『The Great Turkish War: The Balkans 1683–1699』は低・中難易度の2人用戦略級ゲームで、17世紀後半の神聖ローマ帝国の最東端、 バルカン半島をめぐる戦いをテーマにしています。1683年、オスマン帝国はウィーンに対する最後の大攻勢を発動しました。 ポーランドと帝国からタイミング良く現れた増援のおかげで攻城戦は失敗。それからの数十年間、神聖ローマ帝国とロシア、ポーランド、 ヴェネツィアは、依然強大なオスマン帝国とバルカン半島とエーゲ海で火花を散らしました。より良好なリーダーシップと軍事的な進歩により、 オーストリア軍はオスマン帝国に決定的な敗北を何度も与え、オスマン帝国領ハンガリーの大部分を征服しました。それまでの数世紀で初めて、 トルコ人はヨーロッパで戦略的な退却を余儀なくされたのでした。
Decision Gamesの雑誌ゲームにありがちなルールの抜けが多いので、BGGの質問を頼りに3ターンまでプレーしました。
上記ゲームの説明の様にウィーンの直ぐ隣に大部隊を配置可能なので、ウィーン包囲を行います。
軍略マーカーは各ターン4枚ずつ引きます。
この引く順番等は既定がないのですが、ターンによってはマーカーが足りなくなって4枚引けない場合が出てくるはずなので、主導権プレーヤーが1枚引いたら次は非主導権プレーヤーが引くとしたら良いと思います。
因みに第1ターンの主導権プレーヤーはトルコと決められています。
上の写真で上が神聖ローマ帝国、下がトルコ側が引いたマーカーです。Flintlock&Bayonetが引かれていて、オーストリア、ザクセン、バイエルン、ブランデンブルクの戦列歩兵ユニットは、リニアCRTで2倍に数えることになるので、野戦で威力を発揮します。
野戦には戦列歩兵や砲兵が多いと戦力が有利になるリニアとイエニチェリや騎兵が多いと戦力が有利になるショックの二つの戦闘結果表があります。
1ターン終了時。
ウィーンに対して包囲(包囲の定義がありませんが、要塞内の部隊と同一ヘクスに敵部隊がいる状態としてプレーしています)強襲をかけました。
要塞ヘクスでは攻城戦を行いますが、攻城戦は攻城防壁(損耗で-1DRM、救援作戦で4ヘクス以内にいる味方部隊が任意に野戦に参加できる)と強襲の二つのどちらかを行えます。また、攻城兵器を有した部隊のみが無人のヘクスを含め攻城戦が可能です。
要塞ヘクスにはユニット7個のスタック制限がかかるのですが、要塞内外の既定がありません。
要塞ヘクス以外がスタック無制限なので常に籠城するのでなければ内外の違いを付けるべきと、敵が同一へクス内に入った時点で内外の部隊を分けて宣言するとしてプレーしています。
大部隊が消耗する前に救援作戦で集まってきた神聖ローマ帝国軍を叩くという手もあるのですが、今回は、Flintlock&Bayonetマーカーが早々に引かれているので、強襲を行いました。が、2度の強襲も失敗。オーストリア軍は無傷でした。
作戦行動は2d6にダイス目修正をかけた数字を元にそれを消費して行います。
例えばウィーンに対する最初の強襲では、敵支配ヘクスに移動+1、山脈越え+1、敵と同じヘクスに進入+1、強襲+2と計5OPが必要でした。
神聖ローマ帝国は、ウィーンの隣の要塞にいた部隊が攻城兵器を有しており、トルコ領に進入、トルコのウィーン包囲軍は迎撃判定を行うも失敗、街に続いて無人の要塞も強襲して落とす大金星を上げます。
ポーランド軍の東部部隊は、トルコ軍の攻撃で壊滅。トルコ軍は都市ヘクスに部隊も残さずに領内に戻った為に、ポーランド軍が移動して支配を取り戻しています。
2ターンの主導権(双方1d6で数の大きい方が主導権)は、神聖ローマ帝国に。
軍略マーカー。
このターンの財政フェイズに「フランス軍の攻勢(大同盟戦争?)」を有効にしましたが、軍略マーカーの効果は、引いた側に適用となっていて、フランス軍の攻勢という要素はトルコだけど、このマーカーの効果は帝国議会でのTP判定時に-3DRMという神聖ローマ帝国へのものなので、この適用は間違いだった?
