読め! 読め! 読め! いいから(略)

玉響荘のユーウツ (トクマ・ノベルズ Edge)

玉響荘のユーウツ (トクマ・ノベルズ Edge)

凄い! 凄い! 凄い! 面白い!
こんなに面白い小説を読んだのは10年ぶりだ。いや、それはちょっと大げさか。ごく控えめに5日ぶり*1と言い直しておこう。一読巻置く能わず。この言葉がぴったりだ。
オビには抱腹絶倒のシチュエーション・コメディー!と書かれているが、まさにその通りであり、またそれ以上のものでもある。手に汗握るタイムリミット・サスペンスでもあり、ピカレスク・ロマンの味わいもある。私立探偵は出てこないが私立探偵小説ふうでもある。
傑作だ。
レーベルがトクマ・ノベルズEdgeということで、本筋と全然まったく何の関係もない「メイド喫茶」などという言葉もちらほら出てくるが、内容はライトノベルではなく、たとえばミステリ・フロンティアで出ていたとしても全く遜色がなかっただろう。*2
(以下少し内容に触れます)

*1:ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)』を読んだのが先週の土曜日だったので。ただし、面白さの質は全然違う。

*2:ミステリ・フロンティアラノベレーベルじゃなかったっけ?」などと言わないように。

続きを読む

釈迦の掌

昼に書いた『玉響荘のユーウツ』の感想文を読み返してみたら、あまりにも冷静さを欠いた文章だったので、我ながらいがかなものかと思った。
で、他の人の感想文を探してみたところ、前作と比較してやや辛めの評価をしている人がいた。そこで、前作『A HAPPY LUCKY MAN』についてのコメントも探してみた。すると、オンライン書店ビーケーワン >東京創元社編集者・桂島浩輔が選ぶ2003年度「必読」ミステリーのうちの一冊に選ばれていた。や、この文章は読んでいたのにスルーしていた。
スルーといえば、極楽トンボ氏の『玉響荘』の感想も見落としていたのは迂闊だった。