岩手・宮城 2月4日

昨日の会でご一緒した気仙沼出身の方が一人宿に泊まっていて、起きてその人の話を聞き、それから陸前高田へ出発する。今朝は渡辺謙さんらが気仙沼で経営するカフェのイベントがあるらしく、そこへ行く人も多いようだった。そちらも気になりつつも、急ぎ陸前高田へ。

昨日連絡していた佐藤さんが、朝早く迎えてくれる。佐藤さんは英語で震災の記録を書き出版していて、小森はるか監督の映画『息の跡』でもその様子が詳しく紹介されている。版を重ねるにつれてだんだん分厚くなってきたその震災の記録『The Seed of Hope in the Heart』を最近やっと読み終えたので、それについていくつか話を聞く。佐藤さんは昨年プレハブ店舗から、現在の高台の店舗へ移転したが、今でも記録を書き続けているそうだ。最後に佐藤さんがスペインの人たちから贈られたというクラシック・ギターで演奏を聞かせてもらう。

名残惜しいなか佐藤さんと別れ、仙台へ。今度は陸前高田から内陸の一ノ関まで行き、そこから東北自動車道で仙台まで戻る。道沿いにはまだ雪が残っていて、慎重に車を走らせた。せんだいメディアテークで14時から、みやぎ民話の会による「民話ゆうわ座」に参加することが目的だった。みやぎ民話の会の活動は濱口竜介・酒井耕監督による映画「うたうひと」で取り上げられ、以前から関心があり、それもあって今回参加したのだった。

この日のテーマは「民話のなかのキツネたち」。最初に代表の小野和子さんが挨拶され、民話の会の語り部たちが関連する民話を語り、参加者がそれに対しコメントする。しかしそれをきっかけに議論がはじまるというよりも、自由に各々が考えたことが表現され、それぞれが尊重される場だったように思う。

その後、昨年メディアテークで知り合いメールのやり取りをしていたMさんと再会、互いの近況について話す。Mさんは大学の英語の先生をしていたが、今は退職し仙台で暮らしている。僕のことをどう考えているかわからないのだが、自らの考えを、僕に伝えてくれる。

飛行機の時間があるので、Mさんと別れメディアテークを出て、夕方の飛行機で関空に帰着。