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2005-11-29 映画『蝉しぐれ』の残照(Revised)

toxandoria2005-11-29

映画『蝉しぐれ』の残照(Revised)


<注>夕景の写真は、HP四季感動』の作者(y-sasaki様)のご厚意により掲載したものです。表題は「出羽二見夕景」で、庄内地方で見られる美しい夕日の感動が見事にとらえられています。この写真の大きな画像は下記URL(■)をクリックしてご覧ください。

■『出羽二見夕景』、http://www1.odn.ne.jp/rembrandt200306/shonai.htm


<参考>関連記事


映画「蝉しぐれ」に見る冷酷な暴政の伝統http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051005

映画「蝉しぐれ」の残照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051017

映画「蝉しぐれ」公式HP、http://www.semishigure.jp/


 偶然のことですが、山形・庄内地方の美しい景観の感動を見事に定着したy-sasaki様のHP『四季感動』(http://www5c.biglobe.ne.jp/~y-sasaki/)に出会うことができました。この機会に映画『蝉しぐれ』の余韻について書いたページのRevised版をアップすることにしました。


  記事の内容は殆んど旧版から変えておりませんが、下記のとおり[A]、[B]、[C]の補足記事を参考まで加えておきます。今、日本では人間社会の最後の拠り所である信用・友愛・公共性などのような価値までが「妖怪化した権力」によって解体されることを無反省に是とするような風潮が広がっています。


  このような時代にこそ、「カイカク」のように無意味で軽薄な類の言葉は放棄して、例えば山形・庄内地方のような「日本の原風景」が持つ意味(地方の自然風土に刻印されたエクリチュールとしての歴史)をじっくり見直すべきだと思っています。


[補足記事A]「日本海の落日」についての断章

。。。『藤沢周平、心の風景』(新潮社とんぼの本)より部分転載


・・・『私がこの土地に帰るときは、ふつう新潟回りで日本海に出る。特急で六時間かかるので、大ていは上野を出発するときに厚手の推理小説を一冊持って行く。ついこの間、十月に帰郷したときも、私はスタンウッドの『エヴァライカーの記録』を鞄に入れて行った。しかし、新潟から山形へと県境を越えるころから、左手に海が見えてくる。折から海に日が沈むところであった。いまひと息で読み終わる小説への興味に、ついに日本海の落日が打ち勝ち、私の眼は窓のそとの光景に釘づけになる。そして胸の中では、こんな美しい風景がよそにあろうか、とつぶやいていたのである。』


[補足記事B]山形(庄内地方)とカッパドキアトルコ)の類似性について

。。。「藤原 肇著:賢者のネジ(たまいらぼ出版)」より(rewrited)


・・・両地域とも緑色凝灰岩(グリーンタフ)や黒鉱が発達しており、岩や石の性質が似ており、その他の鉱物資源にも恵まれている。両地方は、火山性の堆積物が高原や山を作り、脊梁を形成する奥羽山脈や出羽山地には火山もあったため岩の性質がとてもよく似たと考えられる。


・・・カッパドキアでは、キリスト教徒が住む以前には恐らくヒッタイトシュメール人がいて、ノアの洪水の原型のギルガメッシュ神話などの絵を岸壁に描き粘土板の文書も残した筈だが、後から来た者がそれを破壊してしまった。


・・・いずれにせよ、このような訳で5千年近い歴史を持つ文明の中でカッパドキアは一種の異なる民族の「結界」を構成していた。また、庄内地方とカッパドキアは豊かな鉱物資源が放散するエネルギーにも恵まれていることになる。それが一種の民族的な「結界」と重なり両地方の「霊場」に相応しい(何か人の心に響く霊感のようなものを感じさせる)風土環境を形成してきたと考えられる。


・・・また、カッパドキアと庄内地方の両地域に共通するのは夕日の景観が素晴らしく美しいことである。鶴岡に住む作家佐藤健一が、出羽三山と日本海に抱かれた鶴岡地方(≒蝉しぐれの舞台となった海坂藩)は理想的な小説空間であり、より時代小説の舞台に適したミクロコスモス(死生観としての風景)と述べていることとも何か共通性を感じさせる。


