定評がある奇妙な探求会

世界の奇妙な国境線 (角川SSC新書)

世界の奇妙な国境線 (角川SSC新書)

カバー見返しの「著者略歴」に曰く。

世界地図をつぶさに観測し、そこに隠された謎に迫ることを目的とした「地図フリーク集団」。歴史、紛争、地理といった地図に関するあらゆる情報を追いかける。幅広いネットワークを活かしたユニークな視点には定評がある。本書では、世界の「国境線」に注目し、国と国との境界線が画定されるにいたった、意外な歴史とお国事情をあぶり出している。

全然、略歴になっていない。
もひとつ、奥付ページの「著者略歴」も紹介しておこう。

世界地図をつぶさに観測してそこに隠された不思議をあぶり出し、謎に迫ることを目的とした「地図フリーク集団」。国境はもちろん、歴史、紛争、地理といった地図に関するあらゆる情報を追いかける。幅広いネットワークを活かしたユニークな視点に定評がある。

微妙に違っている。
この「世界地図探求会」という謎の集団は、幅広いネットワークを活かしたユニークな視点に定評があるそうだが、そのわりにはこれまで見聞きしたことがない。"世界地図探求会" - Google 検索でみると、ほとんど『世界の奇妙な国境線』の著者としてのみ言及されているようだ。念のために"世界地図探求会" -"世界の奇妙な国境線" - Google 検索をみると、3件しかヒットしなかった。幅広いネットワークがあるなら、ネット上のどこかで誰かが言及していてもよさそうなものだが……。いったいどういう方面で定評があるのだろう? インターネット環境に不自由している人々の間で、ということだろうか。
それはともかく、内容的には雑学ネタの域を出ないものだった。興味がある人には暇つぶし程度にはなるかもしれないが、それ以上の意義を見いだすことは難しい。まあ、暇つぶしになるということだけでも相当な意義があると評価することもできるのだが、世界飛び地領土研究会を読めば十分、というかこっちのほうがもっと充実していて面白い。
そういうわけで、個人的には『世界の奇妙な国境線』はあまり満足できる本てではなかった。残念。