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2016-08-10 その後の猫事情

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《その後の猫事情に異変》

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 このところ赤城山荘とその周辺の野生動物たちに奇妙な変化が生じているので記録しておこう。コミュニケーション能力抜群の黒猫サンちゃんが姿を見せなくなったことは、以前に書いた、その前にひどい怪我をしていたことも。その後、もう一匹の無口な黒猫 マルちゃんも顔と尻尾の付け根に大きな怪我をして現れた。今では治癒しているが、危うく尻尾が千切れそうなほどひどい怪我だった。

 もう一匹餌を食べに来ているメス猫のミーちゃんが、前足の先が千切れそうなほどひどい怪我をして現れた。痛々しく三本足で歩いている。野鼠を捕らえるのが上手な猫だけれど、その様子ではしばらく獲物にありつけそうもないほどだった。さいわい、切断はまぬがれたようだが、怪我の跡が今でも痛々しい。(左の画像は、むかって左足の先の黒いところが変形したミーちゃん。下の画像は、黒猫マルちゃん、尻尾の付け根と額の傷跡が今も目立つ。所々に置いてある丸太が野良猫たちの指定席。)

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 異変は野良猫たちだけではない。カタクリやヤマユリの球根を大好物にしていたイノシシの気配を全く感じなくなった。大胆に日中でも敷地内をトコトコと横切っていたのに、気配すら感じなくなった。何があったのだろうか。

 何の根拠もない話なのだが、もしかすると害獣対策に悩んだ末に誰かが罠を仕掛けたのかも知れないという考えが浮かんだ。実はイノシシに困り果てて、私も罠を仕掛けるという方策を検討したことがある。トラバサミと呼ばれる罠が今でも商品として売られていることも分かった。けれども敷地内であっても、無差別に野生動物を殺傷する可能性があるので、どんなことがあってもこれだけは使うまいと思ってやめたのである。

 先日、浄化槽の点検に来た業者の方から、直ぐ近くの森の道に熊が出たという話も聞いた。鹿も次第に標高の低い所へ降りてきているという。山里で暮らすということは、こういう野生の動物達とどう付き合うか、自分の問題としてリアルに考えることでもある。

2016-06-04 その後の山荘の猫事情

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《その後の山荘の猫事情》

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 最近になって、山荘の猫事情に大きな変化が二つあった。一つ目は、2月に山荘に飛び込んできたベッコウ色のメス猫チーちゃんが、警察への届出期間がすぎて所有権が発生、晴れて私達の家猫に昇格したこと。平成19年の遺失物法の改正により、飼い主不明の犬や猫は、届出から3ヶ月経過すると、保護した人に所有権が発生することになっている。

 3ヶ月間保護している間に、チーちゃんはすっかり我が家の家猫と化し、自宅と山荘の二地域暮らしにも慣れてきた。荷物をまとめて移動の準備をしていると様子を察して、キャリーケースに嫌がらずに収まってくれる。ドライブ中は、小さな子どものように窓にかじりついて景色を見ている。両方の家に自分の居場所をしっかりと確保しつつある。(右の画像は、西日の差し込む読書室の絨毯で日向ぼっこ中のチーちゃん)

 もう一つの猫事情とは、淋しいことに黒いオス猫のサンちゃんが、もう1ヶ月以上山荘に現れなくなったことである。山荘に来てくれない理由はいろいろ推測できるけれど、実情は全く分からない。縄張りのマーキングが薄らいだせいか、以前に来ていた猫達が悠然と敷地を闊歩するようになっている。のんびりと昼寝をしていく猫もでてきた。サンちゃんの長期不在は、山荘周辺の猫の勢力地図を塗り替えつつある。

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 サンちゃんは、山荘に現れて野良猫の生き方の面白さを教えてくれたばかりでなく、類い稀なコミニュケーション能力で、猫という生き物の素晴らしさを見せ付けてくれた猫だった。内田百けんの「ノラや」の悲哀に満ちたシュールなユーモアを思い出した。猫の最も猫らしい姿は、もしかすると環境に最適化した野良猫にあるかもしれないと思わせてくれるような猫だった。素晴らしい野良だったのだ。(画像は、3月上旬に山荘に現れたサンちゃん、強敵が現れた印の怪我をしていた頃)

