『そしてミランダを殺す』

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

 『そしてミランダを殺す』というミステリー小説を読みました。もともとこの本をどこで見つけたのか、何がきっかけで読もうと思ったのかは覚えていませんが、たぶん何かのランキングに入っていたうちの1冊だったような気がします。

 IT業界で成功している裕福な、ある男が空港のビジネスクラス用のラウンジでカクテルを飲んでいると、見知らぬ女が声を掛けてきて、意気投合して話していくうちに、男は自分の妻が浮気をしていて、裏切られた思いがいっぱいだということを打ち明けてしまいます。そしてその女が、じゃあ私が奥さんを殺してあげましょうか、と持ちかけるところから物語は始まります。
 この本の前半は、浮気をしている妻や空港で出会った女の学生時代の話が長く続いていて、この登場人物たちがどういう人間なのか、なぜ妻は浮気をして、なぜこの見知らぬ女が殺人を持ちかけてきたのかを理解する上では重要な部分であることは分かっていますが、これが結構長くて、段々と退屈に感じてきて、もうここで読むのを止めようかとさえ思ったあたりで、急にストーリーが展開して、俄然面白さを増してきて、その後は一気に読んでしまいました。

 この小説は、確定はしていないようですが、映画化するかもしれないと巻末の解説に書いてありました。そうだとしたら、浮気妻の殺害を持ちかけた女は誰がいいかな?スカーレット・ヨハンソンなんか良さそうだけどな。