一本足の蛸 このページをアンテナに追加 RSSフィード

「なぜなら彼女は一本足の蛸です。彼女の足は他の誰にも繋がっていません。人として生まれながら人類や他の生命体の何とも共有する部分を持たないのです。真の孤独とは、彼女のために用意された言葉ですよ」

谷川流『絶望系 閉じられた世界』電撃文庫(2005),p.243

2005-09-07

[]第八の地獄 00:19 第八の地獄 - 一本足の蛸 を含むブックマーク 第八の地獄 - 一本足の蛸 のブックマークコメント

叙述トリック講義(HMC 本格ミステリクラブ(似非))から。

  1. 人物の誤認
  2. 人物関係の隠匿
  3. 性別の誤認
  4. 時間の誤認
  5. 場所の誤認
  6. 身体的特徴などの隠匿
  7. 作品内のレベルの誤認

この分類にあてはまらないパターンをひとつ思い出した。1や2と併せて用いられる(というか、それを用いて1や2を引き起こす)ことが多いが、いちおう単独で取り出して項目立てできる。

それは……

……大変だ、台風が接近している。こんな雑文を書いている余裕はない。

[]行方不明 20:06 行方不明 - 一本足の蛸 を含むブックマーク 行方不明 - 一本足の蛸 のブックマークコメント

台風が通り過ぎ、街を覆う濁水もようやくひき始めた。辺りには泥だらけの死体がまるで生ゴミか何かのように散乱している。

山際では大規模な土砂崩れが発生しているそうだ。

「ひどいな、死者1192人、行方不明者1603人だってさ」

なんということだ、4桁もの人々がそんなひどい目に遭ったなんて……。

あれ?

待てよ、なんで行方不明者が1603人もいるんだろう?

「そりゃ、土砂崩れのせいだろう。山際のあけぼの団地がまるごと埋まってしまったんだから。今、水防団と消防団が必死になって土砂をかき分けている最中だけど、ほとんど生存者はいないだろうって噂だ」

おかしいな。行方不明って、どこにいったかわからないという意味だろう? なんで生き埋めになった人が行方不明なんだ?

「土砂を取りのけるまでは、そこにいるかどうかが確認できないから、行方不明でいいんじゃないか?」

いや、そこに確実にいるという保証がないからって、行方不明というのはおかしいよ。だって、水防団の人や消防団の人は埋もれた団地に人が何人いるのかを確認するために土を掘り返しているんじゃないだろ? 絶対確実じゃないにしても、たぶんそこに人が生き埋めになっているという見込みがあって、その人々を救出しようと思って頑張っているんだ。だとすると、どこにいったのかわからない人に対する態度じゃないよね。

「じゃあ、どう言えばいんだい」

生死不明、かな。または、安否不明。

puhipuhipuhipuhi 2005/09/07 00:57 Y.M.さんの某作のことでしょうか?

trivialtrivial 2005/09/07 20:04 特に誰かを念頭に置いたということはないのですが、確かにY.M.さんにも作例がありますね。私が思っているのと同じ人だとすれば。

yuriyuri 2005/09/07 22:51 イニシャルからして非常に気になっているのですが・・・。

puhipuhipuhipuhi 2005/09/07 23:22 たぶん皆さん同じ作品が頭にあるような気が……あれは衝撃的だったですから。

yuriyuri 2005/09/07 23:50 安眠さん、台風も明日には通り過ぎそうだし、是非その新たな項目を教えてください。気になって眠れそうにありません。

trivialtrivial 2005/09/08 00:29 では簡単に。「視点・人称の誤認」です。ちなみにY.M.さんというのは三島由紀夫でも松田優作でもありません。

sakatamsakatam 2005/09/08 01:22 超有名な古典の「行為の隠匿・誤認」はどうでしょう?

puhipuhipuhipuhi 2005/09/08 11:29 「動物種の誤認」というのもありますね。「人間と思ったら猿だった」とか。国内の作例ではY.A.氏やJ.I.氏の短編など。

trivialtrivial 2005/09/08 23:25 一日経ってみると、puhipuhiさんの「Y.M.さん」は私が思っている人とは別人ではないかという気がしてきました。私が連想したのは女性で、作例は短篇ですが、puhipuhiさんが言及されたのは男性作家の長篇だったのではないでしょうか?

