZADIK)を購入した。


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以前の記事でも触れたが、デレク・ベイリージム・ホールを敬愛していたそうだ。デレク・ベイリーがフォービートを演奏した作品があり、その演奏にはジム・ホールの影響が色濃く表れている。

このため、最初から、二つの作品の相似性は期待しないままに、ジム・ホールデレク・ベイリー二人の作品を購入した。


もちろん、蓮見令麻の新譜も一緒に。



この日は、記憶が正しければ、4月の初めくらいだった気がする。ちょうど、美術館紹介の仕事をしていた時期で、取り上げた作品はモダンアートではなくそれ以前の美術が主だった。その影響が感じられるCDのセレクトだったと思う。


スノッブを気取るわけではないことをお断りしておきたい。




ディスクユニオンを出た後は、近くの新宿タワーレコードを訪れた。


クラシックの売り場がある9階に直行すると、試聴コーナーに、ポリーニの新録が置いてあった。このショパンの後期作品集を試聴してみた。とてもよかった。私自身、ポリーニの作品は何枚か持っているのだが、最近の作品は聴いたことがなかった。だいたい、1980年代から90年代くらいの作品が中心で、どれも彼の完璧さが良く表れているものばかりだ。この新譜は、全盛期のころよりも技術的には劣るような気がするが、技術だけでは語れない何かが強く感じられた。だから、聴いてすぐに購入を決めた。


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顔を上げると隣の列の試聴機があった。そのうえに、かなり大きめの広告ボードが飾ってある。

安田謙一郎「3つのコラール」とある。本能的に試聴機に向かって、実際に聴いてみた。

最初は、ヒンデミット無伴奏チェロソナタ作品25-3だった。衝撃的だった。


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この作品も購入をすることにした。


帰宅して、購入した順番でCDを並べた。そして、順番に聴いていった。


蓮見令麻の新譜は、まったく遜色のないでき上がりだった。これがすべてを物語ると思う。

2017-03-05

巨星墜つ

生悦住英夫氏 2月27日逝去


初めてモダーンミュージック・PSFの門を叩いたのは、2003年の秋口だったと思う。


並み居る常連客の中にあっても、分け隔てなく接してくれたのを今でも良く覚えている。




生悦住さんからは、本当にいろいろなことを教えてもらった。


行けば必ず2時間くらい、お話を聞くことができた。





灰野敬二、今井和雄、HIGH RISE、三上寛工藤冬里、工藤礼子、友川カズキ白石民生、数えればきりがないほど、素晴らしい音楽家たちについてのエピソードを語ってくれたものだった。




当初は、ジャズ色が強いブログを書いていた私が、次第に方向転換し現在に至った、そもそもの発端は、生悦住さんとの出会いにあった。




私が所有しているアヴァンギャルドミュージックの音源のほぼ100%は、明大前のモダーンミュージックで購入したものだ。





お店に通い出した頃は、ちょうど高柳昌行の再評価の機運が高まった時期にあたり、高柳昌行生前のエピソードをしばしば聞かせてくれたものだった。





2005年のことだっただろうか。

浅川マキが所属していた、東芝EMIが、英国EMIに買収されるという話が持ち上がっていて、この買収劇を生悦住さんはとても気に掛けていた。というのも、浅川マキのレコーディングは、相当な手間と資金がかかるので、買収先の英国EMIが契約を打ち切るのではないかと心配でならないようだった。 ※関係者の尽力もあり、契約は継続された。







ライブ会場でばったりとお会いしたことが2度ほどあった。



最初は、荻窪ベルベットサンで開催された、井野信義、今井和雄、千野秀一の初共演ライブだった。


そして、2回目は、PSFが主催した、成田宗弘・山本達久、今井和雄・吉田達也それぞれのDuoライブだった。






終演後に、私が「すごいライブでしたね」と話しかけると、生悦住さんは、「ああ、そう」と軽く相槌を打つだけだった。






明大前のお店を閉める日に挨拶に行った時は、「近いうちにキッドアイラクホールの前に店を開くので来てもらいたい」と話していた。




翌月、お店を訪ねようとして、見当をつけた場所に行ったが、店はどこにも存在しなかった。





お店の存続については、当時職を失っていた私にとっては如何ともし難い問題だった。





実は、一度だけ、PSFが発刊していた、「G-Modern」に記事を書いたことがあった。モダーンミュージックに勤務していた黒田さんが推薦してくださり、最終的には生悦住さんが許可して掲載されたものだった。



結局、私はこのときのご厚意に、永遠に報いることができなくなってしまった。




今でも思い出すことばがある。



インストの即興も良いけれど、最後は歌だよ」




聴くのを薦められたのは、田端義夫船村徹だった。






惜しげも無く授けていただいた貴重な助言や示唆を、しばらくの間は反芻してみたいと思う。





生悦住さん、本当にありがとうございました。


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