僕は満喫した楽しい夜を、

メガネを曇らせながら小走り。
今日もギリギリ電車に乗りこむ。


車中のとも。
アニカ・トール、菱木晃子『海の島―ステフィとネッリの物語』(新宿書房


卒業。いろいろと胸がはずむことが続く。
もうすぐ読み終えてしまう。続きの巻も、
図書情報館にあっただろうか。借りねば。


こないだもらったバスの時刻表はどこへやってしまったろう。


などと思っていたら、突然の悲しい出来事に襲われる。
アニカめ、ホッとさせておいてギョッとさせるなんて!
などと電車を降りてからもプリプリしながら歩いていたら、
コンビニに寄るのを忘れてパンがない、
休憩ルームの自動販売機のパンを購入。


約束の時間が少し遅い。
さっさと退勤して梅田の本屋さんをいくつか、
という夢想は儚く潰えて、まだ間に合う、
まだ間に合うとするする時間を浪費する。


環状線の中で、『海の島』物語部分を読み終えてしまう。
訳者あとがきが残ったところで、もうすぐ大阪。
iPod に放り込んだままになっていた、
世田谷ピンポンズを思い出した。


僕は持て余した大きなそれを、

僕は持て余した大きなそれを、


1曲目、「早春」を耳に流し込みながら、
グランフロントへと歩いていく。
「珍しく洗濯をして」という詞に、
怠惰な自分が慰められた気持ちになる。
障子の張り替えというシーンに、
ショックを受ける。昭和か!


2曲めに突入する前に、横綱のあるフロアへ。
イヤホンをはずして、雑貨屋さんでポストカードを買う。
ここのポストカードは、けっこう好きで頻繁に買っている。
僕がポストカードを買うのは、とほんさんとここが多い。


さて、本屋さんだ。


とくに方針もなく、通路をうろうろしだしたら、
視界の端で不自然に動く何かを感じた。すぐに気づかなかったが、
とほんのスナガワさんが、手を振ってくれていたのだった。
おぉ!今夜は、「ゆっくり読む」の新年会なのだった。
スナガワさんも、早めに来て、本屋さんでしたか。
すでに「Re-Life Story」を見てきたそうな。


一緒に「BOOK MARK」のフェアなどを少し見て、
「また、のちほど」と別れる。BOOK MARK のフェアは、
冊子のバックナンバーを揃えて、それぞれで紹介されている本を集めるなど、
けっこうボリュームのあるものになっていた。壮観でした。


購入。紀伊國屋書店グランフロント大阪店。
伊藤比呂美父の生きる (光文社文庫)』(光文社)


BOOKMARK6号、ぶんこでいず最終号*1ももらった。
パナソニックセンター大阪は場所がわからないので、
「Re-Life Story」は、パス。ぶんこでいずをちらちら眺めながら、
エスカレーターで降りていく。ねこ村さんに幸多かれ。


ふたたび「僕は持て余した大きなそれを、」を再生。
「風」は、聞き覚えのあるような気がする。いい。
「ニューグランドカプセルルーム」は、初めてか。
「屁をひった」ではなく、「ひって」と、
連用形にしているところが印象的だ。
そして待望の「ホテル稲穂」が始まった。
しかし、それほど響いてこない。なぜだ。
とほんさんで聞いた時は鳥肌が立つほどに効いたのに。


紀伊國屋梅田本店も覗く。グランフロントで見つけられなかった、
伊藤比呂美の『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』が棚に差さっている。
こういう、よそでなかなか見つけられない文庫の棚差しは、
ニンマリしてぶつぶつ独り言を言いたくなるほど痛快だね。
でも、今日は買いませんでした。もう集合時間だ。


地下街の旭屋書店への道のりが分からずに凍りつくが、
奇跡的に地下への階段を発見して、小走りでインフォメーションに。
無事、方角を示されて見知った顔の並ぶ輪に加わることができた。
いつもの、というには久しぶりな面々と、
新しい人も何人か加わって、
楽しい新年会となる。


右利き・左利きの話に、陶然となる。
北村さんは、向こうで呆れかえっていた。
長谷川さんは、その隣りでにこにこ笑っていた。


この集まりではニューフェイスのひとり、1003の、ちおさんに、
こないだの、「読みたい本の話」のその後を聞いてみた。
『かなわない』、『死の棘』はともに日記なんだな、
という話から、公開前提の「日記」を書くこと、
数年に一度感想を書くほどの本にあたる話、
など思わず前のめりになって聞いてしまう。


非公開の、感想文、読みたいな。


22時くらいに、ひとり、
そそくさと帰るつもりだったのだが、
気づくと終電にギリギリの時間になっていた。
いや、気づかずにいて、スナガワさんに言われて焦った。
スナガワさんと、挨拶もそこそこに退散。またの機会を楽しみに。


近鉄線はもうないので、JRで奈良へ。
とほんさんでの「読みたい本の話」の話が、
少しふくらんで、安心。郡山でスナガワさんがおりてしまうと、
車内はがらんとして、じきに終点のアナウンスが響いていた。


読了。
アニカ・トール、菱木晃子『海の島―ステフィとネッリの物語』(新宿書房


訳者あとがきを、JR奈良駅についてから。
いつ、構内の電気がすべて消えてしまうか心配しながら、
そそくさと読み干して、タクシーを拾って帰る。

*1:ぶんこでいず(版元ドットコム:http://www.hanmoto.com/honya-osusume/bunko