承前:《作品名》問題を先端的ゲーム研究から考える

[4/1 関連するわたくし自身の体験を最後にいくつか書き足し。3/30 ヨーロッパの出版譜の麗々しい表紙記載から「曲名」を切り出すときの諸問題を最後に追記しています。]

2つ前のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20120328)の続きです。

そういえば、『音楽学』の編集委員でもある立命館の吉田寛さんが、朝日新聞からゲーム研究について取材を受けた際、研究対象にしていらっしゃるゲームをどう表記するか(「コンピュータゲーム」か「デジタルゲーム」か「ビデオゲーム」か)で葛藤というか折衝があった、と書いていらっしゃったのを思い出しました。

新しい領域へ知的にアプローチしようとするときに、その領域をどのような名前で呼ぶか、というのは研究者の態度と関わるデリケートで大事な問題だ、ということだと思います。

http://d.hatena.ne.jp/aesthetica/20111007

藝術作品の名前を《》という専用の記号で囲むという、今となってはばかばかしい方針が大真面目で書式規定になってしまっている経緯は、今現在の先端領域研究を参考にして考えると、ニュアンスをつかみやすいかもしれない、と思いました。

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