 飼い猫となったチーちゃんも、サンちゃんが来たときの緊張ぶりは他の猫と違っていた。敷地にサンちゃんが現れただけで落ち着きがなくなり、姿を現すと窓ガラス越しに睨み付けている。サンちゃんは顔を逸らしているのにじっと見続けていた。大きくて精悍そうな傷だらけの姿が怖かったのかもしれない。サンちゃんが座ったことのある椅子には今でも決して座ろうとはしない。

 最初はサンちゃんを飼い猫にしてみようと、猫トイレを買ってみたりしたけれど、どうしても飼い猫にするのは不可能と判断せざるを得なかった。そのトイレは今チーちゃんが愛用している。チーちゃんとサンちゃんは良いタイミングで入れ替わったと言えるのかもしれないが、サンちゃんの長期不在は何とも淋しい。

 3ヶ月ほどの長旅に出るオス猫はよくいるという話をきくけれど、永遠の旅に出かけたとは思いたくないので、はっきりした物証がないかぎり、サンちゃんの不在は、単なる猫の長期不在と思い込むことにしている。サンちゃん、早く帰って来い(笑)。

2016-03-11 二匹の猫に大ワラワ

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《二匹の猫に大ワラワ》

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 前回、1年ほど前から山荘に遊びに来るようになった野良猫サンちゃんの恋の季節のことを書いたが、相当に強いライバルが現れたらしく、可なりの怪我をしていたのが心配で(笑)、あまり間をあけずに再度山荘に行ってみた。もちろん迷い猫チーちゃんを連れて。

 案の定、サンちゃんは直ぐ遊びに来たものの、顔を見るなりツレが顔を背けるほどのひどい怪我、向かって左側の頬のあたりに灰色がかった500円玉二個分ほどの瘡蓋がかぶさり、顔半分が腫れて左目が見えにくそう。鳴き声にも元気がなく、サンちゃんが闘いに敗れたらしいことは一目瞭然、猫の友人としては、元気付ける意味で餌をたっぷりあげるしかなかった。

 一度引き上げた後で帰ってきたときは、もう一度戦ったのか、自分で剥がしたのか瘡蓋が大きく剥がれかけていた。チャンスだったのでサンちゃんを抱き寄せ、剥がれかけた瘡蓋は強引に剥ぎ取り、ティッシュを重ねた上から消毒液マキロンをたっぷり含ませて傷口を何度も消毒してやった。傷を治す薬はないので、化膿しないようよう消毒をして、身体の治癒力に委ねるしかないのは、人も猫も同じ。サンちゃんは大人しく目を閉じてされるがままになっていた。

 翌日きた時には傷口はきれいに瘡蓋がはり、消毒したので傷のまわりの皮膚もきれいになり、最初思ったほど怪我の程度はひどくないことが分かった。回復が順調で、顔の腫れもひき、サンちゃんの甘えようはいつもより濃厚になったような気がした。その次の日の朝も、自分で掻き毟ったのか再び瘡蓋が取れていたので、もう一度丹念に消毒してやり、ようやく今回の怪我の回復の目処がたってきたことだった。(右の画像は、傷口の消毒が済んで、大人しくしていたご褒美の煮干を見上げているサンちゃん)

 ところで迷い猫のチーちゃんの方はと言うと、神経質なメス猫なので、一時的に読書室に隔離、ストーブをつけ猫トイレと水と餌を置いて、サンちゃんの相手をしながら、時折ご機嫌伺い。私とツレは、いつの間にかこうして二匹の猫に振り回されているという山荘生活、山荘購入時には、想像もしなかった猫との共同生活にどっぷりハマッてしまっている(苦笑)。

 

2016-02-26 山里に一足早い猫の春

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《山里に一足早い猫の春》f:id:toumeioj3:20160226114214j:image:right 

 二月も下旬ともなると下界では花粉症の話題と共に、春の気配が漂い始める。ところが標高500mの位置にある山荘周辺の山村では、スギの雄花はまだ硬く、寒波や北風の吹く日は冬の気配が濃厚、地面の雑草も凍えたように縮かんだままである。ところがところが、日照時間が長くなってきたことの影響を受けて、猫たちの世界では既に春の訪れが不思議な活気をもたらしている。

