未来を語る英語たち

「意志」(will、やるつもり)は「可能性」(be able to、私はできる、できるんだ、できないことがあるものか!)と同義だ、と丸暗記させる英語教師がいるとしたら、そのポジティヴな未来認識は、既に「ゆとり教育」を先取りしていたのかなあ、と思う。すべての人間が、開花させ得る「才能」を内に秘めている世界。

「宿題やったの?」と問われて、まだだけれど、万事着々と進んでます(I'm going to)と答える者がいるとしたら、世界の成り行きと自らの行動をピタリとシンクロさせた勝ち組、エリートの感じがありそう。

「今やるよ」(=Yes, I will)は、30秒後に、「ああ親はウザい。いらんこと言われたから、やる気なくなった」とどっかへ遊びに行くかも。移ろいゆく決断主義。

そうさ、ぼくたちはそうなる運命なんだ、さあ行こう!のお誘い(Shall we?)とか、おずおずと未知の世界の扉を叩いたり(May I...)とか、そういうドラマは、本を読むより、会話のやりとりで生きているのかもしれない。

そっちのほうが楽しそうかな。

せりふの構造 (講談社学術文庫)

せりふの構造 (講談社学術文庫)