toonice2018-02-12

映画の仕事がひと段落して、
家で漫画や本を読んだり、音楽を聞いたりしている毎日なのだが、
びっくりするほど人と会っていない。

最近会っていないあの人に連絡をとってみるか、と思うのだが、
連絡をするという行為に至るまでに数日、その後日時や場所を決めたり、
当日の天候、体調のことを考え出すと億劫な気持ちが徐々に勝り、
結局誰とも会うこともなく日々が過ぎていく。

と下高井戸の珈琲館で思っていた。


最近はあまりMVを作ることがなくなったのだけれども、
スカートのビデオだけは特別だ。




孤独なことではなく、孤独でいることは美しい
これは真実なんだなと思いました。

toonice2016-05-08

2016年になり、
去年の仕事を引きずったまま、冷たく重たい年明けを迎え、
誰にも会わずに家で編集作業をしていた。

一昨年あたりから、大根仁監督の映画の編集という仕事をさせて貰ってるのだが、
編集技師であるという実感もあまりなく、
ミュージックビデオの監督としてもそこまで確立している訳でもなく、
自分の居場所がどこにもないことへの不安がどんどん募って、
元旦なんか大雨でも降れば良いなんて思ったけど、
やはり快晴な訳で仕事をする以外にやることがないんだな、、、


1/18くらい

大根仁監督の「バクマン。」という作品で僕は編集を担当させて頂いたのだけど、
なんと日本アカデミー賞優秀編集賞を受賞したと連絡が来た!

五反田で編集作業が19時くらいに終わり、
呆然と駅の改札を抜けてホームへ進んで電車を待っていたのだけれど、
なんだか勿体ないと思い、来た道を戻り五反田の名店酒田屋に入り一杯飲んだ。
五反田駅のホームは街を見下ろせる構造になっており物思いに耽りやすいのだ)


1/30くらい
映画の仕事の合間を縫って完成したceroのDVD「Obscures」
昨年の3rdアルバム「Obscure Ride」のツアーのドキュメントとファイナルZEPP TOKYOでのライブの二枚組。
cero素晴らしい!

五反田の三弘亭の豚丼は最高!

http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13142839/



3/4
日本アカデミー賞の授賞式に出かける、、、
スーツを仕立てた。
なんと、、日本アカデミー賞最優秀編集賞を受賞してしまった。
とにかく記憶が全くない、、
こんなポっと出の僕にこんな賞を与えてしまって大丈夫なのかと心配するくらい
映画界に馴染んでいないので、賞を頂いた嬉しさより、
これからの不安や恐怖の方が勝ってしまいなんともいえないまま帰宅。
家に帰ると自宅の大部分を埋め尽くすほどの花が届く。
毒薬を飲んで死んでしまおうと思うくらい非現実、、、
ありがとうございます。


4/16くらい
ASIA FILM AWARDというアジアのアカデミー賞と言われる映画祭?に
編集賞でノミネートされる。
マカオへ。

高級ホテルで部屋がもの凄い豪華で広かった、、、
コミュ障なのでホテルから出ずに過ごす。

ほとんどの賞をホウシャオシェンの「黒衣の刺客」が受賞していた。



30代も後半に差し掛かり、
今までの仕事のスタイルだとこれから先また壁にぶつかることを予測していたので、
別の道を用意してくれた大根監督には感謝しかない。


自分はMUSIC VIDEOを作ることを生業にしてきた訳だけど、
自分が本当に満足の出来るものを作れたと言える作品は多分数本かと思う。
それはそのバンドなり、曲なり、自分の状況だったりに対する思い入れと比例している。
たまに思い入れが強すぎて空回ってしまったこともあるが、


そんな思い入れと曲が相互作用して素晴らしい作品が出来た。
スカート『CALL』



スカート澤部渡くんは「菫画報」「神戸在住」という
生涯ことある毎に何度でも読み返すであろう漫画を教えてくれた大恩人なのだ。


自分が作る意味があったりなかったりする、仕事としてのビデオではなく、
素晴らしい「CALL」という曲と澤部渡という人間に対して、
自分なりの心を込めたお返しが、このビデオで出来たら嬉しい。