 身近なところにメス猫がいないのでメス猫の事情は分からないのだが、いつの間にかオスの行動が活発になってきた。中には発情期になると性格まで変わってしまう猫もいるらしいけれど、山荘に来ている野良猫サンちゃんは、性格は一貫しているものの、行動のテンポが格段に速くなってきた。やってくると素早く猫餌と水を交互に食べ、完食すると長くても1時間短い時は数分間横になって寛ぎ、軽く伸びをして身体をストレッチ、屋外に出てゆく。

 通常の縄張りをパトロールする回数を増やし、いつもは偵察していないかめったに偵察に行かない周辺地域にまで範囲を拡大して、猫の気配とりわけメス猫の気配を探り歩いているらしい。そこでは当然猫同士のニアミスは避けられず、例の激しいバトルが繰り広げられるのだろう。山荘の外で作業をしていると、遠くから唸り声と戦闘シーン発生を知らせる叫び声が聞こえてくる。あれが一足早い春の訪れとして聞こえるようになったのは、山荘で猫たちと仲良くなった最近のことである。

 サンちゃんの頭と首には真新しい傷が付いていた。向かって左の耳元から顔面に生々しい体液が滲む傷、強烈なサウスポーの猫パンチの一撃か、噛まれた歯の跡なのか、瘡蓋の周りからも血が滲んでいた。首筋と顔面にも見たことのない新しい傷。手当てのしようがないので、ツレはいつもより多めに栄養補給するしかないと言って餌やりをしていた。サンやんの寝顔をみていて戦士の休息というフレーズが浮かんできた。(傷だらけのサンちゃんは、角度によっては非常に相が悪く見えることがある)

 一方、迷い猫のチーちゃんは言うと、獣医さんの見立てでは避妊手術が済んでいるという通り、春の訪れはどこ吹く風、よその猫を見つければ激しく吼え威嚇するけれど、性的な意味は全くなさそう、オス猫メたちもメス猫の匂いは感じないらしく、保護者としては気楽ではあるけれど何だか肩すかしをくらったような一抹の寂しさのような感慨をいだいたことだった。

2016-02-20 チーちゃんの飼い主捜し

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《チーちゃんの飼い主捜し》

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 現住所での滞在日数がすこし長くなった。赤城から連れてきた迷子の猫のことで、日も長くなって少し春めいてきたのでいつ発情するか心配になって近所の動物病院へ相談に行った。すると、驚いたことにチーちゃんは既に避妊手術がすんだ二歳相当の大人の猫だとわかった。飼い猫だったことは明らかなので、獣医さんのアドバイスで山荘周辺の保健所と警察署に届けを出し、正式に飼い主捜しの手続きを取ることになった。三ヶ月しても見付からない場合には、私たちが正式に新しい飼い主になることになる。(チーちゃんは目が大きくて、なかなか美形の猫ではなかろうか)

 現住所でのチーちゃんは、マンションやアパートのような集合住宅で飼われていたのか、数少ない全部の部屋を探険し終えてからは、すっかり寛いで睡眠時間が長くなった。どの猫も同じように寝ている姿が一番愛らしい。手足を伸ばして寝るクセがあるのか、ノビノビと伸びて少しあられもない姿態(笑)で熟睡していることが多い、人間の年齢になおすと20才前後のお嬢さん猫らしい。

 現住所での用件が一段落したので赤城の方に移動した。高速道路を一部しか使わない2時間コースで移動したところ、キャリーケースでの長時間拘束が苦痛だったらしくケースの中で大暴れした。1時間に1回程度停車して休憩をとり、出来るだけ移動時間を短くする必要がありそう。

 山荘での滞在時間が短かったせいか、チーちゃんは山荘のことはほとんど忘れており、最初の時と同じようにまた各部屋の探険をはじめた。あるいは野良猫サンちゃんの臭い付けが残っているのか、現住所にいた時よりも落ち着かなかない。山荘では、獣医さんのアドバイス通り、前橋市の保健所と連絡を取り、近くの警察署に届けをだした。届けを出したところ、早速、猫を探している方がいるという連絡が入り始めた。まだ、本当の飼い主は見付かっていないものの、どうなることやら3ヶ月は落ち着かないことになりそう。(下の画像は、警察に届けを出すために準備したスナップの1枚)