[補足記事C]華厳経と現代

。。。HP『レンブラントの眼/日本思想史の源流より、部分転載

http://www1.odn.ne.jp/rembrandt200306/nihon.htm


・・・『・・・「脳」に関する新しい知見から分かることは、今や全世界を覆いつつあるアメリカ発のモノカルチャーグローバリズムは、本来的に多様性を求めるという「生命の本質」から見ても、やはり不健全きわまりない政治・経済・文化のあり方だということである。なぜなら、武力行使危険を冒してまでマニュアル化され画一化した経済・文化及び“アメリカ型の民主主義”を世界の隅々へ押しつけることは、フィードフォワード的な「活力」をもたらす「脳の古い皮質」に相当する「古いローカル文化」(歴史的・伝統的な地域文化)を根こそぎ破壊する恐れがあるからだ。「場の情報」と「関係子」の協働的な作用でも分かることだが、「生命」は一定のセマンティック・ボーダーの中に閉じ込められることを最も忌み嫌う。


しかし、今や、最先端の高度情報技術を介して押し進められつつあるグローバリズムの実態は、正に、この「生命」が最も忌み嫌うことの押し付けに他ならない。恐らく、このようなタイプのグローバリズムの果てにあるものは、世界の人々が自己組織化して活力あふれた固有の文化や地域経済を発展させる代わりに、自由度を失って沈滞した情報空間と自然環境の中で、繰り返し繰り返し大量再生産され尽くした陳腐な「情報」と「産業廃棄物」の山に押しつぶされ、将来への夢と希望を完全に喪失して、ひたすら自失呆然とする人々の姿であろう。どのように贔屓目で見ても、このような姿が健全な「資本主義」と「民主主義」のあり方ではないだろう。特に「民主主義」については、市民国民自身が、為政者や権力側からのお仕着せではなく、自分たちの意志と希望と力によって勝ち取るという視点がなければ必ずや有名無実に終わるものであることを肝に銘じなければならない。それにしても、華厳経の「理事無碍法界」と「事事無碍法界」の究極である“融通無碍の境地”(海印三昧の境地)が、比喩的なものであるにしても「場の情報」と「関係子」という、最も先端的な科学研究の成果の一つを先取りしたものとなっているのは、まことに驚くべきことだ。』


        • 以下は、旧記事より転載した内容です----

  TBコメントを送ろうとしましたが、システムの都合で送れない方もおりましたので、関連情報を書き込んだ新しい記事としました。映画『蝉しぐれ』の公式HPはこちらです。

http://www.semishigure.jp/


(TB頂いた方々へのコメント内容)


映画『蝉しぐれ』の感動が忘れられません。ほぼ同感の印象でしたし、細やかな観察に敬服したので先にTBを送らせていただきました。「蝉しぐれ」、本当にいい映画でしたね。


特に子供時代の二人の演技が強く印象に残りました。フォトジェニック賞を受けた(ブログMoon Dream Worksさまの情報)、存在感がある石田卓也はきっといい俳優に成長することでしょう。それに、佐津川愛美の子供時代があるからこそ木村佳乃の美しさが映えるんだということ、これは全くそのとおり(「裏の皮、ブログ」さまのご意見)だと思います。この二人の今後の成長も楽しみです。


ご存知かと思いますが、新潮社の“とんぼの本シリーズ”の新刊で「名作の舞台裏、藤沢周平・心の風景」(藤沢周平、佐藤賢一ほか共著)が出版されているようです。(詳細はこちらをどうぞ→http://www.shinchosha.co.jp/tonbo/html/4-10-602136-6.html


たまたま、佐藤賢一の小説のファンですので嬉しくなりました。佐藤賢一も庄内地方の風土が好きで、たしか酒田に住んでおり、主に中世ヨーロッパを舞台とした小説を書いています。


この映画は家内と一緒に見に行ったのですが、映画が終わってからも感動の涙がこぼれそうになり困りました(エンドクレジットで席を立たない人が多かったのは、多分同じような方が多かったんでしょうね)。日本人の心と文化は大切にしなければという想いが湧いてきました。


これから、庄内地方の自然と風土を探訪するつもりです。(わりと近い仙台に住んでいるのですが、この方面へは行ったことがありませんので今まで勿体ないことをしていたと思っています)


そして、なんといっても木村佳乃の日本的で清楚な美しさが忘れられません。庄内地方の空気と彼女の美しさがイメージの中で溶け合い独特の質感(クオリア)を醸し出しています。


なお、山形・庄内地方の風土的な魅力を見事につかんでいるHP(ギャラリー)を見つけたので、ご案内(下記★)しておきます。


★四季感動、http://www5c.biglobe.ne.jp/~y-sasaki/

★Fickle Window、http://www.ic-net.or.jp/home/koko/f_win.htm

★風の記憶http://homepage2.nifty.com/torukin7/

★Yagoro’sHomepage!別館、http://yagoro2.hp.infoseek.co.jp/

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