歯医者もたいへんだなあ・・・

 昨日は虫歯の治療のために名古屋の歯科クリニックへ行ってきました。予約した時間よりも20分ほど早く到着し、待ち合い室のソファに座っていると別の患者がやってきました。30歳くらいの男性で、真新しいプーマのジャージ(上下とも)を着て、リーボックのランニングシューズを履き、背中には高い山にでも登るかのような大きなリュックを背負っていました。変わった出で立ちの人だなぁ、とやや不審な印象を抱いたのですが、変わっているのは外観だけではありませんでした。その男は受付嬢に対し「物忘れの症状がひどくなり診察券を忘れました。財布ごと忘れたのでお金もありません。」ということをのたまいました。これに対して受付のオネーサンが「○○さん、前回も診察券とお金をお忘れになりましたね。今回は全額自己負担でお支払い頂く事になりますが、よろしいでしょうか?」と言うと、その男は「私の物忘れが発症したのはこの歯科クリニックの治療が原因なので、無償で治療してもらわないと困ります」と返しました。困った受付のオネーサンが奥へ引っ込むと、治療中の院長先生が白いゴムの手袋を付けたまま待合室へやって来て「治療はしますから、一旦帰って保険証とお金を持って来てください。」とピシャリと言うとその男はスゴスゴと帰っていきました。
 こういう”クレーマー”はどこの業界にもいるのでしょうね。ちなみに私が働いている食品業界にはメーカーで組織する協会があって、クレーマーに関する情報も共有しており、最近こういうクレーマーがいるとか、どういう手口だとか、どう対処すればいいかなどの情報を会社の垣根を越えて得ることが出来ます。お医者さんとか歯医者さんの場合もきっと学会的な組織で様々な情報を共有し、こういった「いいがかり」への対処方法なんかもマニュアルに載っているのでしょうね。
 歯医者は最近は乱立気味で競争が激しく、昔ほど儲かる商売ではなくなってきているうえに、クレーマーが来たり、下手な対処をすると訴訟問題になったりするでしょうから、なかなかたいへんだなあと思います。