これ、プリンツ・オイゲンがトルコ側に引かれた場合にマーカー引き用のカップに戻さなくて良い様なところとか結構疑問があります。
カードのように相手に不利なものを使うっていうのと違うのも間違いやすそう。
どっちに効果があるか一覧表を作ってプレーするのが無難かと思います。
あと、赤丸のついた直ぐに使うマーカー以外で自陣営に使えないものは双方のマーカー引きが終わった時点で返すというハウスルールでプレーしております。
引いたDiplomacyマーカーを使って同盟になったロシアが参戦。
2d6で11が出て、OP使いまくりでクリミア地方を占領。
中央部で南下したポーランドの攻勢は失敗に終わります。
因みにトルコ帝国の中央、東部は要塞が無く、イスタンブール近郊まで長駆できそうですが、ポーランドとロシアには攻城兵器がないので、要塞ヘクスのイスタンブールを落とすことはできないので、そこまで神経質になる必要は無いようです。
ただ、消耗判定時の補給源なのでダメージはあります。
ウィーン包囲部隊に6ゾロが出て、OP13で6回もの強襲でついにウィーンが陥落したかと思ったのですが、その2回前(4回目)のR+(撃退)で防御部隊の半数と同じ数の損害を受けた時点で攻撃は中止なんだろうな・・・
この欄は再度攻撃するにはOP2消費とか書かれていないし、撃退というのならOPの残があって終わりなんでしょうね。
早々に5か6が出たら歴史が変わったのに。
前ターン金星を上げた神聖ローマ帝国の部隊は南下してトルコの要塞を包囲しますが、これを落とすことには失敗します。
プラハから出撃した部隊は、ウィーンから2ヘクスの要塞ヘクスに陣取りウィーン解放に向けて兵力の増強を待ちます。
クリミアと、ロシア領にトルコが同じ事をして逆占領をかけます。
要所には1個でもユニットを置かないとと反省しきり。
第2ターン終了。
ウィーン包囲は、このターンまでか。
包囲軍、損耗判定で4ユニット溶けて、あの大兵力が半減してしまいましたorz
第3ターンも神聖ローマ帝国が主導権を取得。
戦略マーカーの写真を撮り忘れましたが、Diplomacyを引いたトルコがロシアの中立化に成功します。
外交、主導権プレーヤーが先に行ってとなっていますが、非主導権プレーヤーが外交に成功した場合に主導権プレーヤーがDiplomacyマーカーを持っていた場合の規定がないですが、これは可能としてプレーします。
あと、大問題なのが、同盟から中立に戻った場合の被支配地域と部隊の扱いが規定されていないこと。
今回、支配地域の変更は無し、クリミアは双方が都市を支配して支配が確定していないので、トルコが支配変更しても良い、ロシア部隊は支配地域ならどこでも配置換え可能としてプレーを続けますが、ルールの抜けが多くなってきて疲れてきたので、プレーはこのターンまでにすることに。
あと、中立侵犯ルールがあるので支配確定していない中立国の本土エリアからは部隊が撤退しないと駄目なはず。
BGGに質問をあげるにしても、英語ルールブックが公開されていないので手打ちしないと駄目なのがしんどいし、多過ぎですorz
神聖ローマ帝国の部隊がウィーン包囲軍に野戦をしかけます(画面中央が双方の部隊)。
ただし、この戦闘の主導権はトルコが取って、神聖ローマ帝国が選択したかったリニアではなく、チャージ戦闘結果表を選択されてしまいトルコ軍より小戦力となってしまいます。
ルールに攻撃側が小戦力の場合の規定がないのですが、BGGに質問が出ていますがYes NOの回答が無く、システムの解説をしているのですが、質問者の戦闘結果表のユニット差1の欄を1以下を含む(>=1)ものとして1ユニットと20ユニット(-19)でもこれを使うので良いのかという質問通りと解釈してプレーします。
結局双方1ユニット除去の凡戦で終わりますが、後方を脅かされつつあるため部隊の立て直しの為にもトルコはウィーンからの撤退を選択します。
因みにトルコの4ユニット以上の部隊(大宰相が指揮していない部隊でも)がDV+Sの戦闘結果を受けると懲罰の為に大宰相ユニットが除去(処刑)されます。
ポーランドは攻勢を成功させ、自国領内からトルコ部隊を排除します。
神聖ローマ帝国の部隊は先のターンに包囲した要塞を陥落させます。
クリミアはトルコが取り返し、トルコは次ターンの補充で態勢を整えることにより再起を誓います。
第3ターン終了。
クロワッサン美味しいです展開でウィーン包囲から神聖ローマ帝国の反撃とかなり史実ぽくなりとても楽しいです。
第1ターンに強襲でウィーンが落ちる確率が3分の1位あるので(OP不足で攻城戦ができない可能性もありますが)、劇的展開もありえます。
ここまでプレーした感じではとても面白い。あとは、ルールの補充と明確化さえあれば。
まあ、BGGの回答と今まで書いたハウスルールでほぼプレー出来るはずなので、最悪ソロ専用なら問題なしですけどね。
でも、プリンツ・オイゲンが出てくる10ターン以降まではプレーしたかったのですけどね・・・
海外のウォーゲームをプレーすると国産ウォーゲームのレベルというかデザイナー氏の資質の高さを感じられて、ありがたさを感じる結果になりがちですね。
一方海外の方は、またルールの添削かよってなりがちで円安で高くなっているだけに結構悲しいです。
とはいえ、大トルコ戦争なんてテーマ、国産じゃまず出ないでしょうから、なんとか質問をまとめてちゃんとプレー出来る様にしたいです。
(追加)
修正など(あくまでも私見)
マップ:オスマンの部隊ボックスの一つをOttoman Force1から2に修正。
和訳ルールブック
8.2.1
● オスマン帝国のTPはオスマン兵ユニットの動員にのみ使用できます。
動員→徴兵
12.1:[?+1は誤りと思われます]は、削除。
表(+1)と裏(+0)で指揮値を使い分けるから。?は名無しってことでしょうね。
「ユニットは常にユニットと」→「リーダーは常に」
オーストリア軍部隊マーカーの修正は、裏面を見て2のに合わせると良いかと(修正せずに裏面を使うでも可)。
13.7 インノケンティウスの死
帝国議会のTP判定時に-3 DRMを適用します。→TPが1減少します。
(4TPが3TPに減少ってことだと思われます。)
13.12 オスマン=ヴェネツィア戦争
「エスマン帝国」→「オスマン帝国」