【映画】プリースト
韓国のマンファ(マンガ)を原作としたホラーアクションもの。「レギオン」でコンビを組んだスコット・スチュワート監督とポール・ベタニー主演作品で「レギオン」と非常に似たノリの作品である。
人類とバンパイアの戦いは何世紀にもわたり苛烈をきわめていた。膠着状態を打開すべく人類は、改造人間「プリースト」を産み出す。バンパイアのごとく高い運動能力と破壊力で、バンパイアを駆逐するために産み出された無敵の戦士だ。戦いはやがて人類が優勢になり、バンパイアが襲ってくることも減り、「プリースト」は伝説にその名をとどめ、次第に人々の記憶から失われていく。
高い防護壁に囲まれ、「教会」が支配するデストピア。人類はそこに暮らしていたが、ある日、バンパイアに襲われた人間がいるという話しがあった。「バンパイアは絶滅した」と言い張る「教会」。「プリースト」は「教会」の妨害にあいながらも、バンパイアの巣窟へと向かう。
・・・と、非常に前置きが長い(笑)あらすじではなく前置きだ。この前置きをしっかり頭にたたき込んでおかないと、以後の話しがよくわからないのだった。
レギオンの時のポール・ベタニーは「自分はミカエル(英語読みではマイケル)だ」と良いながらも、わりと普通の人間の格好をしていたが、本作では伝説の戦士「プリースト」として、顔に十字架の紋章がある。
このデザインには、少々違和感があり、相棒となる女性プリースト「プリステス」と顔面に十字架コンビが、どうしても気になって、作品世界に集中することができなかった。
前置きが長すぎて、「この人、なんだっけ?昔、バンパイア狩りで活躍してたんだっけ」と忘れることも、しきりにあったりして、どうも作品世界に没頭できない。このあたりは、やはり、前置きがものすごく長かった「イーオン・フラックス」にも通じるものであった。
何が何でもわかりやすければいい、とも思わないが、こうしたアクション作品において、キャラそのものがよくわからないのは、結構マイナスポイントに思ったりもする。
せっかくの、かっこいいポール・ベタニーの十字架顔が出てくるたびに、くすっと笑ってしまったりするので、なおさら、マイナスポイントだ。
聖書ベースの作品においては、できるだけ良心的な構成・作品にしておいてもらいたかった。こういう十字架顔と教会の権威、だけではなく、バンパイアは聖書的にはどう解釈されるのか、などなど。
いまいち。
レギオン2でも作ればいいのに。