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 ところで、何日かチーちゃんと暮らしてみて、山荘に来ている野良猫サンちゃんが、いかに利口な猫であるかということがはっきりしてきた。チーちゃんが唸り声を上げて威嚇しても知らん振りをして泰然自若としているし、私たちに対する態度も変えず山荘を訪問してレストラン機能とリラクゼーション機能をいままで通り楽しんでいく。早朝の気温がマイナス5℃を下回るような日は、6時頃に来てストーブの回りに陣取り全身熱々に暖まり輻射熱を楽しんで、一定の時を過ごすと外に出たいと訴えて、悠然と縄張りの偵察に出かけてゆく。サンちゃんは大物然としてきた。

2016-02-15 迷子のチーちゃんその後

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《迷子のチーちゃんその後》

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 前回は、山荘に現れた迷子のメス猫チーちゃんを置いて、山荘から現住所に帰ってきたことを書いた。現住所での用件を済ませて数日後に山荘に行ったところ、さっそく現れたのは野良猫サンちゃん、チーちゃんの姿は見かけないので無事に自分の家を見付けたのだろうと思った。ところが、サンちゃんが寛いで椅子の上でぐっすり寝込んでいた時、チーちゃんが現れた。私はサンちゃんのお相手をつとめ、ツレが別室の窓からチーちゃんに対応した。ツレの話では、必死に鳴き叫ぶ感じなので部屋に入れてやり餌と飲み物を与るしかなかったと言う。

 サンちゃんが帰ったのでチーちゃんと再会したが、激しくスキンシップを繰り返すのをみて、不在中に元の飼い主を探し出すことに失敗、レストランもネグラも見つけることが出来ず、この数日間は山荘の周辺を彷徨い、厳しい冬の夜を震えながら過ごしたのだろうことが推測できた。頭に新しい傷をこしらえており、チビ猫なのに気が強く、何度か乱闘も体験したようだ。サンちゃんのようにこの地域で野良としてサバイバルしていくのは無理なように思われた。

 さてどうするか。山荘には既にサンちゃんという通い猫がいるので安易に受け入れるわけにもゆかない。サンちゃんの立場を尊重してやる必要がある。ツレと相談して、取りあえず緊急避難の措置として、二匹の猫を別室に分けて急場をしのごうということになった。せっかく来たのだから、チーちゃんを見捨てないことにした。チーちゃんは可愛がられていた飼い猫らしくしつけはきちんとしており大人しいので何とかなるかもしれないと甘い見通しをつけた。二匹の隔離作戦はうまくゆくだろうか。

 山荘の滞在が終わり、現住所に戻る日になった。チーちゃんを今度は置いてゆくのは可愛そうなので私がダンボール箱に窓代わりのスリットをカッターで開け、俄仕立てのダンボール製キャリーケースを作った。移動の荷物を車に全部積み込んでから、嫌がるチーちゃんを無理やりダンボールに詰め込み急いで出発した。ツレは2列目のシートでダンボールを抱きかかえ、チーちゃんのご機嫌をとることにした。

 吃驚したらしくチーちゃんは激しく鳴き続け、出発して1時間あまりたった高速走行中に、ついにダンボースのスリットをこわしツレの制止を振り切って、車内に飛び出した。100km近いスピードで流れる辺りの景色に興奮し後部の窓から外をみて鳴き、サイドの窓から鳴き、空席の助手席から伸び上がって前を見て鳴き、大変な大騒ぎ。30分足らずで一般道に下りたが興奮は止まず、信号で止まると周りのドライバーが吃驚してこちらを見ていた。

 幸いにも無事に現住所に到着、まずチーちゃんを捕まえて毛布で包んで真っ先に自宅に運び込んだ。玄関に通じるドアを締め切り、荷物を運び込み、ツレは必死にチーちゃんのご機嫌伺いをした。新しい家にきた猫らしく、チーちゃんは総ての部屋を細かくチェックして歩き、たっぷりと餌と飲み物を食べて一息ついた。この日は、何度か部屋を点検してまわり、リビングの椅子の上で寝た。(画像は、現住所で使っている折りたたみ椅子の上で、ぐっすり熟睡しているチーちゃん)

2016-02-06 新しい猫の来客

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《新しい猫の来客》

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 二月に入って少し時間が空いたので早速山荘に行ってきた。前回来たとき、玄関の前まで除雪してあったが、どなたが除雪してくれたのか、分からないままだった。考えられるのは(1)前橋市の市道なので市の除雪車か、私有地まで除雪してあったので、この線は薄かった。(2)近所で除雪できる重機を持っているのは、東に一軒、西に一軒、多分このどちらかだろうと推測していた。今回、やはりこの内の一軒の方が除雪してくださったことが分かった。山村では、困っていると分かると頼まなくても自然に助け合って暮らしを支えあう。山里での付き合いは単なる社交ではなく、暮らしの持続そのものである。こういう濃密な人間関係もいいものである。

