2018-02-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 魚のやうに 伊波虎英 現実がひだり耳から押しよせる断線したるイヤホン越しに 誰かれを呪はぬためにくだらないテレビに日毎ばか笑ひする 菅野美穂の笑ひ袋が欲しわけもなき哀しみの日々につのりて わが指の魚のやうに冷たくて触れたきものに触れられぬ夜 透明なクリアファイルの重なりにへだたる書類と書類の文字よ 少々の暴力ならば愛の名のもとに許さる愛はおそろし 恐らくはないのだらうがあるやうに思はせてくれ横綱の品格