越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」・その2

2日目。今日は愛息のたっての希望で、彼いわく「おめめの大会」ことアンティエ・グメルスの「内なる旅」の展示を中心に。




会場(といってもやはり山の中。山の上まで車で行きそこからさらに徒歩で登ったその先である)に着いて、入り口の脇で農作業をしているおじさんがいたので尋ねてみると、まだ展示してあるとのことで一安心。入り口から5分ほど階段を登り、作品に辿り着く。
息子と娘がきゃっきゃと走り回っていたら、先ほどのおじさんが「写真を撮ってあげようと思って」とわざわざ来てくれる。なんとこの方、アーティストの作品制作をほぼ毎日手伝われたとのことで、色々な裏話を教えてくださった。当初作品の一部としてペイントしたクルミを置いていたところ日々数が少なくなっていくので不審に思っていたら、この森に棲むリスたちが持っていって隠していた…といったことなど。


このほかに「絵本と木の実の美術館」という廃校を利用した作品も見たかったのだけれど、現地へ行ってみたら現在閉鎖中で、10月3日から再展示があるということだった。全体として屋外展示物は会期中のままとなっているものが多いようだが、屋内展示物はほとんど(一旦あるいは永遠に)見られなくなってしまっているようだ。
ちなみに上の「内なる旅」も、10月には撤去される予定らしい。

そばや清兵衛


知る人ぞ知る、十日町のどの辺かというのが表現できないくらい微妙な場所にある蕎麦屋。いや、実際には検索すればいろいろ出てくるのだけれど。
何でも、もともとは製麺屋さんだったのが、あまりの美味しさが評判になって自分で店を出すようになったのだとか。「美味すぎる製麺屋」、である。その噂もなるほど真実味を帯びるほどの麺の喉越し。
十日町はもとより新潟の蕎麦は「布海苔(ふのり)」という海藻の一種をつなぎに使った「ふのり蕎麦」が主流で、私はこのつるつるとプラスチックな舌触りのふのり蕎麦(「須坂屋」とか「小嶋屋」で出される「へぎそば」のアレ)というものがあまり好きではないのだが、ここの蕎麦を手繰って初めてその認識を改めさせられた。蕎麦の香りと布海苔の滑らかさが絶妙にバランスを保っているのだ。
かてて加えて、新潟の蕎麦屋について私が一番不満に思っている「だし汁」の味もなかなかだった。何故か当地の蕎麦屋は、麺にはこだわっていてもつゆが投げやりというか画竜点睛を欠く店が多いのだが*1、こちらの汁は蕎麦によく合っていた。

*1:思うに布海苔蕎麦はあっさりしすぎているため、通常の出汁では最後のほうになるとシャブシャブになって飽きてしまうのかもしれない。