 今回は隣人のほかに、面白い来客があった。茶トラ模様の若いメス猫が、リビングの外に現れてニャーニャー鳴いたのである。猫がこちらの顔をみて鳴くときは、何らかのコミュニケーションを意図してのことである。窓を開けてやるとピョンと飛び込んできて、さらに人懐っこく鳴いているので、猫餌を出してやった。空腹だったらしく凄い勢いで食べ、もっと欲しいと鳴くので追加をだしてやった。それでも鳴き止まないので、温めの水を出してやったらたっぷり飲んで、やっと落ち着いた。(右の画像は今回現れた茶トラのチーちゃん、カメラ目線でキリッとしているように見えるが、とても人懐っこい若いメス猫)

 その猫は、食べ終わると部屋の隅に置いてある、使われていない猫トイレをまず点検し、リビングと和室を隈なく調べ要所要所に匂いつけのために頭をこすりつけ、室内が安全で落ち着ける場所であることを確かめた上で、ツレが椅子から立ったのを見て、その椅子に登りやっとリラックスして横になった。その間、私たち二人にも顔や頭を擦り付け、点検済みで猫嫌いではない安全な生き物であることを確かめ、時々ゴロゴロ喉を鳴らして愛嬌をふりまいて、徐々に自分の味方にしていった。(下の画像はアンモナイトになって眠りについたチーちゃん、何とも愛らしい小娘猫である)

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 その日は幸い最後までサンちゃんは現れなくて、チーちゃんは掘り炬燵の脇でお泊りをした。夜中、オシッコとウンチを猫トイレで上手に済ませたので、迷子になった飼い猫だろうと話し合った。一日目、リビングから出してやったけれど、3時間ほどして帰って来てしまったので、自分の家が分からなくなったのだろうと思い、泊めてやったのである。

 次の日の夕方、しばらく来なかったサンちゃんの鳴き声が聞こえてきた。私はチーちゃんと猫トイレを読書室に慌てて移し、ツレがサンちゃんをリビングに迎え入れた。聞くところによると、サンちゃんは他の猫の気配を察して落ち着かなかったそうである。その間、私とチーちゃんは読書室で不安な時間をすごした。その日も、チーちゃんは帰れず、お泊りとなった。すっかり慣れて、ツレの毛布の端にもぐりこんだり、上に乗ったりしてツレはよく眠れなかったそうである。

 次の日の朝、早朝にサンちゃんがまた現れたので、私とチーちゃんはまた読書室。サンちゃんが帰ってからリビングに戻るという変則的な時を過ごした。この日は現住所に帰る日なので、どうしようか悩んだけれど、チーちゃんを外に出してやったらいなくなったので、そのまま帰ることにした。車に荷物を積んでいた時、チーちゃんが現れたが、外で出会ったせいか、チーちゃんは一目散に逃げていった。まだ人間の識別ができるほどには慣れていないからだろう。これ幸いと私たちは車を発進させた。その後、チーちゃんはうまく自分の家に戻れただろうか。

2016-01-30 雪渡りして来たサンちゃん

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《雪渡りして来たサンちゃん》f:id:toumeioj3:20160130091750j:image:right 

 1月18日の夜から、日本列島は強い寒気に覆われ、太平洋側を通過する発達する低気圧の影響で、例年にない暴風雪に見舞われた。いつもなら雪の少ない赤城山南麓を含む前橋市は20cmの積雪となった。その後も数cmの積雪が加わり我が赤城山荘も雪に埋まった。これまでは二地域暮らしの我が家では、雪が積もるようなら現住所にとどまり雪が解けるのを待つことにしてきた。

 ところがサンちゃんという野良猫と親しくなり、山荘を空ける日数が長くなるので、思い切ってクルマのタイヤをスタッドレスに履き替え、天候の回復を待って山荘に行ってみることにした。やはり想像していたように山荘に近づくと小道は雪に埋まり県道から先には進めない。スコップでクルマ1台分の道を作り、何とか駐車出来る場所を作った。そこからは、持ってきた荷物を抱えて運び上げるという高齢者向きではない力仕事となった。

