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最近のインパクトドライバーについて

昨年発売された日立のWH14DDL・WH18DDLに続いて、マキタも強力型のTD137やTD148が発売されました。
トルク表記が若干上がっていますが、それ以上に柱止め金物の長いビスは極端に締め込みが早くなりました。
ある程度使いこなしてハンマーが摩耗しているものと比較されることが多いので
使い古した機種と比較すると締め込み速度が倍以上違うと思います。
ちなみに何度も書き込んでいますがインパクトドライバーの「トルク」表記ほど曖昧なものはありませんので、
ここでは「トルク」と言う言葉は使いません。


この締め込み速さですがモーターの回転数を上げれば若干早くはなりますが、
モーターのパワーを上げたわけでもなく、早く締める一番の要因はハンマーにあります。
インパクトドライバーの構造はこうなっています。

図にはハンマーがアンビルから逃げないようにしている強力なスプリングが記してありませんが、
新型インパクトドライバーの締め付けが強くなったのは、そのスプリングが強くなったと思われます。
スプリングが強くなると一回の打撃でネジを回す角度が大きくなります。
1回の打撃で回る角度が大きければネジの締め付けが早くなるのは当然です。
しかし、その分ビスが外れやすくなります。(いわゆるカムアウトです)
でも、四角ビットは外れません。
どうして+ネジが外れるか?
よく「しっかりはまるから」なんて適当に言われますが、正確には四角ビットは逃げ勾配がないからです。
+溝はビット側面を見れば分かりますが、4枚ある+の羽の1枚が先端が薄く、元が厚いテーパーになっています。
そのテーパーが逃げ勾配になるため、無理をすると外れます。
+溝がテーパーではない+ネジが存在しておりますが、それはとても外れにくい形状です。もちろんドライバーも専用です。
でも、なぜ世の中の+ネジのほとんどがテーパーか?
それはストレートにすると、入れにくく、外しにくい問題もありますが、
蝶番や機械に使うネジなど、無理な力が掛かると+が外れなければ頭が飛んでしまいます。
あるいはネジ山が丸坊主になって。空回りします。
ですので、現在のネジの規格を変えてもデメリットが多く、現状のままがベストだと思います。


結論として、現在の最新型の高速締め付けタイプのインパクトドライバーは軟鉄製のネジには不向きである。
軟鉄製のネジを取り外すときは、古いインパクトドライバーを使いましょう。
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