三浦透子さんは市川実日子さんのように、
影のある透明感があって、今の芸能界では希有で素晴らしい女優だと思いました。


『CALL』人生の中で事ある毎に聴くと予想されるアルバム。

toonice2015-04-29

最近の仕事を振り返る

webの更新はなかなか大変なのです、ニパーッ!


cero『Obscure Ride』予告



ceroは本当に素晴らしい。
心地よさから一歩どころか二歩も三歩も踏み込んだ音楽…
とりあえず初回限定CDにつくライブDVDを作らせてもらっています。

2015/5/27発売



吉田一郎『暗渠』

『あぱんだ』



なぜ知り合ったのかあまり憶えていないけど、
随分前から知り合いのZAZEN BOYSのベース吉田一郎君のソロ。

ソロ音源が出来たのでMVをお願いしたいのですが言われて、
音源を聞いてみたら素晴らしくて、是非作らせて下さい、
と言って出来たビデオ。撮影はMINORxU君。
内容は一郎君と一緒に考えたので半分人間ならぬ半分監督。

2015/5/13発売



FRONTIER BACKYARD
Documentary DVD『Surroundings』


FRONTIER BACKYARDの結成10周年に合わせたドキュメンタリー、
僕がFBYと関わるようになったのはここ4年くらいなのですが、
知らないことだらけというか、大先輩すぎて、
僕の思うように作っていって大丈夫なのかという
自問自答に主に時間を割いてしまって、すみませんでした。




the chef cooks me『Paint it blue』


マイメンのtccmの新曲。
これは撮影を安田光さんという方にお願いしたんだけど、
すごい良かった。
僕が大好きな90年代初めの日本映画のルック。
これだよ、これーみたいな感じで良いビデオになりました。
本当に良い詞世界の曲です。



GRAPEVINE
LIVE DVD『IN A LIFETIME』

エムオンの名盤ライブという番組からの完全版DVD。
最初この『LIFETIME』というアルバムを知らなかったのですが、
おなじみの「スロウ」「光について」「白日」など超名曲が入ったアルバムなんだなー
と思って聞いていたら金延幸子の「青い魚」が入っていて
この超名盤と言われたアルバムにこんなにも渋好みなカバーが入っていて
さらにGRAPEVINEが好きになりましたとさ。


昆虫キッズ『WIDE』



すごい好きなバンドでした…





EGO-WRAPPIN'『Neon Sign Stomp』



まさかEGO-WRAPPIN'のビデオを撮れる日がくるとは。
(ドラマリバースエッジ大川端探偵社オープニング)
生きてて良かった…



ドラマ24『リバースエッジ大川端探偵社』
オープニング演出&編集


大根さんいつもありがとうございます。
3話「ある結婚」が素晴らしすぎて編集しながら泣いちゃったりして、、、


マキシマム ザ ホルモン予襲復讐



大根さんいつもありがとうございます。
大根仁監督、僕、もがりまさひろさん、上田大樹さん、easeback中島さん、
DEVICEGIRLS和田さん、ニイルセンさん、大原大次郎くんの壮大な合作ビデオ。
僕は体育倉庫シーンとプールシーン演出です。



映画『恋の渦』編集 / 撮影



初めてのドラマ編集、大根さん色々ご迷惑をかけました…



書き忘れてるものがたくさんある気がするけど、、
こんな感じです。

toonice2014-09-30

小栗康平監督の新作がクランクインしたらしい。


http://oguri.info/


前作「埋もれ木」から何年待ったことか、
当時「埋もれ木」公開時、映画館に鼻息を荒くして向かった記憶がよみがえる。
小栗監督は69歳、あといくつの作品を目に出来るのか、
ひょっとして最後になるかもしれない。
何があってもいつか作品に参加したい。


自分の尊敬するひと、大好きなひとたち、誰にも死んでほしくないし、
自分も死にたくない。

toonice2014-09-11

Mr. Anymoreというイベントの4回目をやることにした。


場所は阿佐ヶ谷のRojiというバー。
Rojicero(2010年以降出会えてよかったランキング1位)というバンドのボーカル高城くん親子が経営するバー、そこで開催することにした。