 敷地とその周辺の雪野原には数種類の動物の足跡があった。深くもぐりこんでいるのは、足型からしてイノシシにちがいない。猫らしい足跡もみつかったけれど、猫は雪が苦手と言うから、犬かもしれないと思った。山荘の敷地にやってきたのは足跡からすると動物たちだけのようだ。(画像は、山荘の敷地の降雪と動物たちの足跡、サンやんの足跡も含まれているはず)

 荷物を運び終え周りの様子がわかったので、一服してコーヒーを飲んでしばらくすると、グングン気温が下がり風花が舞い始めた。それも少量ではない。赤城の山頂を越えてくるのか、まるで雪降りのような風花が風にのって目まぐるしく敷地に舞い降りる。そこに何と黒い塊サンちゃんが現れた。身体に所々風花をくっつけてリビングに上げて欲しいと、大きな声で鳴いたのである。

 直ぐに窓を開けて身体に付いた風花をふき取ってやり、鮭弁当の残りとカリカリを提供して、歓迎の挨拶とした。頭とアゴ、首周りを撫でてやり、スキンシップを通して「よく来たな」という気持ちを伝えた。食べ終えたサンちゃんは、ストーブの輻射熱が一番良く届く椅子の上で身づくろいをして寛ぎ始めた。

 山荘は軒下が長いので一部雪は解けているが、山荘に来るまでは雪野原である。サンちゃんは表面が固く凍りついた雪野原を踏み越えてやってきたことになる。一度降り積もった雪の表面が硬くなり、人や動物が雪の上を自由に行き来することを<雪渡り>という地方がある。宮沢賢治の傑作「雪渡り」は、そんな雪渡りを背景に狐と子どもたちの交流を詩情豊かに描いたデビュー作だ。

 24日は日本列島をこの冬で最も強い寒波が包み、山荘の外気温はマイナス10℃を下回った。ところが早朝の6時ころ、トイレに起きて、ついでに外の様子を見にゆくと、黒い塊のサンちゃんがリビングの外に寒そうにうずくまっていた。声をかけると鳴いたので直ぐに室内に入れてやり、急いでストーブに点火、歓迎の印にキャットフードを出してやった。夜明けの雪渡りは、雪国の子どもたちしか味わえない冬の遊びだった。硬く凍りついた雪野原には、どこまでも歩いて行けそうな不思議な開放感に満ちていたものだった。サンちゃんは夜明けの雪渡りをして山荘に遊びに来たのだった。これには私もツレも大感激、サンちゃんを大歓迎したのはいうまでもない。

2016-01-12 野良猫サンちゃんその5

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《野良猫サンちゃんその5》

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 昨年暮れの昼下がり、白昼堂々と子どものイノシシが山荘の脇を通り抜けていったのには驚いた。ウリボウほどは幼くはないけれどまだ成獣には程遠い子どものイノシシだった。通いなれた道を通る気楽な雰囲気で山荘の南の軒下をトコトコと通り過ぎていった。鉢合わせしないように気をつけようとツレと話し合った。

 以前は、沢山の野良猫や飼い猫たちも山荘の敷地を自由に行き来していたのだけれど、サンちゃんと名付けた黒猫が山荘を気に入ったらしく、執拗な縄張り争いの末にとうとう自分のテリトリーとして確保したらしい。他の猫たちが全く来なくなってしまったのはチト淋しい。山荘と周辺の敷地は、とうとうサンちゃんのなわばりとして周辺の猫社会に認知されたのかもしれない。今はサンちゃんだけが堂々と我が物顔で山荘の敷地をのし歩いている。(画像は、リビングの床で寝そべっているサンちゃん、ドアの前で住人の移動をチェックしている)

 以前にも書いたことだけれど、サンちゃんはを山荘を二つの機能を持つものとして認知しているようである。その一つは確実に餌が手に入るレストラン。初めの頃は古びた煮干し少々だったけれど、最近では通称カリカリと呼ばれる猫餌を提供してもらえるようになった。住人が食事の時には、猫が食べられそうな珍味を投げてもらえることもあり、サンちゃんは食事時をねらってしばしばやってくる。

