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特に何も決めてない日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-10-07

ネットは今のままでいいよ

 実名推進派の人たちの言っていることは、どれも寒々しく感じる。ありもしない理想郷に向かおうと気勢を上げてる間抜けな集団という感じがする。

 匿名派はというと、実名派のそういう変な熱気を遠巻きに眺めている。

 ここらへんについてはひろゆきも言及している。

実名推進派の人って、だいたい癖のある個人事業主とか、癖のある社長とかで、

...

おかしな奴ばかりがいるように見えてしまって

実名推進派は人の気持ちがわからない人が多い。

 ちょっと恣意的な引用になっているが、ニュアンスとしてはそんなにずれていないと思う。


 前記事で訳分からんというようなことを書いたが、色々考えてみた。

 まとまりが無いが、匿名側の意見として見てもらいたい。


ネットは虚構

 ネットというのは虚構の世界だ。溢れ返る情報たちも、実存が在るのか無いのか分からない。嘘を嘘と〜という名言もある。

 この文章がBOTによる自動生成である可能性があることは、誰も否定し得ない。プログラムなんかの難しい事は分からないが、NASAみたいなすごい機関が完璧な人工知能を開発して、ネット上で一つの人格を構築する事はありえることのように思える。*1

 そうなると、ネット上で交換される文字や画像や映像なんかは、結局全てが虚構になりえるのだから、そこに実存としての価値はない。

 それどころか、現実世界にしっかり組み込まれている情報たちだって、結局は実存の証明にはなりえない。

親を極端な話――実際あった事件ですけど――、埋めて、……殺すわけじゃないですよ。自然に亡くなったんだけれども、届け出して火葬にするとバレてしまうから、そのまんま穴掘って埋めて、

...

本当は死んでるんだけども、役所のデータ上は生きてるという高齢者

はてなダイアリー

鳩山由紀夫首相資金管理団体友愛政経懇話会」による政治資金収支報告書の虚偽記載問題で、同団体が訂正手続きをとっていない平成16年分の報告書にも、故人や実際に献金していない人の名前が記載されていた

首相「故人献金」 未訂正分も虚偽記載

 結局、本人不在の情報には、不確実性というのが常に存在する。

 そして、死亡届とかのデータに比べて、ネットというのはその不確実性というのが遥かに高い。

 だから、ネットは虚構だと言える。極論だけど。


ちょっとした小話

 友人が某ゲーム会社に勤めていて、とあるゲームの最初のトレーラーが出た時(ずいぶん前だったと思う)、裏話を教えてくれた。今年末に発売されるあのゲームだ。

「実のところ、あのゲームは全く完成していない。終わる目処が全く立たなくて、経営側も開発を続けるかどうか相当揉めているらしい。トレーラーで戦闘画面とかを出していたが、あれはプリレンダの動画にゲーム画面っぽくメニューとかを追加しているだけだ。出すとしても遥か先になるだろうし、開発中止も十分ありえる」

 というような感じだ。

 そのゲームにはあまり興味が無かったので「まぁ開発厳しそうだしね」などと言っておいたのだが、トレーラーが出た頃は結構色々なところで盛り上がっていたように思う。何せ、会社側が堂々と「こんなもん作ってますよ」と公式に出してきた映像だ。皆が信用するのも当然である。

 でも、それは嘘っぱちだった。


実名にも意味が無くなる

 これまでの文章で、ネット上で(自発的に)実名を名乗ることに全くの意味がないということが分かる。

 実名のようなハンドルネームを名乗ればいいだけだ。なりすましでもいい。ともかく、やりようはいくらでもある。戸籍すら信用できないのに、名前なんかに何の意味があるのか。

 もちろん、法的措置で実名使用を強制化すれば、ある程度は実名にも意味が出てくるだろう。ネット上での記名をごまかすことに、身分詐称とかそういう罪を適用するとすれば、大体の人は渋々従うはずだ。

 しかし、法的措置はやりすぎであるように感じる。のであるが、どうもそこまでしても実名化したい人たちがいるらしい。


それでも実名を推したい人たちを分類してみる

 これまでの文章を踏まえても、やはり実名を出したい(出させたい)人たちがいる。

 法的措置を取ってでも*2実名化に踏み切りたそうな人たちを分類してみた。

  1. 現実世界で名前で以って実益を得ている
  2. ネット世界で名を成している
  3. おかしな正義感を持っている

 1の人たちは、とても分かりやすい。彼らは利益を得られるフィールドを増やしたいだけだ。

 皆が名前を出して競走する場所であれば、名前によってイニシアチブを得られる人が強いのは自明である。だから、そういう人はネットでも利益を得るために、名前で競争できる余地があればいいと考える。

 実名推進派現実支部と呼ぼう。既存メディアに属する人たちである。


 2の人たちは、1の人たちとは逆に、現実世界で自身の価値を上げるために、ネット世界そのものの現実世界における比重を上げたいと思っている。

 ネット世界が現実に及ぼす影響力が増せば、ネット世界で評価されている人間が現実世界でも評価されるようになる。そうなるとお金になる。必死なのも当然だ。

 これは実名推進派ネット支部と呼べる。アルファブロガーとかそういうのだ。"たった一つの〜〜"とか"ライフハック"とか変な流行語みたいなのを積極的に使うあたり、現実支部の人たちと本質的には近いイメージもある。


