指揮者の故小澤征爾氏は、ドイツのカラヤン、アメリカのバーンスタインを師としたが、もう1人フランスの巨匠、シャルル・ミュンシュにも大きな影響を受けたと告白している。
ミュンシュは、ある時小澤に「リラックス! リラックス! リラックス!」と三度も繰り返して強調したという。
(Charles Munch)
リラックスは奥深い。
私たちが行なう『仰臥大円 ー あまかがみ(仮称)』にも、その原則が働く。
仰向けに横たわって目を瞑る。
両手を上方へ差し伸ばしてから円を描く。
その際、手元を超えて、想像力を遊ばして、できるだけ遠方に自分を囲む円周を描く。
我が身は静かに横たわったまま大いなる円の中心にある……
これは、誰でも「リラックス」に容易に入りやすい態勢だ。
(詳しい手順はここでは省略、セミナーのパンフ、P1などを見て下さい)
けれど、この如何にも簡単なリラックスは、ほんの少しそのまま続けていると、幾つかの変化が順を追うように生じてくる。
◦我が身を漠然と感じとってゆく。
◦同時に身の各部の存在も各部として感じとることになる。
◦その時、体の各所に多少の違和感を覚えていても、構わずそのまま受け容れてゆくと、いつの間にか半ば癒されるかのように、全身と各部が宥和してゆくものである。
◦全身が大らかに、はじめとは異なった濃いレベルで「一つ」に感じられてゆく…。
◦そうするうちに、気づくと息も静かに安らいでゆくことが多い…。
こうして、リラックスからはじまって、その出会いの過程で身心が少しずつそれまでより一層調和して、自ずと「統一」状態に入ってゆく。
◦やがて統一状態は、さらにあたかも「ゼロ」のようになってゆく。古風には「無」になる、と言ったりする。
◦『仰臥大円』のプロセスで、己が存在(イノチ)と出会いはじめるのである。
◦鏡のように、全身と心が映し出されてゆく。映し出されることで、自ずと整えられてもゆく。(「鏡」と「呼吸」については別の機会に述べよう)
◦すると、そこに真の元気 ー 初源の活力 ー への確かな通路を見出すだろう。
2024.4.3
香譲
さあ、
リラックスへ!
『仰臥大円 ー あまかがみ』へ