吉澤さん(ヨシザワモーリスマサトモという名前でYOUR SONG IS GOODというバンドでギターを弾いたり、作曲をしたりしている)のソロを定期的に演奏するイベントとして僕の中で始まったイベントなのだが、途中仲の良いCOMEBACK MY DAUGHTERSの高本さんもレギュラーメンバーになり、毎回ゲストを呼んで、、、
まあ自分なりの筋の通し方というか、自分の中でその人となりを知っていて、さらに素晴らしい音楽を作っている人という選別をしているのだけれども、


今回のゲストHara Kazutoshiさんのライブはみたことがない…
楽家としての一面はCDを聴いただけという自分ルールをはみ出たような気が若干するけど、
ちゃんと呼んだ理由がある。
cero高城くんが原さんの名曲「楽しい暮らし」は阿佐ヶ谷のテーマソングだと言っていたのを
なるほどと思ったりと、、

しかしなんと言っても一番の理由は出身中学が一緒だということだ。
そのことを最近まで知る由もなかった訳だが、、、
僕は大学以前のことは思い出したくもない、地元という感覚をずっと封印していたのだが、

ある冬の夜ほぼ初めてRojiに行った時のこと、
回りに人はたくさんいたが、一通り会話が落ち着いて皆ぼうっとテレビをみていた。テレビからは南米のアート感のあるポルノ映画みたいなものが流れていた。
内容は美しい未亡人が多分高校生に性の手ほどきをするといった内容で、
その未亡人が自分の性器を自分の卒業した学校に例えていて、
「私の聖〜にいらっしゃい」とセリフを喋っていた。

隣に座っていたパっと見真面目そうな青年が「じゃあ僕の性器は都和中学か…」と呟いたのを聴いて、一瞬聴き間違いかと思ったのだけれど、「都和中学って茨城の土浦のじゃないですよね…?」と聴いたら、「そうです…」という返事、なんと出身中学が同じだったのだ。
年齢も二つ違いなので同時期に通っていたことになる。


土浦は東京が地味に近すぎて文化が全く育たない土壌、
ヤンキーとギャルと風俗とヤクザと暴走族とヘドロの浮く日本で二番目に大きい湖があるだけの町。


もはや空想の町と化していた自分としては、この奇跡に出会いの嬉しさよりもあんな町で育った人間は、自分も含めロクな奴ではないと思っていたり、忘れていた町の記憶がふいに呼び起こされてしまって、その日はうまく話せなかったような気がする。



音楽をやっていると聞いたので、
その後原さんのCDを聴いたり、Rojiでたまに会うようになるのだが、
音楽も人柄も普遍的な魅力を持っていて驚いた。
単純に素晴らしいと思った。


90年代後半から、隣のつくば市の急速な発展によって、
瞬く間に廃れていった町の風景は、本当になんとも言えない空っぽの感情しか残さない。あの時代、同じ景色を見て生活し、さらに現在もの凄く近い場所で歌っていた原さんには俄然興味が湧いた


僕が高校生くらいの時、よくカツアゲされたモール505という商店街にあるCD屋で"思い出波止場"とか予約注文をしていたのだが、時を同じく原さんはPavementとか予約注文していたというエピソードが一番笑った。

まだまだ書きたいことはたくさんあるのだけれども、
Rojiでなにかやるときは原さんしかいないなと思っていたので、
吉澤さんと野村さんと高本さん目当ての人も楽しみにしていてください。

特に吉澤さんと野村卓史くんのデュオはここでしか見れないので是非!



Mr.Anymore vol.4

2014/9/25 (thu)
at 阿佐ヶ谷Roji
東京都杉並区阿佐谷北2丁目13−4

OPEN / 19:00
START / 19:30


TICKET
\1500 +1Drink

吉澤 成友(葛生 / YOUR SONG IS GOOD
guest 野村 卓史(山口 / GOOD LUCK HEIWA)

高本 和英(福岡 / COMEBACK MY DAUGHTERS

Kazutoshi Hara(土浦)


info.yasuyuki.ozk@gmail.com

予約まってます。


ゲラーズをバックにうたう原さんの「楽しい暮らし」最高です!