ウケるアプリのポイント⑤「ビジネスモデルを兼ね備えた」− ピクト図解とJohn Lennonとアプリ

それでは、今回は「TOYOTA SOCIAL APP AWARDでウケるアプリのポイント」5つめの「ビジネスモデルを兼ね備えた」についてお話します。
ブログ開始当初にも指摘しましたが、今回のアウォードでは企画書の中にビジネスモデルを組み込むことが求められており、この条件が大きなハードルとして応募者の前に立ちはだかっているといえます。

もちろん、投資家やVCからの資金調達を目論むスタートアップのようなピカピカ・ガチガチの事業計画はいらないでしょうが、かといってノータッチで済ますことはルール違反でしょう。


では、クルマアプリのビジネスモデルとして、どんなものが考えられるか。
以下、僕が最近読んで非常にためになった『ビジネスモデルを見える化する ピクト図解』という本を参考にして考えてみます。

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■『ピクト図解』著者/板橋悟氏プロフィール
http://ita3.jp/profile/index.html

※好きな音楽がKeith Jarrettというところと、16歳あたりでユークリッド幾何学の証明問題に熱中しているところが、いい感じです。
ブログのプロフィールによるとThe BeatlesLed Zeppelinも好きだとか・・・。
ロック趣味なところを見ると、MilesはやはりBitches Brewあたりが好みなんでしょうか。
いずれにせよ、僕の趣味は音楽もクルマも一世代上の方と合うようです。
・・・ちなみにBeatlesならホワイトアルバム、ZeppelinならPhysical Graffitiがマイベストです(ころころ変わりますが)。鼻血でます。(曲でいったらAchilles Last Standか・・・Beatlesは一曲選ぶなんてとてもできませんが、とにかくJohn Lennonです!A day in the life でありstrawberry fields foreverでありHappiness is a warm gun でありI am the walrusでありSexy Sadieであり、In my lifeです!映画『ソーシャル・ネットワーク』のハイライトは間違いなくエンディングのBaby, you're a rich manなんです!!映画・・・というか村上春樹の『ノルウェイの森』のハイライトだってタイトルであるNorwegian woodなんです!!!完全な出オチです!!!!)

板橋氏は芸術にも造詣が深そうなので、ヒプノシスのジャケットアートとかもきっと熱く語る方なんだと思います。


・・・ものすごく脱線しました。
ブログ開始以来一番筆がすすんだな・・・(笑)。
でも、60〜70年代ロック好きとジャズ好きとクルマ好き(と女好き)には強い相関関係がある気もします。


■板橋氏のブログ
http://ita3jp.at.webry.info/
http://itasan20.jugem.jp/


■ピクト図解のエッセンス(上記ブログより。詳しくは本を読みましょう)
http://ita3jp.at.webry.info/201002/article_5.html

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板橋氏は『ピクト図解』の中で、代表的なビジネスモデルとして


・シンプル物販モデル
・小売モデル
・広告モデル
・合計モデル
二次利用モデル
・消耗品モデル
・継続モデル
・マッチングモデル

の8つを挙げています(ブログでも公開されているので転載可と判断しました)が、その中でもSNSやソーシャルアプリのビジネスモデルとして定番といえるのは


・シンプル物販モデル
(例)アプリの販売

・広告モデル
(例)バナー広告やターゲッティング広告

二次利用モデル
(例)既存ゲームの移植

・消耗品モデル
(例)(ちょっとひねってますが・・・)バトルをするたびに体力を消費するが、有料のアイテムを使うことで一気に回復できる(本来は回復に時間を要する) などでしょう。


参考に、アバCAR(http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110221/1298290698)のビジネスモデル(BETA版。リンク先の元ネタに、タカラトミーとコラボしてSNS上のアバCARをミニカーにできるサービスなどを足しています)をピクト図解したものを掲載します。

板垣氏は手書きでの図解を推奨しており、僕もまずは紙に書いてみたのですが、あまりに達筆すぎて(笑)とてもお見せできないため、パワポで作り直しました。



以上、紙幅の関係で簡略化していますが、


・シンプル物販モデル

・広告モデル
※バナー広告など単純な広告のほかに、例えばカスタムパーツメーカーのショップや商品をアバCAR上に登場させたり、バーチャルガソリンスタンドとしてShellを登場させたり(プロダクト・プレイスメントという広告手法です)などの施策もイメージしています。

・消耗品モデル
・継続モデル
・合計モデル
・マッチングモデル

などのエッセンスが含まれていることがお分かりいただけるかと思います。
こんな感じで見える化していくと、直感的に儲けの構造がわかりますし、また紙に書いていく過程で「もっとインカムラインを増やせないかな?広告モデルを応用したらどうだろう・・・」などとアイデアを深化させることもできます(これ、すごいです)。
アウォードの審査員の方にも理解していただきやすいでしょう(笑)。