 もう一つは、安心して気持ちよく寝られるホテルとしての機能。山荘には興味本位にちょっかいを出す子どもや子どものような大人もいなくて、じっと黙って読書していることが多く、空いている椅子の寝心地もまあまあなので、熟睡している時間が長くなってきた。日当たりのいいリビングは、冬でも日中は暖房なしで20度ちかくにまで室温が上昇するので、老夫婦を見習って、サンちゃんはのんびり日向ぼっこを楽しんでいることが多い。

 赤城山麓の野良猫なのに、サンちゃんは赤城颪(おろし)が苦手のようだ。北風がゴーゴー吹き荒れる日は、なかなか外に出ようとはぜず、いつまでも部屋の中でぐずぐずしている。窓の隙間から鼻先を出してみて、目をシパシパさせて室内に戻ってしまい、暖かそうな所を見つけて丸くなって寝てしまうのである。最近は、掘り炬燵にかけてある掛け布団の縁がお気に入り。

2015-12-12 野良猫サンちゃんその4

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《野良猫サンちゃんその4》

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 山荘に遊びに来るようになったサンちゃんとの付き合いが長くなってきた。最近の興味は、屋外での生活時間が長い野良猫生活にとって、寒さが厳しい冬の山里での生活がどうなるか、好奇心半分、心配半分で様子を見守っているところである。

 ツレと相談の上、あまりに冬の暮らしが大変なようなら、家猫にできないかと猫用トイレの準備をしたものの、大小の用足しは相変わらず外で済ませて室内に落ち着く気配は全くない。屋内にいる時間が長くなると、外に出して欲しいというサインか落ち着きがなくなり、窓を開けてやるとサッサと外遊びにお出かけ(苦笑)。私たちもサンちゃんが身につけている逞しい野良的生活術が気に入っており、無理に家猫化することにはためらいがあるので、しばらくは様子をみていることにしている。そこでサンちゃんの逞しさについて。

 逞しさ1−私たちが山荘に滞在している時は、野外生活をしていてもサンちゃんは私たちの姿がみえるあたりの近距離で寛いで、身づくろいをしたり昼寝をしたりしている。敷地内の住人が見える辺りには、人間は侵入してこないし、他の野良猫や野生動物も人間を警戒して近づいてこないので、私たちの存在は一種のバリヤーの役割を果たしているようである。サンちゃんは、仲良くなった人間を楯として利用しているのである。これはなかなか賢いやりかたではないだろうか。

 逞しさ2−サンちゃんは威嚇のシャーという鳴き声を決してださない。これは猫に対しても人間に対しても同じである。何故だろうか。人間に対して威嚇しても、相手が圧倒的に優位なので、威嚇する意味はあまりない。人間を不愉快にさせるだけで、猫に有利なことはほとんどないし、対等な猫に対しては、サンちゃんはにらみ合いの次は実力行使で飛び掛るなどの攻撃にでる。怪我が多いのはそのせいだろうが、山荘は縄張りとして確保できている。他の猫は、姿を見るなり逃げるのにはそういう背景があるからだろう。人間も猫も威嚇しないというサンちゃんの作戦は今のところ有効なようだ。(サンちゃんの耳は実力行使の結果、傷跡だらけ)

 逞しさ3−驚くほどの好奇心と適応力がある。サンちゃんは何か見慣れないものを見つけると、キラリンと目が光る。直ぐには行動に移さないが、あとで必ずチェックしている。自分にとって都合がいいことかどうか調べに行く。食べ物でないなら快適に寛げる環境として役立つかどうかを見ているようだ。言葉にして表現しないが、行動をみていると大体考えていることが分かってくる。猫なりに考えて行動するので、結果として、優れた適応力となって実を結ぶことになる。野良として生き延びる力になっているのだろう。

 逞しさ4−生物としての逞しさとは、自身の快適な生涯と、いかに沢山の子孫を残せるかが、判断の基準になるだろが、快適な生活はある程度実現しているようだし、子孫については、サンちゃんは意外にもメス猫に優しいので、受け入れてもいいと考えるメス猫は少なくないのではなかろうか。この点は判断を保留にしておこう。

 ともあれ、サンちゃんが遊びにくるようになった山荘生活には一種の彩が加わったことは確か。大人しく寝ている時間が一番いいが、私たちの後について動き回っている時も面白いし、喜ばせてやろうとして何かしてやった時の反応が実に面白い。ツレが湯たんぽ代わりにペットボトルにお湯をいれてタオルを巻いて与えた時の歓びようなど、してやったりと思わずニンマリする反応だった。