戌年に読む犬の本(その4)

さよならをいえるまで

さよならをいえるまで

『さよならをいえるまで』という絵本を読みました。
 ある日、お父さんと暮らしている少年ハリーの家へ子犬がやってきました。バッタのようにピョンピョンとジャンプするのでその子犬は「ジャンピー」と名付けられました。ハリーとジャンピーはすぐに大の仲良しになり、いつも一緒に遊び、夜も一緒に寝ました。
 ところが、ある日、ハリーが学校から帰ってくると、いつもならハリーのところへ走ってくるはずのジャンピーの姿がありません。ハリーはお父さんからジャンピーが事故で死んでしまったことを聞かされますが、その突然の死を受け入れることが出来るはずはありません。
 そして、ハリーがどのようにしてジャンピーの死を受け入れて、さよならが言えるようになるかが、その後に描かれています。

 シンプルですが、心にジーンと響く、良いお話でした。絵本独特の心への響き方でした。絵本というのは本来的には子供向け、せいぜい小学校低学年ぐらいを対象に描かれているのでしょうけど、小説や映画とは異なる、他の媒体では代替出来ないこういう良さがあるから、大人になってもつい絵本を手に取ってしまうのかもしれません。

 ひとつ気になったのは、本の表紙と裏表紙のすぐ内側に正方形が敷き詰められた絵が描かれていたことです。これは一体何を意味しているんだろうか?