本に呼ばれて
今朝、とうとう『海炭市叙景』を鞄に入れることができた。
ある本を読みたくなる欲望は、なかなかコントロールできるものではない。
その本が欲しいという気持ちと、読みたい気持ちというのは、
隣り合っていながら別人らしい。
昨日、堀江敏幸を読み終えて、流れがぐぐっと、
小説のほうへとやってきたみたい。それも、
村上春樹のほうでなく、佐藤泰志のほうへ。
車中のとも。
佐藤泰志『海炭市叙景 (小学館文庫)』(小学館)
濃い。
「まだ若い廃墟」を読んだところで、本を閉じた。
いい。
読了。
鷲田清一『語りきれないこと 危機と傷みの哲学 (角川oneテーマ21)』(角川学芸出版)
梅棹忠夫さんさんはそのことを、「請われれば一差し舞える人物になれ」と言っていました。ふだんはフォロワーでいて、誰かに任せておけばいい。ただしその場合でもいつも全体をよく見ている、よきフォロワーであれ、と。そして「ちょっと、リーダーをやってほしい」と言われたときに、一定期間、一差しだけは舞える準備をしておきなさい、ということです。心しなければならない教えだと思います。(p.159-160)