「天国」 神保町 試聴室 ② 山本精一
















この日の白眉は、山本精一のソロだった。



エレキギターを手に、歌を唄った。


以前レポートした山本精一のソロは、アコースティックギターだったが、
今回はエレキギターだった。


「同じ歌を唄ってここまで違って聞こえるのか」
と素直に驚いた。


牧歌的なフォークソングが、エフェクターのギターでまったく違った次元へと誘う。

けれどもそこにショーアップの類の作為はない。


山本精一のギターは、一聴すると退廃的なのだが、聴いているうちに
昇天するかのような活力がある。とても不思議だ。

これは、語るべき音楽ではなく、真に聴くべき音楽の証左なのだろうと思う。