ソーシャルブックマークの使い方に関する考察

ソーシャルブックマークって結局なんだろう?
はてなブックマークとかdel.icio.usとかが流行ってる。 いわゆるソーシャルブックマークといわれるアレだが、その便利さと手軽さにすっかりやられてしまっている。 とにかく楽しい。 クリップすること自体も楽しいし、タグを付けることも楽しい。

サービス開始当初はニュースサイトを脅かす存在になるんじゃないか? なんてはてブ論も見かけたけど、今のところその気配もない。 逆に良いネタ元になっているようにすら思える。

この理由は簡単だろう。 まず第一に形式のカスタマイズができない。 さらにコメントが50文字、タグが3つまでという制限もこれから始めるニュースサイトとしては弱いのではないかと思う。 この辺のことは、304 Not Modifiedさんの「ソーシャルブックマークを用いて個人ニュースサイトをやる価値はあるのか。」に詳しく述べられているのでそちらを参照して欲しい。


閲覧者からみたらすごく優れている。
閲覧者の観点からみるなら、現段階で鮮度の高い話題をまんべんなく話題を集めようというときに優れたツールになっていると思う。
情報の集積という側面では、個人ニュースサイトをまとめているNEWSLinksあんてななどと同じ使い方ができるだろう。
しかし、技術的な話題に関してはソーシャルブックマーク(特にはてなブックマーク)は強い傾向がある。 速報性という意味では群を抜いて強いと言えるだろう。
情報収集に新しい選択肢を加えたという意味で、ソーシャルブックマークのwebに対する貢献度は高い。 特にニュースサイトに与える影響は大きかったのではないだろうか。


ブログ管理人にとっての使い道って無いだろうか。
では、ソーシャルブックマークは純粋な自分のブックマークとしてのみ、または速報性を求め情報を得たいときだけしかつかえないのだろうか?
閲覧者としてはこれで十分である。しかし、現段階でブログを運営している場合、これではあまり魅力的なツールだと思えない。

ブログを運営しているヒトのブックマークはサイト更新するまでのメモであったり、サイトでは取り上げなかったが目についた話題をブックマークしていることが多いのではないかと思う。 もう一歩踏み出すことができないだろうか?
踏み出すというからには、攻めるという意味だ。


興味の矛先を示すためのツールとして使えないだろうか。
ブログを運営していて、1日に取り上げられる話題などたかだか知れている。 羅列型のニュースサイトならともかくもブログであればなおさらだ。 そこで、ソーシャルブックマークを気になった話題を放り投げておく倉庫として用いてはどうか。
こうすることで、サイトの補足説明としての機能を期待している。 量的な制限をどうして設けてしまうブログと違ってソーシャルブックマークでは量的な制限はほとんど受けることがない。 気になったものを片っ端から取り込んでおくことで、サイトには現れない管理者が興味を持つベクトルを示すことができるのではないだろうか?
ブログでは管理者に興味の対象があることが多いのではないかと思う。 閲覧者と管理者をつなげるという意味では優れたコミュニケーションツールとなる可能性があると思う。


情報を流通させるためのツールとして用いてはどうか。
個人的には、サイトのアクセス数はサイトの価値を決めるものではないと思っている。 しかし、情報はヒトからヒトに伝達されて初めて意味を持つものであって、読まれなければ始まらない。 そしてできる限り広範囲の人間に読まれることによって議論の輪は広がり新しい価値観をもたらすのではないかと考える。

その手段としてソーシャルブックマークを利用することができるのではないか。 よりキャッチなタイトルを付けることでブックマークされやすくするなどSBO(Social Bookmark Optimization)が提唱されたりしている。 しかし、狙って個人ニュースサイトに取り上げられたり、ブックマークされることは意外と難しい。
そんなことよりもっと簡単にソーシャルブックマークというフィールドに自分のエントリを乗せる方法がある。


自分でブックマークしてしまえばいい。
このことはもうすでに考えられ、ツールにもなっている。(自 Blog のエントリを自動的にブックマークすることにより、ソーシャルブックマーク最適化を施す
それでもたいていのものはスルーされるかもしれない。 なぜならソーシャルブックマークは個がその価値を判断し、集団として結果が評価される場であるためだ。 さまざまな価値判断が同時に行われるからこそ、多くのユーザにブックマークされたものにはある程度の普遍的な価値が期待できるのである。 要するに広がるならそれだけの価値があったということだ。 自分でブックマークするのはおまじないとでも思っておけばいい。 ブックマークをお気に入りにしてくれている閲覧者にはアンテナとしても機能するしね。


しかし、やはりその行為に違和感を抱くヒトもいるようだ。 caramel*vanillaさんが「セルフブックマークがはた迷惑な件或いははてなに対する嫌悪感について」で自分自身でブックマークすることの不快感(嫌悪感という強い言葉を使っているがココでは不快感とする)について述べている。

この記事では、なんだかはてなに対する不快感を述べるエントリになっているような気もするので取り上げるのは適当ではないかも知れないが、少しだけ引用させて頂いた。

興味のあるtagが付けられたブックマークは毎日ものすごい勢いで増え続けていてinboxにつっ込んでもとても全部見切れる物ではない。
やっぱり多くユーザーに支持されたブックマークを優先してチェックするわけ。
こんな善意のブックマークの中にもし意図的にノイズが混じったらどうだろう??


伝達する価値が見いだされない記事はノイズにすらならない。 そこまでユーザはバカじゃないのだと1はてなユーザ、webユーザとしてちょっといいたかった。

webのシステムはユーザが色を作っていくものだが、相似形のシステムの中では常に同じことが起こる要素を孕んでいる。 はてなで起こることはdel.icio.usでも、JoltMarkでも起こるかも知れない。 だからこそ、ノイズに関する考察を是非お聞きしたかった。 論点が崩れてしまっていることを非常に残念に思う。

だいぶん脱線してしまったような気がする。 けんかを売っていただけにも見えるかも知れないが、個人的には議論をふっかけたつもりなのでどんどんコメントなり何なりをいただきたい。

より良いwebを作るためにはユーザ同士の議論が必要であるのだから。


さて、話をまとめよう。
ソーシャルブックマークは情報が蓄積する場であり、情報が様々な価値観によって品評される場である。
情報を収集する場としても、自らブックマークして情報を放つ場としてもこれほど優れたところはないのではないかと考える。

情報のやりとりがリアルタイムに行われるソーシャルブックマークを片一方の側面でしか使わないのはもったいないと思うけど、どう?