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ソフトウェア・エンジニアのブログ

ツールばっかりでどうなっているんだ

バージョン管理ツール(CVSやらSubversionやら)に始まって、ビルドツール(ant, maven)、バグ管理ツール(bugzilla, mantisやら)、プロジェクト管理ツール(trac, redmineやら)など多種多様なソフトウェア開発用の管理ツールが出ています。さらに、テスト管理ツールが出てきて、技術のウォッチを怠っている管理者は「なんだ、また訳のわからないツールが出てきて・・・、まさかお前らまた変なもん使おうってんじゃないだろうな」などと明言するか内心に思っているんではないかな、なんて思ったりします。


これは、開発する要件が高度化して、開発作業が複雑化しているソフトウェア開発の現状をIT化によって効率化しようという流れです。昔流行ったCASEツールとその延長の商用ソフトウェア開発管理製品*1と何が違うのでしょうか?


強いて言えば、実際にソフトウェア開発現場で苦労している開発者が自分のために作った、ちょっとしたツールに源流があり、現場でうれしい機能を追加して出来ている点でしょう。


商用製品は、コンサルティング観点での商品企画からツールの機能が定められ、企業でお金を出す管理職レイヤーに受けがいい機能が盛り込まれています。現場で必要なこととは違います。だから、導入させられ無理やり作っても現場の苦労は減りません。そんなツールを使っていたら、「いい評判」なんてどこからも出ません。


ソフトウェア開発現場が一番IT化から遅れている、という現状を、上からのツール導入ではうまくいかないので、オープンソースで気軽に開発・利用できる環境でちょっと導入してみようという気軽な改善でIT化が進んでいるのがいまの状況でしょう。本当は上から本当に必要なIT化が展開できればいいのですけれどね。

*1:この手の商用のツールは「要件管理」、「構成管理」と管理者心をくすぐる言葉を並べていますが、いまだまともに使える製品はありません