 3の人たちはまぁどうでもいいんだけど、要は変な団体さんみたいな感じの人たちだ。

 匿名は卑怯であり、実名になればネット世界は美しくなると信じている。

 実名推進派綺麗なインターネット支部だ。

 そして、1の人も2の人も、ちょっとばかりこっちに寄っている人が割と多いように見える。聞こえが良いからかもしれないが、どちらかというと馬鹿っぽい。


そもそもネットがメディアとしての信頼性を高める必要があるのか

ネットがメディアとしての信頼性を高め、既存のメディアと肩を並べる存在になるには、表現者が自分の名前を開示し、責任の所在を明らかにすることが不可欠だと私は考えています。匿名コミュニケーションのままでは、いつまでもネットは周辺メディアの位置にとどまるでしょう。

ネット上でも実名で表現を:勝間和代のクロストーク

 そもそも、誰が、ネットをメディアとして信頼性のあるものにしたいと思っているのか。それが匿名派には全く分からない。

 放っておいても、匿名派は匿名の世界で勝手に上手いことやっている。嘘を嘘と〜〜という言葉を噛み締めながら。

 もちろん、ネットを上手いこと利用して金儲けしようなどとは考えていない。そういうことを考えているのは既存メディア*3と一部のネット有名人だけである。


誹謗中傷問題

 誹謗中傷はいけないかもしれないが、何をどうしたって無くならないに決まっている。人間どこかで対立するものだ。心無い中傷と心のこもった批判というのは発信者側の気持ちの問題であって、受け手によっては全てが誹謗中傷になり得る。だとしたら、"誹謗中傷"を無くすためには、会話をやめるしか無いということになる。全ての人間がまともな会話をできる脳味噌を持つようになるよりは、会話そのものを放棄する方が圧倒的に現実的だ。

匿名での誹謗中傷を減らすという目的のために、実名情報発信を推奨する運動が行われる事がありますが、そのような状況でそれを行っても、当初の目的は達成出来ないのではないでしょうか? 「誹謗中傷を減らす」という目的に対する回答は「実名発言」だけなのでしょうか?

ネットにおける匿名の誹謗中傷を減らすには

 実名を採用するということが、会話を放棄することに繋がるのは自明だ。

 実名を晒すリスクを考えれば、誰だかよく分からない人間に話しかけるなんて自殺行為に等しい。親切心から諭したつもりでいても、相手が逆恨みしてくることなんてのはままあることだ。大阪で小学生に声かけしたら不審者扱いってのがあったが、それがそのまんまネット上で再現されるだけである。

 そして、みんな馬鹿らしくなってネットに参加することをやめるだろう。ネットは、今のテレビと同じように、声がでかいだけの人間がのさばる、つまらないメディアとなる。

 既存メディアと一部の"ネット識者"はそれで喜ぶのかもしれないが、現ネットユーザーとしてはいい迷惑だ。

 つまらないメディア様になるくらいなら、ネットは周辺メディアのままでいい。


だからネットは今のままでいいよ

一方、ネット内ではまだ、匿名やニックネームが中心で、実名での表記はまれです。その結果、健全な助け合いが本来、ネットメディアの望ましい姿であるにもかかわらず、一部には、過激な中傷があとを絶ちません。「炎上」という形で多数の人から非難された結果、閉鎖するブログもあります。

ネット上でも実名で表現を:勝間和代のクロストーク

 匿名の人がうっかりしたことを書いて、匿名の人に攻撃されて、匿名でやっていたブログを消す。

 もしかしたら炎上したブログの書き手はショックを受けるかもしれないが、それだけで済む。まさか匿名ブログ炎上しただけでPTSDにはなったりはしないだろうと思うのだが、どうだろう。

 実名の人がうっかり炎上した場合、ちょっと可哀想ではあるが、実名リスクを考えた上での行動である(と見なされる)のだから、仕方ないだろう。

 "虚構の世界で実名を出す方がどうかしている"というのが匿名派の見解だし、学校教育でもそれをしっかり教えていくべきだというのは大方の合意を得られている事じゃないだろうか。

 それに何より、炎上する側に非がない場合というのはほとんどありえないのだ。罪人に石を投げるのは褒めるべきことでは無いが、それはネット云々の問題ではなく、人間教育の問題である。行為ではなく、行為に駆り立てられるメンタリティを批判すべきだ。


 それに、"健全な助け合い"というのもよく分からない。2chの専門系の板にはずいぶん助けられたし、Yahoo知恵袋的なサービスも隆盛だ。小町も面白い。十分、健全な助け合いが成されているように思う。

 何が不満なんだろう。


 実名の人は実名で得られる利益を享受する代わりに実名リスクを負い、匿名の人は匿名のままネットを自由気ままに楽しむ。

 上手くいっているじゃないか。

*1:少なくとも遠い未来においては

*2:そうでもしないと有名無実な実名化になるのは、ここまでの文章に書いたとおり

*3毎日新聞とか

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