以上のように、「ピクト図解」はこれまで紹介したフレームワークマトリックスと同様、アウォードに関係なくあらゆる場面で役立つ考え方だと思います。




・・・「もっと単純な考え方はないんか」、「わしは理屈じゃなくてアイデア勝負なんじゃボケ」と言われそう(なぜか関西弁)なので、補足。
シンプルに考えると、SNSやアプリを活用したビジネスモデル(あるいはクルマアプリに応用できそうなモデル)の3トップは

・広告
・物販
・課金

です(だぶってます)。

これはfacebookmixiGREEなどの収益構造を見ても明らかですし、wikipediaSNSの項目にも大体同じことが書いてあります(笑)↓

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SNSのビジネスモデルは大きく分けて「広告収入モデル」「ユーザー課金モデル」「他サイト誘導・連動モデル」が成立している。


広告収入モデル

インターネット広告により収益を得るモデル。広告収入を収益の柱としているSNSmixiMySpaceなどが挙げられる。いかに多数のユーザーをサイト上に滞在させ、PV(ページビュー)を獲得できるかがこのモデルの鍵となる。SNSで広告収入をあげるにはそれなりのユーザー数が必要とされるため、そこまでコミュニティを育てていくにはサーバーなどを運営していく計画的な資本戦略が必要とされる。


ユーザー課金モデル

提供しているサービスに対し、サービス利用料という形でユーザーに対して直接課金し、収入源とするモデル。PVの多さに依存せず、人的ネットワークなどSNSの特徴を積極的に活用したサービスの提供に重点を置いている点に特徴がある。現在ではビジネスネットワークの構築や職探しに利用される米国LinkedInなどのSNSが挙げられる。 またこれとは別に基本的に無料で提供しているサービスに一部サービスに付加機能を加えた有料サービスを提供して課金をするモデルもある。(例:mixiプレミアム)


他サイト誘導・連動モデル

SNS内での広告収入や課金収入に頼るのではなく、SNSをユーザーの集客や定着のツールとして捉え、自社・他社問わず他のサイトに誘導、あるいは連動させることにより得られるシナジー効果(相乗効果)を期待するモデル。ヤフー株式会社の井上雅博CEOが語るようにYahoo! Daysなどの大手ポータルサイトが運営するSNSはこのモデルを取り入れようとしている。 また携帯向けSNSモバゲータウンはモバオク、ミュウモなどの外部の課金サービスに誘導することで収益をあげている。

なお、これら三つのモデルは、そのいずれかはそれぞれのSNSで中心となっているものの、例えば広告収入モデルはほぼすべてのSNSで取り入れられているように、ビジネスモデルを組み合わせていくのが一般的である。

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ピクト図解などを用いて自分でビジネスモデルを考えるのが面倒という方は、とりあえず思いついたアプリアイデアに関連して「広告掲載か物販か課金ができないかな?」と考えましょう。これならめんどくさくないです。
そして、どれだけ単純であっても収益が見込めるのであれば、それはもう立派なビジネスモデルです。

繰り返しになりますが、とにかくビジネスモデルに全く触れていない企画書を出すのは避けましょう。
まげを結わえずにお相撲は取れません(そういうことになっているのです)。

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最後に、「トヨタ」と「アプリ」と「ビジネスモデル」あるいは「儲け」の関係について。

トヨタがアプリで儲ける」というセンテンスには、「トヨタがアプリ”自体で”儲ける」という側面と「トヨタがアプリを”活用して”儲ける」という二つの側面があるわけですが、トヨタはゲーム会社やソフトウェア会社ではないので、アプリ自体で儲ける(アプリの販売で儲けたり、アプリ内のグッズの課金で儲けたり)よりも、いかにリアルでの車拡販につなげるかという視点が第一に求められることは言うまでもありません。
つまり、クルマとSNS/アプリという2つの対称的なビジネスモデルのハイブリッドが求められているというのが、このアウォードの難しさであり、また面白さでもあるのです。
ビジネスモデルから逆算してアプリを考えるのもいいかもしれません。



・・・以上、長くなりました。
ここまで読んでくれた方、お疲れ様です。
↓こちらを聞きながら、お茶でも飲んで休憩して下さい(笑)。


In my life/The Beatles
http://www.youtube.com/watch?v=63skAbv6D0U


Stairway to heaven/Led Zeppelin(時間がない人は5:35あたりからのギターソロだけでも是非)
http://www.youtube.com/watch?v=ugxFcmZXDyc

いずれも音が悪すぎて悲しくなるので、是非CD、DVDで聴きましょう!


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TOYOTA SOCIAL APP AWARD最優秀賞で東北復興に50万円寄付!

http://justgiving.jp/c/3226