trivialtrivial 2005/09/08 23:27 「行為の隠匿・誤認」というのは、もしかして殺人のことを「なすべきこと」とか何とかさらっと流して書いたアレでしょうか? 超有名な古典ですぐに思い浮かんだのはそれしかないのですが。

trivialtrivial 2005/09/08 23:29 「動物種の誤認」のY.A.氏の作品は有名ですが、J.I.氏というのが誰か思い出せません。そのかわりに、別のイニシャルの人の「人間と思ったら犬。しかも……」という長篇を思い出しました。

yuriyuri 2005/09/09 00:34 安眠さんのおっしゃった作例はわかりました。あまり知られていないアレですね。私も3つほど、男性作家の長編が思い当たりましたが、puhipuhiさんのおっしゃるイニシャルとは違うので、結構作例があるということでしょうか。

sakatamsakatam 2005/09/09 03:58 >「なすべきこと」
それです。これは「行為の隠匿」だと思うのですが、類似ネタの別の作家の作品(さほど有名ではないですがこれも古典です)では、「行為の誤認」という形で処理されています。
それにしても、「動物種の誤認」がそんなにあったとは驚きでした。私は安眠練炭さんのおっしゃる作品しか思い当たりません。

puhipuhipuhipuhi 2005/09/09 21:15 当方が想定してたのも某女性作家の短編です。男性作家の方もなんとなく想像がつきましたけど未読です。今年のMYSCONの直前に買ったのですがそのまま本の山に埋もれて行方不明…といってはいけないのか、生死不明? 安否不明? まあとにかく不明なわけです。あと作例というとK.K.氏の長編とか、K.H.氏のやはり長編とか……K.H.氏のは「神の視点」と見せかけて実は登場人物の視点だったという何か凄い作品でした。

trivialtrivial 2005/09/09 21:34 >某女性作家の短編
雑誌に掲載された後、アンソロジーに一度再録されただけで、まだ個人作品集にも入っていないのに、お読みになっているとは驚きました。
>「神の視点」と見せかけて実は登場人物の視点
これはTA氏にもあります。ちゃんと調べていないのですが、たぶん同時期の作品だったと思います。

puhipuhipuhipuhi 2005/09/09 23:54 >驚きました。
いえいえ読書量は全然たいしたことないのですが、この短編は、M・K氏のサイトで「新本格の行き詰まりから出現した奇跡のような作品」と絶賛されていたので、たまたま読んでいたのです。

yuriyuri 2005/09/10 01:35 えー、ありがとうございます。恐縮です(ちなみにYM本人です)。K.H氏は私も思い至りましたが、K.K氏とT.A氏は今のところ思い当たっていません。無さそうであるものですね。

sakatamsakatam 2005/09/10 02:18 >「神の視点」と見せかけて実は登場人物の視点
Y.N.氏のあの長編(驚くべきことに映像化可能です)もそうですね。
この分類を見てぽつぽつといくつか思い出してきたので、いつかまとめてみたいところですが……。

kaienkaien 2005/09/10 02:23 >人間と見せかけて動物

某男性作家の連作短編のなかの一作にもありますね。はじめて読んだときは僕もY.A氏の作品を思い浮かべましたが。

>「神の視点」と見せかけて実は登場人物の視点

角川スニーカー文庫のファンタジーでもありました。S.T氏の作品です。ところで、そのY.N氏の長編で名探偵役だったキャラクターに萌えたのですが、だれか賛同者いませんか(笑)。

trivialtrivial 2005/09/10 04:20 >sakatamさん
私もまとめを考えてはいるのですが、いつになることやら……。
Y.N.氏のあの長編については、以前松本楽志さんがウェブ上で前例のあるトリックの再使用という観点から論じていた……記憶があるのですが、過去ログが出てきません。

trivialtrivial 2005/09/10 04:22 >kaienさん
スニーカー文庫にもあったとは……。あとでこそっとメールでタイトルと作者名を教えてください。

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