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仙台のITベンチャー日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2014-03-16 震災から3年の被災地 南三陸編その3 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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「ITで日本を元気に!」南三陸合宿をその1その2と二回に分けて書いてきましたが、今回はその最終3回目です。

志津川のかさ上げ工事の現場を後にした我々は、一路歌津地区へ。

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多くの旗がたなびく伊里前福幸商店街

ここでマルアラ株式会社及川商店の及川吉則社長にお話しを伺いました。

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彼とは2011年の秋に知り合ってその後何度も会っていますが、この逆境を前にいつも笑顔で前向きな笑顔が印象的な経営者です。

未だ、震災前に5つあった工場のうち稼働しているのはわずか1つの工場のみ。

合わせて、地元の水揚げ高は1/3。

にも関わらず、仕入れ先を変え、商品を変え、売り先を変えて、今や売上高は震災まえと同じ水準まで戻したそうです。スゴい!

新工場は用地がかさ上げされる平成28年まで待たなければならないとのことですが、それまでに色々なことを準備して、工場稼働の暁には一気に事業を伸ばすのでしょう。

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「防潮堤や高台移転は色々な味方があるが、早く決めて進めるべき。ここに来てやっと進みが加速してきているので期待している。」とのことでした。

彼は間違いなく、これからの南三陸町を産業面で支えるリーダーの一人だと思います。

その後、「海辺の資源を活用した釣りや漁業体験などを来訪者自らが選択し、オリジナルのツーリズムを創り上げていく」ブルーツーリズムを事業化している金比羅丸の高橋直哉代表に会いに行く。

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彼は初対面だったんですが、金比羅丸+漁師と言う勝手な想像からすると、予想外の人物が小屋から出てきて驚きました。

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この辺のことは、我々の仲間であるGQ JAPAN 冨田さんの記事に詳しいので、そちらもご覧下さい

「従来までの養殖業に加え、昨年3月からブルーツーリズム事業を始めた。まだまだ売上的には小さいが、県外からのお客さんが8割で、女性や家族連れの初心者が多く手応えを感じている。」

「ネットを使っての情報発信に力を入れて行きたい。ブルーツーリズムやEC(注:当団体も支援させてもらっているECサイト「南三陸deお買い物」での直販)に力を入れ、観光面で地元の良いものを見せて行きたい!」と力を込めて仰っていました。

そして、最後の言葉が印象的でした。

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「養殖のみだった頃、我々にとって海産物はモノだった。観光やECを通してお客さんとが直接見えるようになった今、それらは食品になった。養殖の方も以前にも増して、良いものをお客様に届けようと言うモチベーションが上がりました。」

翌朝、朝の散歩で浜に下りると、高橋さんらがワカメを水揚げ、湯がき作業を行っていました。

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そして、本日最後の訪問先、小野花匠園

トマトや菊を栽培するこの農園で、私たちは驚きの経営者、小野政道社長と出会うこととなりました。

見た目も喋りも正直頼りない若者って言う第一印象は、彼の独特な話し振りと信念に満ちた話しの内容に引き込まれながら大きく覆って行くのでした。

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震災前、親子3人で農家をやっていた彼は、ある時これまでの商流に疑問を持ち、無地の段ボールに自分の名前だけを書き商品を市場に直接持ち込みました。

団体(と書けば分かりますよね)経由で商品を下ろしている地元の農家に迷惑を掛けられないので、「南三陸」の文字も書けなかったと言います。

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そして震災。

働く場を失った人々を見て、家族経営の農園を事業化することを決意。

数千万の投資でハウスも増設し、最初は町内のコンビニに菊を置いてもらうところから始まって、隣町のコンビニ/スーパー、今や県内全域から岩手の一部までの商流を足で稼いて開拓、ピーク時には25名の雇用を生み出しています。

あといくら売り上げられれば一人が雇用できるか、常にそれを計算しながら事業を拡大しています。

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「これまでの慣習から脱して思い切って事業をすることなど、震災で生き残った私の人生を考えると、思い切りやらないのは申し訳ないと思うようになった。」との言葉も含め、私の文才ではきちんと表現できないのが残念なんですが、とにかくブレない信念と実行力、冷静な計算と事業への情熱が非常にうまくバランスされた経営者だと感じました。

今回の私のチームは日頃から東京を中心に数多くの優れた経営者に数多く会っている人たちのチームだったのですが、「彼は稀に見る資質を持った経営者だ。」と言うのが満場一致の意見でした。

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最後にこのようなことを言っていました。

「農業で何かやりたいことは、実は何も無い。それを使って、どうやって雇用を増やすためのお金を生み出すのか。それが私のやりたいことです。」

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3/8(土)。震災から3年経った南三陸で出会った50代、40代、そして3人の30代。

他のグループが訪れた方々の話しも聞くにつけ、それぞれが各年代がなすべき役割を持ち、前に向かって力強く進みだしていると感じました。

これは一年前には感じなかった動きです。

震災で覚醒した若者たちが被災地の復興を推進する。

その復興のプロセスに、今後の日本が解決すべき課題の解決法が隠されている。

今回、復興の現状を正しく理解する目的でインタビューを行った訳ですが、実際に得たものはそれ以上のものがあり、明らかに我々が勉強させられることが多かったと思います。

やはり、極限状態に置かれた人間の強さやしぶとさ、そして突破力はスゴいものだと感じ、大いに刺激になった1日でした。

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【関連記事/ブログ】

GQ JAPAN 冨田さんの記事「仕事がないなら、作ればいい─金比羅丸・高橋直哉」

ネットコマース 斎藤さんのブログ「被災地から学んだ素敵な生き方」

震災から3年の被災地 南三陸編その1

震災から3年の被災地 南三陸編その2