おいしい空気も、エコだよね。

日本も京都議定書の目標達成に躍起になっているので、CO2削減についての話題はお茶の間レベルで浸透したように思う。
その一方で、ぜんぜん達成なんて程遠いな、という空気も、感じる。
本気なら、公共交通機関だけじゃなくて、前車アイドリングストップ機能をつければいいじゃないかと思うのだが、そういうわけにもいかないのだろう。


長い前置きになったが、環境問題は何もCO2だけの話じゃない。


僕が毎朝通勤で駅まで向かう自転車で通る道の対岸、愛知県北名古屋市にあるごみ焼却場の話を書こう。


実を言えば、今までは大型ショッピングセンターの中を突っ切っていたのでそこを通らなかったのだが、建替え工事に伴って封鎖されてしまったので、やむなく道を変えた。
そこで、改めてその存在に気づいた。


朝の7時前だというのに、白煙がもくもくと出ている。
帰りは深夜0時頃そこを通過することが多いのだが、やっぱり白煙が出ている。
そして、通るときは口をふさがないと、苦くてしょうがない。
いや、前からそこを通らなくても「苦いな」とは感じていたのだが、横の国道302号線と東名阪自動車道の影響とばかり思い込んでいたのだが・・・


確信犯として建てたわけでもないだろうが、濃尾平野は、伊吹山からの風が北西から南東に向かって吹き降ろすため、白煙は北名古屋市側にかぶることは皆無に等しい。
まさに煙のルート上に建っているマンションの住人には迷惑この方ないだろうが、煙は365日のうちほとんど名古屋市側にやってくる。

もちろん、ここで書きたいのは、「建てた自治体が自分のところで責任取れ」ということではない。


数行前にも書いたが、苦くてしょうがないのだ。


ただの焚き火だって、口の中が苦くはならないだろう。
燃えるごみとして出してしまっているものには、当然ながら有害物質も含まれているからだ。
ごみの分別で、名古屋市レベルで口うるさい自治体は、残念ながら全国でもまだまれだと思うし、僕の勤務先の所在地の自治体は、分別まではうるさいのだが実態はいっしょにして燃やしてしまっているのだ。


水もそうだが、空気だってそうだ。
口の中が苦くなる空気を、毎日吸いたいなんて思わないだろう。
でも、自分や、自分の身内が痛い目に遭わなければ「ま、いいや」で済ましてしまっているのだとしたら、かなわない。


空気に自治体のボーダーラインはない。
国境線もない。


誰もが、「こいつをごみにしたら、空気がまずくなる」と思う日がこないかな、と思う。