隷属への道、リスク・不確実性および利潤

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

自由への希求を促すため、社会主義をあえて徹底的に批判する書。これを読んだ人々、特にハイエクに師事していた人々は、何かの宗教に迷いこんでしまったかと錯覚したという。そのため当初、フランク・ナイトはこの著作の出版に難色を示したという。ナイトからすれば、あまりにも偏見が過ぎていたからだろう。
しかしハイエクはなぜ過剰なまでの警告を綴ったのか、、、その真意は自由への信仰心が薄れ社会主義へ傾斜していることが根底にあり、たとえ強引であってもその必要性を感じていたからだろう。
いま先進諸国を見る限り、そのハイエクの狙いは現代において正しかったと思われ、結果としてその衝撃は弱いように思われるが、それは、まだまだハイエクを知らぬ人が多いというだけだろう。
社会主義に傾斜する現代、この過剰な著作は解毒作用を期待できる。


危険・不確実性および利潤 (1959年) (現代経済学名著選集〈第6 明治大学経済学研究会編〉)

危険・不確実性および利潤 (1959年) (現代経済学名著選集〈第6 明治大学経済学研究会編〉)


フランク・ナイトを知らぬ人は多いと思う。しかし、本国ですら彼の名は知れわたっていない。だが、思いつくだけの高名な学者に自分も肩を並べることは出来ると考えるが、ナイトにだけはなれない。ナイトは天才と言っていい。という高名な学者は多いという。
そんなフランク・ナイトは、シカゴ学派創設に携わった人物であり、彼が世に送り出した誰しもが知る高名な学者としては、フリードマンサミュエルソンがいる。もちろん、これだけではなく、スティグラーやブキャナンらもいるのだが、名前を書き連ねるのは趣味ではないので、興味がある方は検索でもしてみてほしい。
ところで、学者の間ですら天才と言われる彼が、なぜ、世間での知名度は低かったのだろうか。
それは、彼のほんの一部に触れてみれば瞬時に理解できるだろう。彼の議論は、あまりにも難解なのだ。哲学的な議論ともなれば、なおのことである。
この著書は主に、リスクと不確実性、その利潤を追求したものであり、その議論は、特に現代の経営者には学ぶべきことが豊富に含まれている。企業家として持つべきものは何かを、はっきりと示してくれることだろう。
また同時に、不当な要求を続ける労働者にも、現実を理解する一つの教科書としてきっと役に立つ。金持ちが金持ちである理由が理解できるからだ。もっともそれは、ナイトの議論についていければの話であるが、、、
しかし残念なのは、この本が希少なため高額であり、それは訳本も同じであることだろうか。


此方は本の紹介が主ですが、アメブロでは未熟ながら政治や経済を扱っています。⇒ http://ameblo.jp/toradx3/