中田の7シーズン

中田英寿が1996年ぐらいから見て、予想されていた約束されているように見えていた未来ではなく、いまの未来を選んだことで、何を失って、何を得たのか、そしてそれが中田英寿にとって差し引きプラスだったのかマイナスだったのかは、もうヒデの個人のことですから仕方ないんでしょうが、一日本のサッカーファン目線で見たら、寂しさの方が残るかなあ、結局ヒデってペルージャボローニャ、そしてパルマで一シーズンしかヨーロッパのチームでスタメンレギュラーとしてやってないんですよね、いくらスコットランドやオランダリーグのレベルが低くても、中村俊輔平山相太が名実共にヒデを越える日は近そう。いまの中田英寿は監督に我を通せるほどの選手ではなくなっているということを、自己認識して折れるところは折れてくれれば、良いように回るような気もするんですけどねえ……。「意外と黒子に徹する事のできる器用さも持っている」とは僕も思うし、彼は世界一のユーティリティプレイヤー柳想鐵に匹敵するぐらいの自在性が僕はあると勝手に思っているんですが、本人の指向性やプライドが可能性の広がりを自ら閉ざしているような気がずっとしていて、それが残念で仕方ないです。一回どっかの監督が大ショック療法でワントップのトップとか、ディフェンスラインに入れるとかしてみてくれないかなあ、絶対に日本のマスコミの集中砲火に合うだろうけど(笑)。
(blog武藤文雄のサッカー講釈)