武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(34)

《心地よい空腹》
 我が家の朝食を続けていて、食後3時間を経過したあたりから、穏やかな空腹感が始まることに気が付いた。あるかなきかのぼんやりした空腹の時間帯が、昼食の時間に向かって徐々に深まってゆく。その空腹を感じている数時間が、このごろ心地よく感じられるようになってきた。
 空腹であることが苦にならないために、この時間帯は意識の覚醒感や体の軽快感を伴って集中を妨げるものなく、何をやっても気分よく作業が進められる快適な時間帯になってきた。この感覚は一体何なのだろう。
 普通に考えると、空腹感は耐え難い嫌な感覚とされており、それがためにダイエットも空腹感に負けてしまいがちな難事とされているのに、この空腹感が逆に心地よいと感じられる不思議。飢餓感などというイメージからはほど遠く、むしろ軽快な理想の境地とまでいったら言い過ぎになろうか。
 以前、NHKの「ためしてガッテン」という番組で、大食する人は血糖値が大食故に大きく変動するので、空腹感がきついけれど、小食の人は血糖値の変化が穏やかなので、空腹感も穏やかに来るということを言っていたのを思い出した。
 カロリーを極力押さえて、たくさんの種類の野菜を取る食事をしているせいで、後者の穏やかな空腹感が来るようになってきたのかもしれない。全く空腹を感じない食後の時間よりも、少しずつ空腹になり始める時間帯の方が、むしろ調子がいいのである。この感覚は微かな感覚で目立たないけれど、何時までも続いてほしいという気がする快適な時間帯なのである。
 食べているその瞬間の、刹那の快感も素晴らしいけれど、食事の後で長い時間持続する快適さが、食を調整することによって期待できるのなら、その献立の効用は大きいと言えないだろうか。
 おそらく、腸に到達した食べ物が、緩やかに消化されながら、他の消化器官はつかの間の休憩タイムにはいり、体内のエネルギー消費のバランスが、ベストな状態になっているためかもしれない。だが、これはよく分からない。分からなくでも、気分が良いことには変わりない。
 食後数時間後の爽やかな空腹感を想定した健康メニューがあっても良いのではないか。食べている時美味しくて、時間が経って気分が良くなる食事があっても良いのではないか。

 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。今回からは、7月の朝餉になります。

7月某日の朝食(上) ・味噌汁(油揚げ、大根、タマネギ、干しエノキ)・ご飯・キャベツのおひたし・油揚げとゴーヤの炒め物・ほうれん草のおひたし・トマト・ブロッコリーの温野菜・真竹のタケノコと昆布の旨煮・水菜のおひたし・シシトウの炒め物・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


7月某日の朝食(下) ・味噌汁(油揚げ、豆腐、干し椎茸)・ご飯・キャベツのおひたし・にんじんの温野菜・油揚げとゴーヤの炒め物・シシトウの炒め物・キュウリの塩もみ・真竹のタケノコと昆布の旨煮・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