チームのファイアウォールになれるか

チーム開発継続中…。これが本当のサマーウォーズ、というワケのわからないセリフがまわりで流行っています。夏休みはありませんがワタシは元気です。あいかわらず、一応、リーダー係です。

お盆の間に学んだことをメモ。

業務遂行に学習が必要なら、そのための工数を確保すること

顧客から「今のやり方じゃなくて、他の効率よいやり方調べてさー、ちゃっちゃと片づけちゃってよ」なんて軽〜くいわれたら、殴る…じゃなくて、調べるための時間をもらう。

顧客に言われるがままに担当者に振らない。もとの工数に収まるように、調査をしつつ作業もしろというのは無茶だし、担当者も嫌がる。

担当者は、調査や勉強をしたくないわけではない。むしろ、業務の中でスキルアップしたいと願っている人が多い。ただ、本来の作業用の工数で、同時に調査もこなせといわれるのがイヤなだけだ。

だから、効率のよいやり方を探すことに顧客がこだわるならば、調査用の工数をもらってくる。担当者に新たな仕事を渡す時は、工数も一緒に渡す。

計画変更の可能性に対して、顧客の合意を得ること

顧客側の作業の遅れが原因で、スケジュールどおりに進むかアヤしいとき。顧客に「こういう条件なら間に合います。そうでない場合はスケジュールをあらためて相談させてください」と伝えて、合意を得る。

間に合わせるための条件は、顧客側の作業の影響を被る担当者に、直接確認する。担当者は、たいてい忙しくてイライラしている。そこへさらに「どうすれば終わりそうですか?」などと聞くわけだから、責めているように取られないように、聞き方には気をつける。

担当者から、「なんでそんな細かい見積りまで示さないといけないんだ」と反発されることもある。直接いわれなくても、顔にかいてある。そういう態度をとられるとツラいが、食いさがって聞き出す。最初に返ってくる見積りは、投げやりな場合もあるので、見積りの根拠も確認する。

あとは、その条件で合意をもらえるように、顧客との調整をがんばる。

余談

顧客に無事納得してもらえた後、そのことを担当者に伝えると、すごく安心した顔に変わって、喜んでくれる。担当者が犠牲になって顧客の遅れをカバーしなくてもいいんだと分かることで、モチベーションを取り戻してくれることもある。

最近、この流れが嬉しい。「あっちいけよ」扱いから、「へーちゃんと交渉してきてくれるんだ」に変わるのが、ちょっと快感…(変態?

担当者にしてみれば、設定が面倒で使えんと思っていたファイアウォールが、正しく設定したら不正アクセスをそれなりにちゃんと弾くのを見て、なーんだ使えるじゃん、と思い直すような感じなのかも。一度このやり取りがうまくいけば、次から担当者に「ちゃんと不正アクセスを弾いとくから、設定情報(=交渉に必要な現場の根拠)教えてくださいね」と頼みやすくなる。リーダー係がチームのファイアウォールになれるかどうかは、チームから正しい設定情報を聞きだせるか否かにかかっているのではないか。

もちろん、ファイアウォール単独の機能の良し悪しも大事だけど…。いまは交渉や調整をしやすい顧客相手だから、うまくいっている部分がある。攻撃が甘いから防御しやすいだけともいえる。

影響を受けた本

「計画変更の可能性に対して合意を得る」という行動をとるようになったのは、『アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~』のおかげ。まだあまり読み込めてないけど、影響を受けてる気がする。

そうしないといけないなーと薄々思っていた事項を、明瞭な言葉にして、提示してくれる本だと思う。